『ぬがあぁぁああぁ!!??』








《Σ(゜Д゚ノ)ノ



び……びっくりした……一体どうしたんですかい?確実に
乙女が出す声ではなかった気がしやしたが…》








『ゴ、ゴ、ゴ、ゴキ、ゴキッ、ゴキ…
ゴキブリィィィィィイ!!!!!!!!!』












【部長と式神とその部下と】











《なんだ、ゴキブリですかい》






『“なんだ”じゃないよ、“なんだ”じゃ!ゴキブリって言ったら
この世で一番恐ろしい生物だよ!?』









この世で一番恐ろしい人物なら今、まさに自分の隣にいると思う。










の叫び声に驚き、
持っていたティーカップに顔から突っ込んだあっしの契約者。










……………………
貴様、ゴキブリごときであんな大声を出したのか……?」







『…“ごとき”……?今、“ゴキブリごとき”
って言った!?』






「あーあそうさ!言ったさ、言ってやったさ!
そんな生物のせいで私は紅茶塗れになったのだぞ!?」







『そんなの顔突っ込むほうが悪いんだよ!部長たるもの
いつでも冷静沈着じゃなきゃダメでしょ!?』







「なんだ?その強引な理屈は!逆ギレか、貴様!!」






『なんだと!?闘るか!?負けないからな!』







「ふん、貴様が私に勝てるワケがあるかァ!!」









ついに乱闘を始めてしまった。



これをガシンの旦那に見られていたら呆れられているところだろう。










「くらえ!四の字固め!」





『いだだだだ!おまっ…プロレス技なんて
何処で覚えた!?』






「ふはははは!伊達に現代に来てはいないぞ!」









…なんだかんだ言って楽しそうに見えるのは気のせいだろうか。










「オニシバぁぁぁ!タイザンが乙女相手に
コブラツイストかましてきたよう!」








結局そうなるのか。









《あー…ハイハイ。旦那ぁ、そこらへんにしといてやんなせぇ。
ちゃんがお嫁にいけなくなっちまいますぜ》







「なんだと!?オニシバ!お前はの味方だと
言うのか!私を見捨てると言うのか!」







《いや…誰もそこまでは言ってないでしょう…》







『へへーん!オニシバは私の味方だもんね!ねーオニシバ?』







《あ、いやだから…》







「小娘が何を言う!私はオニシバと千年もの年月を共に
歩んできたのだぞ!?私との絆を選ぶに決まっているだろう!」







《え、いやその…》











右腕をに引っ張られ。






左腕を旦那に引っ張られ。








まさに日曜日のお父さん状態。









《…そういえば》







「なんだ?
     オニシバ』」
『何?







《結局ゴキブリはどうなったんですかい?》









沈黙。










『そ、そう言われてみれば忘れてた……
まだアイツ隠れてるんだも……』









あっしとが同時に気付く。




目の前の異変に。










『《……………》』








「…なんだ?何故二人揃って私をジロジロと…」










まだ旦那は気付いていないようだが…。








今、旦那に一つの脅威が近づいていることは確かだ。








「おい、一体どうし…」






『ぎゃああああ!!!こっちに来ないでぇぇぇ!!!!』









「………だから一体どうしたというのだ!オニシバ!」






《あー…旦那。それじゃ“寄るな”と言われても仕方ないでさ》






「…ものすごい嫌な予感がするのだが…何故だ?」








《そのー…ご自分の肩を御覧になってくだせぇ》









旦那が恐る恐る自分の肩に目を向ける。












「ぎゃぁぁぁぁ!!!!!ヘルス!ヘルスミー!!」








『それを言うならヘルプミーだろ!って
何処かで聞いたことあるよ、このやりとり!』







《まぁ分かる人だけ分かってくだせぇ》







「どっどどどどどどうするんだコレぇぇぇ!?」







『知知知知知知知るかァァァアアァ!!!ととととと
とにかくこここっち来るなァァァアァ!!』







「ムリムリムリムリムリムリムリムリムリ
ムリムリムリムリムリ!!!!なんかもう走るっきゃねーよ!!
これ、風圧で飛んでいかんのか!?」






『それこそムリムリムリムリムリムリムリムリ!!!!
それ奇跡だよ!逆に風受けてゴキが飛んで
私らに被害が及ぶから!』







「そそそそそそんなの知るか!!ここここのままま
まままだと私の顔まで上って……ッ!」







『イヤァァァァァア!!!キキキキキキキ
キモい事言うなァァァァ!!!!!』










ドタドタドタドタ…




ドタバタドタバタ…









……これがいつもクールな天流討伐部部長とその部下
なのであるから、絶対他人には見せられない光景である。









“たかがゴキブリごとき”









