年賀状?何でそんな面倒なもんがあんだよ?


近しい人への新年の挨拶?んなもん口頭で済ませろよ。


何でワザワザ金出して、ハガキに書いて
手間ヒマかけて送んなきゃいけないワケ?


出さなきゃ出さないで会社から文句言われっし

で、出したら出したで面倒臭がられるし・・・





そんな年賀状で揉めてばっかりなら・・・・


最初っから年賀状なんて
存在しない方がいいんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!



ファイナルアンサァァァァァァァ!!?







「はいはい、地の文で文句垂れてないで
とっととMSFに届いた年賀状を片づけるぞカズ。」





呆れ交じりに呟いて、
山積みの年賀状を指令室の机にドンと置いた。





「ホント日本ってメンドくせぇぇぇぇぇぇぇ!
だから日本は嫌いなんだよ!!」



「仮にも日系人が何言ってるんですか!?」


「大体からこの作品もこのサイトの作品も
サザエさん方式で 一生年明けねーんだよ!
カツオ君もワカメちゃんも一生学校卒業できねーんだよ!!」


「あーあーわかったわかった、さっさと片付けるぞ。
早くPW編も始めなきゃいけないんだからよ。」


「クソッ、時代を行き来できたらちょっとロー・・・じゃね
年賀状のシステムを作り出したヤツ滅ぼしてこれんのに」


「はいはい、そいつはまだ先の未来だからな。」





どう足掻いてもスルーされるので愚痴るのを諦め


変わりに舌打ちをして、カズは嫌そうに
年賀状へ手を伸ばして宛名の確認を始める。











年賀クジを当てた人って…いるのかな?











「全く、何でMSFにこんなに年賀状が来るんだよ。
よく見りゃかぶき町からも来てるし。」


「そりゃあれだよ・・・
ホラ、四天王の戦争に介入したんだから。」


「ったく、こっちじゃやっと始まったばっかだってのに
面倒なことしやがる・・・どんだけ気が早いんだよ」


「あら、ウワサをすれば
かまっ娘倶楽部から年賀状来てるわよ。」


「え・・・どれどれ。」







が差し出された年賀状を見てみると





バッチリめかし込み、カメラ目線で決めポーズを取った
西郷を始めとするオカマの面々の写真と





『明けましておめでと 今年もウチに遊びにいらっしゃいV
金髪リーゼントも連れてきてね  かまっ娘倶楽部一同』


と書かれた蛍光ピンクの丸文字が





どぅあぁぁぁるぇが行くか
あんな化け物だらけのキャバクラによぉぉぉぉぉ!!」






条件反射で叫んだカズを、彼は神妙な面持ちでなだめる。





「お、おいおい化け物って言うなよ。
お前もあそこで働かされるぞ西郷さんに


「え、何ジャック、お前あそこで働いたのか?」


「まっまあ色々と・・・」


「ジャック、これ。ゼロ少佐から。」





サニーが差し出した年賀ハガキは、確かに
ゼロ少佐から宛てられたモノだった。





「少佐が?珍しいなあの人が年賀状なんて・・・」







裏面には達者な英文で





007、いつになったら新作出るかな? ディビット・オウ』





「知らねーよ007なんて!
08年に出たからしばらくねーだろうがぁぁぁぁ!!」



「ジャック、今年か来年公開予定だって。」


「何で知ってるのサニーちゃん!?」


「ネットサーフィンしてたらその記事見つけたの。」


「サニー、ネット漬になるのはダメだぞ。
最近の子供はネット漬になって心が黒く汚れてしまってるんだよ?


危ないサイト開いたりとか、変な性癖が出来たりとか・・・
なってからじゃ遅いんだよ。なってからじゃ付き合う男の子も限らr」


「何子供にとんでもねぇこと聞かせてんだよ!!」





はすかさずカズの後ろ頭をどつき





「大丈夫、フィルタリングも
ばっちりセッティングしてるから危ないサイトは開かないよ。」


「律義に答えないのサニーちゃん!」


サニーはにおでこを軽く叩かれた。





「全く、早く年賀状片付けるぞ。」


「わかってるさ・・・な、これは・・・!」


「どうしたカズ?」


「鬼兵隊から年賀状が来てるぞ!」





取り上げた年賀ハガキに、全員の目が集まる。





「き、鬼兵隊からだって!?まさか高杉が・・・!?


