クリスマスといえば、いまや世界中で有名な行事
アメリカでは イエス・キリストの誕生日として
認識されている、とても神聖な日だ
日本でも趣旨はどうあれ結構盛大に祝っている
・・・・・・・・・・だが・・・
「コルァ神楽ぁ!それ俺のチキンンン!!」
「油断してる方が悪いアル!早いもの勝ちネ!!」
「ちょっと2人とも チキン一本でケンカしないで
かなり行儀悪いから!恥ずかしいから!!」
「るせーよ新八、お前のタッパー詰めは
恥ずかしくないんですかー?」
「出された料理を無駄にするぐらいなら
持って帰って後々の食事にした方が経済的なんですぅ!」
「まったく 食事時くらい静かに出来んのか…
何か食べるか?エリザベス」
『桂さん、じゃあそのケーキ取って。』
ここまで騒がしいものだとは思わなかった。
とクリスマスパーティを開き、
折角なんで銀さん達も招待して
楽しい時間を過ごそうと思っていたのだが・・・・・
こう荒らされては それ所じゃない。
「食い物はまだあるから 慌てなくてもいいんだって。」
「何言ってるネ!世の中弱肉強食アル!
そんなヌリィこと言ってたらおまんま食い上げよ!」
「残念だったな神楽ァ!ケーキは俺の独り占めじゃーい!」
「子供じゃないんですから 恥ずかしいことは
やめろっつってんでしょ!!」
この人達は どんな状況下でも変わらず騒がしいな
いっそ清々しいくらい徹底してるよホント・・・
ため息をつく俺の背中を、そっとつついてが言う。
「、FOXのみんなからプレゼントが届いてるわよ。」
「お そうか・・・よく今年も届いたな。」
内通者の件であっちもドタバタしてるはずなのに
むしろ よく今年も届けれたものである。
の発言に反応してか、騒いでいた皆がこちらを見る
「プレゼントって何届いてるんですか?」
「大人の絵本とか無修正なビデオとかねーの?」
「そんないかがわしいモノあるわけねーだろ天パ
とにかく中を見てみるアルよ!」
「って俺のだから!勝手に開けるなぁぁ!」
神楽の手から届いたシロモノを奪還し、包み紙を開けると
ダンボールの中にはたくさんのプレゼントの箱が入っていた。
「おーいいじゃねぇの、中身何だよ
早く開けろって。」
「急かさないでくれよ ええと・・・・。」
手近にあった黒の包みを開けると 箱に名前が書かれてあった。
「ゼロ少佐からか。どれどれ・・・・・・」
中身は・・・・・・
『007 ムーンレイカー』と書いてあるDVDだ。
「・・・何だこれ?」
「、手紙も入ってるみたいよ。」
DVDに同封されていた手紙を読んでみる・・・・
『ジャック、江戸で元気にしているかな?
我が軍の不祥事でこちらも何かと忙しいが
折角のクリスマスだ これだけはどうしても送ろうと思う。
君は映画を見ない方だったろう。
娯楽ながら映画は 己の視野を広めることもある
大変有意義な面も持ち合わせている、たまに見る事も悪くはないぞ。
だから私のお気に入りの映画
[007 ムーンレイカー]のDVDを送ろう。
これを見て スパイが何であるか勉強したまえ。
PS、この手紙を読み終わると爆発・・・・・はしないが
映画を見たレポートを10枚書いて提出すること
これを破れば減給する。』
クリスマスがやたら騒がしいのは日本だけ
「こんなクソ忙しい時期に何ヒマなことやらかしてんだ
あの007マニアァァァァァ!!!」
「でもレポート書かなきゃ減給よ。頑張らなきゃね。」
「うっわ災難だな。でもいいじゃねーか
ちっとやそっと減給されても 元々俺らより稼いでんだしよぉ」
「そういう問題じゃねぇぇぇぇ!!」
「気にせず次行くぞ。
これなんかどうだ?なかなか渋い包みだぞ。」
勝手に桂さんが取り出して寄越したのは
迷彩カラーの包みだ。
・・・シギントかな?