…まさに。










その頃ドアの外――










「……入りづらい」






《どうしても入らなければならないのか?ユーマよ》





「あぁ、この書類を届けなければならないのだが…」







ギャーギャー…




いやっちょっ待っぎゃああああ!!服の中入ったァァァァ!!!!





うえぇぇぇぇぇ!!??ってかこっち来んなァァァァァ…









《…入りづらいな》










ところかわってまた室内。










「こうなったら…ッ!」










…まさか……。










「式神降神!!!」










「…前代未聞ですぜ?ゴキブリごときで降神されるなんて」






「ううううるさいッ!!はははははは早く消してくれ!」






『早くッ!!!!神速血盟蹴でもなんでもいいから粉々にしてっっ!!!』







「…いや、それなら足で潰した方が早…」







「『グロいコト言うなァァァァァァァァ!!!!!!!!』」









見事なシンクロ率。










「仕方ねぇですねぇ…それならゴキ泡ジェットで…」






「『ないからお前を呼んだんだよ!!!!』」











涙で視界が曇る。







え?あっしの役割ってゴキブリ退治?妖怪退治じゃなくて?









『タイザン、印を!!』







「そ、そうだったな!印を切ってしまえばこちらのものだ!」








え?あっしに選択権ないの?強制なの?









「必殺・神速血盟蹴!!」











再びドアの外。









ドガガガガガガガガッ!!!!!!!!!!!










ひゃっほい!これで脅威は消え去ったよ!





あぁ、そうだな!おい
ハイタッチだ、ハイタッチ!






せーの、イ☆エーイ!!(ハモリ声)











「ランゲツ…更に入りづらくなった気がする…」







《あぁ、わしもそう思うぞ》








「《…………ふぅ……》」








再び室内。









「喜んでいるところ悪いんですがィ…」








「何だ?オニシバ?」











「この床…一体どうするんですかィ?」










「『………………』」









部屋の床はあっしの神速血盟蹴でベッコベコになっていた。










そりゃもうベッコベコに。










『……わ…私そろそろ帰るね〜♪じゃ、さいなら!』






「あ、コラ待て!待たんか!逃げる気か、!」









バタン。










あ、ユーマ!わ、わ、わ、私、何でもないから!
マジで何でもないから!じゃ!





え?あ、さ……
…何だったんだ…一体…まぁいいか……







「失礼しま…」



バタンッッッ!!!!!!!








ち…ちょっと部長!?どうかしたんですか!?開けてください!






「オニシバ、絶対に扉を開けさせるなよ」






「へいへい」










「明日までずっとだぞ」










扉の外の人物をずっと待たせる気か。さすが旦那。










おまけ









翌日・・・








「……それで何で俺が呼ばれるかな…」







『だってガシン、こういうの得意そうじゃん♪』








「『というコトでよろしく!!(親指ビシィッ!)』」



「殴るぞ」










→アトガキ




えー最後はね。
マサオミが床修理に駆り出された、という話です。



ユーマは結局翌日まで待ちました。扉の前でずぅーっと。
でも途中で寝てしまったのでマサオミの姿は見ていません(笑)


It'aミラクル!!(爆)





タイザンはゴキブリとか苦手そうなイメージあるんですよね…
Sは打たれ弱いんですよ☆(氏ネ)





狐狗狸様!こんなんで良かったでしょうか!?なんか
ワケ分からん夢になってしまいましたが受け取ってやって下さい!


そして様!ここまで
読んで頂きありがとうございました!


ではバイス☆








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感想


狐狗狸:季林様 キリリク小説ありがとうございます〜
って お礼が今更で本当にスミマセン(謝)


こういう ヒロインと部長達の掛け合いも楽しいな〜とか
やっぱりSは打たれ弱いとか オミさんはこういう役割に
まわされるんだなとか 色々楽しく読ませていただきました(何)


季林様&読んでいただいたさん
感謝してます〜ありがとうございました!