あたしのチョコを奪っておいて
ただで済ませてたまるもんですか!!
「それじゃ〜お返し回収に行ってくるわ!」
それだけ短く告げると 勢いよく家を飛び出した
「…さて 何を返してもらおうかしら」
飛び出してみて お返しを考えていなかった事を思い出して
歩きながら呟いた
実際に何を三倍返ししてもらうか考えながら歩いていると
「あ ちゃ〜ん、こんにちは!」
マサオミさんとバッタリ顔を合わせた
「ちょうどよかった!バレンタインデーに盗ってったあたしのチョコ
三倍にして返してください!!」
機先を制して 出会い頭に捲くし立てた
「Σいや チョコは三倍にして返せないから;」
「言われなくてもわかってますよ〜だから、
それに代わるモノを欲しいんです♪」
ニッコリと笑顔で威圧する どうせならこのまま
おねだり作戦で色々強請ろうかしらv(黒)
そんなあたしの思考を察してか
「いや、ちゃんに ちゃんとバレンタインのお返し
用意してたんだよ〜」
そう言いながら マサオミさんが笑顔で取り出したのは―
「じゃ〜ん ホワイトデー限定牛丼V」
予想外の(ある意味ではマサオミさんらしい)品物の登場に
あたしは思わずずっこけそうになった
Σホワイトデーに牛丼って…あんまり嬉しくない〜
でも 用意してくれてたお返しだし…
本当にどうしよう
ありがたく受け取る
きっぱり断る