包みを開けて見ると、やはりシギントからだった。
中に入っていたのは・・・・ナイフだ
「んだよこんな物騒なモン送りやがって
どーせなら洋物のスンゲーDVDでも寄越せっつの」
「銀さんの物じゃないでしょこれ つーかアンタ最低だな」
さっきからそればっかりじゃないか、この人は・・・
銀さんへのツッコミを新八に任せ、改めて
ナイフをじっくりと観察する。
これは・・・・前から頼んであったスタン・ナイフか
「やっと開発出来たんだな、シギント。」
「何だ、注文していたものだったのか?」
桂さんの言葉に頷いて 説明をする。
「このナイフは、スタンガンと同じで電撃で
相手を気絶させることが出来るシロモノなんだ。
もちろん普通のナイフとしても十分使える。」
「へぇー、こんな小さいナイフなのにすごいですね。」
「エモノに興味ないネ、興味あるのは食いもんだけアル
ちゃっちゃと次の包み開けるヨロシ!!」
「だから勝手に触るなっつーの!!」
神楽が取り出したのは・・・・なんか禍々しい感じの包み。
こーいうセンスの包みは パラメディック以外有り得ない。
とにかく中身を開ければ、ゼロ少佐のプレゼント同様
DVDと手紙が入っていた。
「おっ、それDVDだよなぁ?もしかしてマジで
洋物の無修正の?そうだったら貸せよ」
「アンタの頭はそれしかないのか!
タイトルは・・・・・『リング』?」
映画のタイトル聞いた途端
銀さんはものっそい速さで近くの襖に頭から突っ込んだ。
「・・・・・・何してんの?銀さん。」
「いや、あのこれムー大陸の入り口が・・・・」
「いつのネタだよ!思っくそ時期ハズレだし!
つーか名前聞いただけで分かるのかよ!!」
どこまで怖がりなんだアンタは・・・
しかし、パラメディックもどういうつもりで
こんなDVDを寄越したんだ?
・・・まあ手紙読めば分かるか
『ジャックへ 江戸の生活はどうですか?
映画を見ないあなたに ちょっとした刺激をプレゼントします。
お話の世界とはいえ、最近の映画は中々侮れません。
ヒマがある時に見て過ごすのも 悪くは無いわよ?
この映画はね、元は日本で作られたホラー映画で
こっちにリメイクされた奴なんだけど
評判通り、ものすごく怖かったの・・・
だから試しにジャックにも見せたくて
プレゼントとして選びました。
ちゃんと見てちょうだいね?
PS、この映画の感想を手紙で送らないと
あなたの嫌いなドラキュラの話を無線ごしにしてあげる』
「こいつも余計なことすんな
このB級マニアがぁぁぁぁぁぁ!!」
「さん・・・顔引きつってません?
ドラキュラ苦手なんですか?」
「に、苦手ってわけじゃない!
・・・その手の話を聞いた夜に
決まってそれ系の悪夢を見るんだ。だから嫌なんだよ。」
「素直に怖いと言ってしまえばどうだ?
ドラキュラごときを恐れるとは 、それでも志士か?」
「俺がいつ攘夷志士になった!!」
肩を叩かれ そちらを見れば
『さん、次これ見せてよ。』
と書かれた看板を掲げ、エリザベスが
とても小さい箱を差し出した。
「うん?誰のだ?これ。」
「開けてみましょうよ。」
の言う通り開けてみると・・・・・・
何かうっすら見覚えのあるロボットのようなものが出てくる。
車輪が付いた足が生えたもので、どことなーく
メタルギアに似てるような・・・気のせいか?
「何だこれ?」
銀時がつついたと同時に、突然そのロボットが起動し始めた。
「うわ!いきなり動きましたよこの機械!」
カメラと同じようにモニターが開き、
そこから映像が映し出される。
『『メリークリスマス!ジャック!!』』
笑顔で手を振っているのは・・・
「オタコン!?」
「おい誰だよこいつ!!」
「それに隣にいる女の子誰なの?エメリッヒ博士。」
『ああ、紹介するよ。サニーって言うんだ。』
『サニーです。よろしく、ビッグ・ボス。』
どこかで見たような少女だ、誰かに 似ている気がする。
誰だっただろうか・・・・・・
いやそれより 俺の称号を知っているとは・・・
オタコンが教えたのか?
