さて、こちらでは一夜が明けまして
朝食がてら 梗子が彼らへと訊ねます
「あなた方は遠くから来たんでしたっけね」
「ええ、まあ…」
「何か探しものがあるとか」
「概ねそんな所だな」
不思議な色合いのサラダを口に運びつつ
顔色一つ変えずには答えます
「それなら、まずは中央市役所に訪れてみては
どうでしょう?大きな事件やお仕事など
色々な情報が集まりますしオススメですのよ」
「役所ねぇ…なんつーかファンタジーっぽいクセに
所々生々しいのはどうなんだ」
「銀さん、あんまりメタな発言は…
ただでさえ今いるトコがトンデモなんですし」
やや焦げているパンをもさもさかじっている
銀時へ、こそっと新八が耳打ちします
「何のことかは分かりませんけど、とりあえず
お探しのご職業が見つかるといいですね」
「ちょ、何でオレ見ながら言うの?
一応これでも経営者だって昨日言ったじゃん」
「給料ロクに払ってないから説得力ないアル」
「文句言うのは食費よりもガッツリ稼いで
オレに貢献してからにしろっつの」
皿に乗っているベーコンっぽい何かを取り合い
火花を散らしている二人を見て、梗子は
クスクスと楽しげに笑います
「銀さんも神楽ちゃんも仲がよろしいんですね
その元気、少しウチの子にも欲しいくらい」
「いや、それは止めた方がいいんじゃ…」
食事も済んで、後片付けが終わる頃に
チャイムが高らかに鳴ったので
手を拭きながらパタパタと梗子が
玄関へと駆けて行きます
「はーい今出ます…あら!」
声に反応して彼らが入り口を見やれば
そこには、金髪五分刈りの少年と
170程の背丈をした四角い男がいました
「よっ!ババア、見舞いに来たぜ〜」
「あの…真白君の具合はどうですか?」
「昨日も大事をとって、薬飲んで早めに
寝てたから きっと良くなってるハズよ?」
上がって、と言われて二人が家へと入り
居間で四人と目が合うと ペコリと
それぞれ頭を下げました
…勿論 四人は、この二人が
"啓一"と"唯碗"だと知っています
「あの子、起きてるといいけど…様子を
見てくるから ちょおっと待っててね?」
「「はーい!」」
梗子が二階の階段を登っていったのを見届けて
二人の視線が、銀時たちへと向けられます
「トコロでお前らダレ?ババアの知り合い?」
「ケイイチ君、はじめて会う人にそんな言い方
失礼だよ…ゴメンなさい」
「気にするな」
軽い自己紹介をお互いに済ませた後
銀時たちは探しものをしにココへ来たことと
梗子の家にいるいきさつを話しました
「あ、そういや昨日 町でペットのメ○ルギア
あばれたって言ってたな!」
「アレ止めたんですか!?スゴいですね!!」
「それほどでもないアル、かぶき町の女王と
呼ばれてる私にとってはたやすいことよ」
目を輝かせる少年二人の反応に、神楽は
満足そうに胸を張って話を続けようとします
「ちょっ、神楽ちゃん 僕らここで
のんびりしてるワケにいかないんだってば」
「そうとも、早く兄上の元へ戻らねば」
昨日と同じように銀時と新八が睨んだので
がピタリと口を閉じたら
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