「なぁオニシバ…」


「なんでやすか旦那?」





「そのサングラスは何時からかけてるんだ?」









そんな会話から始まった。









タイザンはオニシバのサングラスを指で突ついたり
揺らしたりしながら式神の回答を待っている…







「何時と言われましてもねぇ…最初からと言うか、アッシが
式神として誕生した時から、の方が正しいでさぁね…其れが何か?」


「成る程…つまりは歴代の闘神士がこの姿を見ていた訳だな…」







オニシバには相方の言っている意味が分からなかった。





今までそんな事の欠片すら話してきた事が無いと言うのに…


其れ以前に気にする要素があるのかもはたはた疑問である。







そして自分の発した言葉で一瞬眉をひそめた相方を
見た時その疑問は深まり、


思わずサングラス越しに怪訝そうな目で見つめた。









「旦那…一体どうしたんです?」


「別に何でも無い…ちょっと見せてもらって良いか。」


「はぁ…旦那が今いる時代では大して珍しいものでも…」





そう言いかけた時、
サングラスを掴んだタイザンの手が不自然に動いた。







「あっと…手が滑った。」
「ッ??!!」





言葉を言い終わる前に、


オニシバのサングラスは固い床下に勢い良く叩きつけられたのだ。







カシャッ!…と大きい音を立ててサングラスは
見るも無残に割れてしまった…










「すまんな…持ち方が悪かったようだ。」







そんな言葉とは裏腹にその瞳には全く罪悪感の欠片も見えず
寧ろしてやったりと言う感じで…





オニシバは無残に壊れたサングラスを
呆然とした表情で見れば直ぐに張本人に視線を遣る。











「…幾ら旦那でもやっていい事と悪い事が…」







また言葉を言い終える前にタイザンの手がオニシバの瞳を覆う。









視界を奪われたオニシバを余所に近くでモノの音が聞えたと
思えばやっと解放された視界が暗く染まっていることに気付いた。











壊れたはずのサングラス…いや、ソレはタイザンが
用意したモノだった。





縁の一部に金の装飾が施されたシンプルでありながらも
高級感を漂わせるサングラス…









「旦那?コレは…」


「感謝しろ、特注だぞ。」







そう言ってタイザンが目を背けた時、


オニシバは要約あの時の表情や言動の意味がわかったのだった。









「へぇ、まさか今までの闘神士に対して妬いてくれるたぁ…
悪い気はしねぇでさぁ。」


「…勝手に言ってろ…」











俄かに赤みがかった頬も、


密かに歪めた表情も、


今の自分によるものだと、





そう思うと思わず笑みが零れてしまう…












「心の篭った贈り物…一生大切にさせて貰いやすぜ、旦那…」


「…勝手に言ってろ…」









end








コゲリクより長くなってしまった…


テーマ贈り物のオニタイでっす♪
コゲリクと違い大人のカッポーを目指して見ました。




マエストロ孤狗裡様に捧げます、貰ってやって下さい♪








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感想


狐狗狸:陸可憐様 素敵小説、本当にありがとうございます〜


ぶっちゃけ、甘いんだかどうなんだかって感じのオニタイとか
ふにゃけた顔したテルとか、ネタ方向な年賀とか


送ってんにも拘らず 返ってくるお礼が素敵過ぎて
意識だけ GO TO THE HEVEN!!(飛びすぎ!!)




この二人は大人風ですよね〜ってか ぶっちゃけ


お子様でツンデレで独占欲強めなタイザンを
オニシバが大人の包容力で包む(ぇ)って構図が好きです(笑)


…私が書くと ノーマルでもBLでもオニシバがひどいことに
なっちゃいますし(←真面目に書いてやれよ)




素敵小説ありがとうございました!