表情から俺の思考を読み取ったのか、オタコンは
苦笑交じりにこう返す。
『ジャック、アメリカじゃ国を救った英雄として
知らない人がいないんだ。
君がビッグ・ボスだって言うことを。』
「・・・そうか、まあ無理もないか。」
モニターから少女が見えなくなったタイミングで
銀さんが横から機械を覗き込む。
「しっかしすげーなこの機械。俺にもくれよ。」
「いや、絶対渡さない方がいい」
銀さんのことだ なんかろくでもない事に
使いそうな気がひしひしする。
オタコンがモニター越しに銀時へ視線を向ける。
『あなたが、ジャックが言っていた銀さんか。
あなたには別のものを送っておいたよ。』
「マジで?いやー悪いねなんか
、気前いい奴だなぁお前の仲間。」
「ははは・・・・しかしオタコン、
どの包みがそれなんだ?」
『待って、今取り出すから。』
そういうとロボットからケーブル状の腕が伸び
胴体部分が開いて何か取り出した。
これは・・・・錠剤?
『これはパラメディックが開発した糖分の吸収を抑える薬さ。
副作用もないし それ一回飲むだけで一月は持つと思』
「余計なお世話だオタク野郎ぉぉぉ!!」
説明半ばで銀さんは、錠剤を窓から遠くへ投げ捨ててしまった。
「いくらなんでもそりゃねーよ銀さん!
オタコンがせっかくプレゼントしたってのに!!」
『いいんだよ。余計なお節介だったみたいだね。』
オタコンが眼鏡を直しながら言った
「ったく どーせならこんな錠剤より洋物の半端ねー
無修正のDVDよこ」
「「「しつけぇんだよエロ天パぁぁ!」」」
俺と新八と神楽のトリプルキックが、銀時を
頭から壁にめり込ませた。
「本当にすまないなオタコン。」
『僕は気にしてないよジャック・・・てゆうか
銀さんは大丈夫なのかい?あんなことして』
「平気だ、あれで案外頑丈だからな。
ところで・・・このロボットは一体・・・」
『ああ、これはメタルギアMk.Uだ。』
「メタルギア!?」
「メタルギアって、僕等があの場所で見た・・・!?」
新八の言葉に オタコンは頷いて続ける。
『そう、REX、RAYと同じメタルギアだ。
でも安心して欲しい、これは兵器じゃない。
衛星遠隔操作の 非戦闘型メタルギアさ。』
「つまり ラジコンみたいなものか」
『そーいうこと』
なるほど、兵器じゃないメタルギアか・・・・
そういうのならアリだな。
『あ、そうだジャック、ちょっと二人で
話したいことがあるんだ・・・外に出ない?』
「ああ、分かったよ。
みんなはそのままパーティを楽しんでってくれ。」
俺は頷いて、みんなの方へとそう告げると
メタルギアMk.Uと共に外へと向かう。
「それじゃ Oweeやりましょっか」
言いながらがこの間手に入った最新ゲーム機を
取り出し、背後がどっとざわめきだす。
「っしゃー!それならマリオカートやるネ!!」
「例えリーダーと言えど、ファミコンなら
こちらも手加減はせんぞ。」
「だからチョイス古ぃーんだよ
ファミコンと一緒に廃品回収されろヅラぁ!」
「ヅラじゃない、桂だ!」
・・・外に出ても 中にいるのと
あまり変わらないくらいうるさいが、
まあみんなゲームに夢中だし 放っておくか。
「・・・しかしオタコン 二人きりで話すったって
そっちにはサニーがいるんじゃないのか?」
『ああ、サニーはさっき寝かせたよ。
サンタさんが来るって言っておいたから』
「なるほど・・・で、話って?」
微笑んでいたオタコンが いきなり深刻そうな面持ちになり
それと同時にMk.Uも落ち込むような仕草を表した。
『オルガを 覚えているかい?』
「ああ・・・忘れもしないさ。」
オルガ・ゴルルゴビッチ
ソ連の権力者の一人だった、セルゲイ・ゴルルゴビッチを
父に持つ スペツナズの兵士だった女性だ。
シャドーモセス事件時にリキッドに唆されて反乱を企て
その際 彼女は俺を仇と勘違いし、戦ったが
最後にそれが誤解であったことを分かってくれた。
・・・だが、彼女は『娘をお願い』と言い残し、
リキッドの乗るREXの機銃を受けて死んだ。
忘れられるわけがない。
「実は彼女の娘が・・・サニーなんだよ。」
「な!?サニーがオルガの娘だと!?」
確かに言われてみれば面影があった・・・・
「だがあの若さで・・・いや、そもそも
その娘は今まで何処にいたって言うんだ。」
『実はロシアにいた賢者に 拘束されていたんだ。
けどある人物と一緒に組んで つい最近、
救出に成功し・・・現在、僕が保護してる。』
「ある人物?」
『すまない・・・それはまだ言えない。』
これも機密だっていうのか?
