「一応世話になったワケだし?貧乳ネーちゃんに
別れの言葉ぐらい告げてから出るとするか」
銀時の一言に納得し、三人も居間で
待つことにしたので
そのまま神楽は二人の子たちと話を続けて
時々、新八やも相づちを打っていました
「そんなに長い付き合いアルか〜」
「真白のヤツもたよりねーからさ〜オレがまとめて
メンドーみてやってんだぜ?ウィヒヒ!」
お見舞いの品として持って来たオモチャを
片手に、八重歯を見せて啓一が笑います
「真白君ってあんまり活発な子じゃないの?」
「フツーくらいですよ、けどとってもやさしいんです
僕のあやとりをいっつもほめてくれるし」
「ふむ…そう言えばお主のあやとりを
見たことはついぞ無かったな」
顔を赤くしていた唯碗が真っ青になって
「え!?ああああのっ、そのっ、ゴメンなさい!」
果物カゴを取り落とすとペコペコと頭を下げます
「おいちょっとちゃーん何言ってんの?
オレら初対面だろショ・タ・イ・メ・ン!」
ほっぺの片側を思い切り銀時につねられながら
「す…すまぬ 困らせるつもりでは…」
それでも顔色一つ変えずにあやまる彼女を
目にして、余計に唯碗は驚いていました
「驚かしてゴメンね、コイツ時々
真顔で変なコト言うアルから」
「ええと、そ…そうなんですか?」
「つーか一々ビビりすぎなんだよイワン
にしてもババアおっせぇな〜部屋まで行こうかな」
部屋を出ようとする啓一と反対に
「梗子おかーさんが起こしに行ったんだから
も、もう少しここで待ってようよ」
胸の辺りを握りしめて、おどおどと唯碗は言います
「けどよぉ、オレらずーっと待ってんだぜ?」
椅子に座ったまま足をバタバタさせている
お子様へ、呆れたように銀時がこう言いました
「待ってんのが退屈なら、外で遊ぶなり
大人しく本でも読むなりして時間潰せばいいだろ」
「そうアルよ、今日は晴れてるし
外で遊ぶんなら付き合うヨ!」
「マジかよ女王!で、でもなー…」
「遊んできたら?もし梗子さんが戻ってきたら
声かけてあげるからさ」
新八の後押しを受けて、視線が合った
四角い輪郭の少年が 穏やかな笑みでこう答えます
「ボク、お家で待つから好きにしなよ?」
楽しげな笑い声が聞こえてくる窓の外と
ゲーム機といくつかのソフトが置かれている
TVとを赤い目で見比べてから
しばらく悩んで、啓一は顔を上げました
「よっし!それじゃー…」
【外で遊ぶ】
【部屋で待つ】
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