大立ち回りで暴れに暴れて、どうにか
追手から逃げ切った四人は


港近くに停泊していた船に紛れこんだのですが





一息ついた直後に船が出てしまい


更に船の点検で警備兵に見つかってしまったので





暴れようとも逃げ場もなく捕まってしまいました







ワシらの船に忍びこむとはいい度胸じゃ」


お頭!このまま海に捨てちまいましょう!」





唐笠をかぶった彼女と、側にいた乗組員が
厳しい視線を銀時たちへ向けて歩み寄りますが





モジャモジャ頭の男が止めに入りました





「まー待つき、こいつらの腕っ節は
見事なもんじゃボロロロロロロロ


うぎゃぁぁ!風上で吐くなっ!!」


「すまんのぉ…
ワシ、船好きじゃが船酔いするタチで」


知っている、と言いたかったけれど四人は

喉元でぐっとその一言をこらえました





「おんしら、ちぃと頼まれてくれんかの?」


「お頭!こいつら信じるんスか!?」


「落ち着け鉄、所詮こやつらは密航者じゃ
捨て駒にすれば痛くも痒くもないき」


「安定で黒いなアンタ」





船はお構いなしに目的地へと進み続け





「米堕卿の発明によって、この地区一帯に
恐ろしいバケツ雨が振り続けちょる」


「どうにか機械を止めねばならんが、雨を
掻い潜れる猛者がおらんでの」





是も否もなく四人は、雑把な説明を受けて
船員の頼みを引き受けることになって


雇われた傭兵の数人とともに送り出されました







「バケツだらけで足の踏み場もないアルな」


油断するなよ?ここはプロのオレ達に任せ」


言葉半ばで男の頭へ、バケツが直撃しました





「剛ぅぅぅ!?」





打ちどころが悪かったのか彼は倒れ





空を見上げると、無数のバケツが降ってきます





「バケツだ!いいかくれぐれも頭を守れ!」


呼びかけた修輪を、銀時はためらうことなく
蹴飛ばして身代わりにしました





「何やってんですかアンタはぁぁぁぁ!!」


「だって緊張感ねーんだもん、バケツだぞ?
こんなモンが大して脅威になるわきゃ」


うぎゃあぁぁ!と、取れないアルぅぅぅ!」





頭にすっぽりバケツがハマった神楽が力尽くで
外そうともがくのですが


吸い付いたようにしばらく頭から離れません





始めはその様子を笑っていた銀時ですが


しばらくバケツと格闘し続けているので流石に
冗談だと思えなくなり…危機感を抱きました





どうにかバケツを取っても、次々と
絶え間なく降り注ぐバケツが待っています


降り注ぐバケツの直撃はかなり痛く


一人、また一人とバケツだまりの地面に
倒れ伏す者たちが増えていきました





がバケツかぶったまま倒れたヨ!」


「壊してでも外せぇぇぇぇ!!」







どうにかバケツ雨圏外に避難し


彼女が三途へたどり着く前に
バケツが外せたのは他でもない僥倖でした





しかし、問題は解決したわけではなく





「バケツ雨が移動してきちょるぞ!」





雨の範囲が四人の方…更に言うなら船側
徐々に偏って来ております


さて、どうやってバケツを回避しましょう?





【しゃがみガード】


【ジャンプ】


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