暗い…自分の身体も周りも何も見えぬ…


        あの時以来の深い闇しか見えぬ…





        私は…私は、死んだのか…







        『彼の最後の声を探れ!』





        正直殿の声がする、けれど辺りには誰もいない


        "最後の声"とは一体何を示して―







        頭の中で、鮮やかにさっきの光景がよみがえる







        「な…新八ぃ!?おい何だよアレぇぇぇぇぇ!!





        まるで今しがた起こっているかのように


        「こんなクソまみれのウサギんざ食ぇるかぁぁ!
        戻ったらあのネズミ男
…」





        大型獣の糞に擬態する獣どもを払いながら
        二人を助け出そうとする銀時と


        洞窟の奥より這い進むウサギどもの塊が見える





        助けようと身を動かすが…ピクリとも動けない







        "声"にまぎれた異なる音を、言葉を探すんだ
        手遅れに…ならない内に…!』








        一体、正直殿は私に何を示しておるのだ…!?





        どうすればここから出られる、この闇から
        抜け出せる…どうすれば…!