「なおさら急がなきゃヤバいアル!」


「同感だ!」


ちょっと待ちなさい!
正面切って戦える相手じゃないのよ!?」





忠告も聞かず、彼らは連れて行かれた正直を
追いかけて建物の中を走り回ります


当然止める者たちも出てくるのですが





「お呼びじゃねぇんだよ邪魔すんなぁぁ!」


意に介さず叩きのめし、強引に押し通って





地下深くにある通路までたどり着きました





「何か、この展開すごい身に覚えが
あるんですけど、これって」


気のせいだろ?もしくは管理人のいつもの
ネタ切れワンパターンのせいだろ」


「妙だな…追手がおらぬ」





異変に気づいたのセリフが、まるで
何かの合図だったかのように





奥に進むにつれて人の声が聞こえてきます







「…心配する事は無い、眠ってもらっただけだ」


嘘だ 君は僕ごと彼らを殺す気だろう?」





うっすらと開いている扉を見つけて


用心のために立ち止まり、中をこっそりと
覗いた四人がまず見たのは





床にうつ伏せで倒れる5人の看守でした





「本当は君も気づいているはずだ、これが
無意味な茶番でしか無いってことに」





ぽっかりと開いた巨大な穴からは据えたような
腐臭が漂っています





その穴の縁に追いやられた正直へ


看守の一人…いや、看守に紛れた
正体不明の男が対峙していたのです





「お前はな…知りすぎたのだ」


そう言って、男が銃らしきものを取り出し


空気が発射される軽い音が短く鳴ると





バランスを崩した正直が…仰向けに倒れて
背後の大穴へ落ちて行きました





「正直殿っ!」


扉を開け放った少女の声に男が振り向き


その指が引き金を引くよりも早く、神楽の傘が
火を吹いたので


彼は手にしていた銃を取り落とします





拾うまでの時間差で距離を詰めて男を倒し





駆けよれば、縁のギリギリで片手分の
指だけがかけられているのが見えましたが


長くは持ちそうに無いでしょう





「正直さん!」


「踏ん張れ、今助けるヨ!!





手を差し伸べようとするのですが間に合わず





「ダメだ…僕に構わず、逃げろ…!


そう言い残して…正直は力尽き





穴の底へと 暗い闇の中へとのまれていきました





正直さん!!どうして…」


「新八!危な」





神楽は気がついていたけれど、反射的に
飛んで避けた二人よりは行動が遅れてしまい







不意打ちに近い斬撃に…二人の頭が宙を舞って


穴へと吸い込まれるように落ちていきます






残されていた身体も 首の後を追いました





殺気を満たして、生き残っていた彼らが


背後に忍び寄っていた者たちへと重い一撃を
食らわせ、昏倒させて行きますが





どこにでもいる一般人のような


正体の分からない複数の人溜まりから
先頭へと歩み出た相手の顔へ


二人の目は釘付けになりました





「ば、ババア、なんっ…」





一瞬のためらいが 命取りとなって


避け切れなかった彼は深手を負って
その勢いで、穴へと蹴落とされたのです





「銀時!?」


「見なくていいもん見まったねぇ…
悪いけど、落ちてもらうよ?





ほどなくも、穴へと突き落とされました







奈落の闇へと落ちていく彼女が


死にゆく間際 最後に見たのは





「これで邪魔者は全て消えた!
アタシの天下の始まりさね!アハハハハ!」






淵に佇んで笑うお登勢の後ろに


黒い人影が迫り、刀を振り上げた姿でした…





【ED ヲチて嘲笑うのは、どっち?】