まあ分かったところで どうしようとも思わないが。
『ジャック、彼女はネット世界で生きてきたんだ。
だから外の世界をほとんど知らない。
・・・このMk.Uを君に渡したのも 実は彼女の為なんだ。』
「今までネットでしか知らなかった情報を、
そのメタルギアを通してサニーに見せようってことか?」
『そうなんだ・・・このMk.Uごしにだけど
外の世界がどういうものなのか 見せてやりたくてね。』
「そんなまどろっこしいことしなくても
ここに来れば 俺がいくらでも江戸を案内してやるよ。」
親指で自らを示すが、オタコンはすまなそうに
首を横に振った。
『駄目なんだ・・・彼女はいまだに賢者達に狙われている。
迂闊に外に出すと またさらわれてしまう。』
なるほど、だからこのメタルギアを寄越したのか。
どうしてそこまでサニーが狙われるのか
理由は見当もつかないが・・・・・
聞く気はなかった 少なくとも、今は。
「分かった・・・サニーが起きたら、
何が見てみたいか 事前に聞いておいてくれ。
俺が、いくらでもコイツを案内するからさ。」
『わかった・・・ありがとう ジャック』
そう言って、ようやくオタコンは笑みを浮かべる。
家の扉越しに 声が聞こえる。
「おーい!!
寒ぃ中で何やってんだ、早く戻ってこいよ!」
「もOweeやるアル!マリオーカートで対戦ね!」
「フハハハハ、よ!
攘夷志士入りを賭けて俺と勝負しようではないか!」
「ドサクサに紛れてんな賭けやるなァァ!!」
「!早く!!」
・・・本当に騒がしい奴等だな
そろそろ、戻ってやらないとな。
『長々と話し込んで悪かったね、ジャック。
そろそろあっちに戻ろうか。』
「ああ・・・その前に サニーの様子を
少しだけ見せてくれないか?」
『分かったよ。』
程なくして、モニターにサニーの寝顔が写る。
俺はそっと彼女に向かって呟く
「メリークリスマス・・・サニー・ゴルルゴビッチ。」
その後、騒がしい室内へと戻り みんなと騒いで
クリスマスパーティは終わりを告げる。
招待した人達が帰っていって、後片付けをしていると
外で微かに 鈴の鳴る音が聞こえた・・・気がした。
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後書き(退助様サイド)
退助「時期的にクリスマスなんで それっぽい
短編を書き上げました〜間に合ってよかったー」
銀時「つーか前半部分だけじゃね?クリスマスっぽいの。
それよりだけでなく俺にもプレゼント寄越せよなー」
退助「アンタ本当にジャンプ誌上最低の主人公だな」
新八「今に始まったことじゃないですよ・・・それにしても
まださんの過去話って拡張するんですか?」
退助「まあ色々と抜けてたものがあるし、
いいじゃん別に ここの管理人だって好きだよそーいうの。」
神楽「幾らなんでも後付くせぇヨ。」
退助「そういうこと言わないで!!」
オタコン「それにしても銀さん、初めて会ったのに
よく僕がオタクだって分かったね。」
銀時「え?マジだったの?
いやーメガネだし適当に言っただけだったんだけど」
退助「山勘かよ!!それはともかくとして
オタコンはSFアニメオタクなんだよね。」
オタコン「うん、スターウ○ーズとか大好きでね
それに憧れて FOXで装備開発部門に入ったのさ。」
桂「そう言えばあのファミコンは発売中止ではなかったか?
ていうか時期的にまだ発売もしてないんじゃ・・・」
銀時「ファミコンじゃねぇOweeだ いつまで
勘違いしてんだヅラ!」
桂「ヅラじゃない桂だ!」
神楽「が裏でスポンサー脅したアルか?
大人って汚いアル!一個寄越せよ!」
退助「んな事してねぇぇ!
名誉毀損で訴えられるから止めて!!
アレは弁天堂が事前モニターとして
開発されたソフトも付けて抽選応募をやってて
それに運良くが当選した・・・・・
ていうことにしてください。」
新八「ただの願望!?」