「そんな・・・そういうキャラかしらあの人!?」


「ま、まあショッカー本部も律儀に
年賀状出してたりするからな。どれどれ・・・」







固唾を飲んで裏返した一面には、墨痕鮮やかに





いい加減、大河に奇兵隊出して欲しいなぁ
来島また子 河上万斉 武市変平太』







「知らねーよ大河なんてロクに見てねーし!!」





ツッコミを入れた後、彼は


『祝・4月からのアニメ銀魂』といった文面と
交互に並んだ同じハガキを複数発見した





「どんだけ送ってんだアイツら・・・」


「やっぱり大河に出たら、便乗して
お話のネタも作りやすいからじゃないかしら。」


「その割には快援隊出てなかったけどね・・・」







呆れる三名を他所に、サニーは目敏く
別のハガキを見つける。





「あ、テリコから年賀状と封筒が来てるよ。」


「おおテリコも年賀状を出してるのか。どれどれ・・・」







そこにはウサギを抱っこした本人の写真と





サニー、あけましておめでとう!
お年玉送っておいたから大事に使ってね!』


の一文に白い封筒が添えられてあった。





「お年玉か・・・よかったねサニーちゃん。」


「うん!」


「少し重いな・・・いくら入ってんだ?」





促され、早速サニーが封筒を開けると・・・





すっごーい!10万円入ってた!」


「「子供にどんだけお年玉あげてんだ
あの過保護ムスメはよぉぉぉぉぉぉぉ!!」」



「サ、サニーちゃん・・・
それ、私が預かっておくから・・・ね?」


「え・・・?」





笑顔で手を差し伸べると、戸惑う
サニーの間にカズが立つ





「駄目だぞサニー、それはな・・・お母さんに」


お年玉預かっておくからお母さんに渡しなさい


「ってパターンと一緒だ。そのお年玉をローズに
預けたが最後お年玉は永遠に戻ってくることはない。

この場合は 親に言わずに教科書に挟んでおくのが一番」


「だから子供にあざとい事を教えてんじゃねーよ!!」





すかさずしばかれる金髪リーゼントへ彼女は
再び律儀にも答えを返す。





「それ、神楽からも聞いた。」


「聞いたの神楽ちゃんから!?」





と、お年玉の件はうやむやになりつつも

彼らは年賀状の整理を再開する。





「ジョニーとメリルからも来てるわよ。」


「お、あの二人か・・・」







写真ハガキに写ってたのはどこかで見たような
学生服のコスプレ&ネオ秋葉原の風景


ご丁寧にも『普通の人間には興味がありません。』
書かれた文字まで添えられている。





「何やってんだよメリルの奴・・・ガラにもない・・・」





しかし、写った当人達は楽しそうであったので
はそれ以上深く考えないようにした。







「あ、オセロットからも来てるぞ。」


「珍しいわねオセロットが年賀状なんて・・・」


「何て書いてあんだ?」


「どれどれ・・・?」







英文字で書かれた宛名の裏側には





『俺、毎回裏方の仕事しかしてなくね?』





スパイなんだから我慢しろぉぉぉぉぉぉ!
ていうか年明けでんなこと俺に打ち明けるなよ!!」


「・・・あ、やっぱりハガキまだあったよ」





サニーが束の中から引っ張り出した複数枚にも


『同じ声と似た役割なのに人斬りとやらの活躍が多いのは
どういう事だ』だの『もっといい役での登場は無いのか』と言った


原作や作者に半ば抗議するような文面のモノが
ゼロ少佐や鬼兵隊三人のモノ同様、交互に挟み込まれていた







「確かに裏で何かと暗躍してただけで最近出番もないしなぁ
・・・そういえばいつ出た?」


「えーと・・・OH編の最終話からかな?」


「大分出てないんだな・・・
そろそろ出してやればいいんじゃないか?」


「いや、それを俺に頼まれても困るんだが・・・」





とはいえ同情的なカズの言葉に、内心では彼も同意していた





「桂さんのめ〜っけ!」


「うん?桂さんも送ってきたのか・・・」







掲げられたハガキの裏には墨で力強く





『トゥー・ジャック編、吉原手前でスタンバってました。』





何してんだこの人ぉぉぉぉぉ!!
ていうかあれ参加する気満々だったのかよ桂さん!?」





他にも『九兵衛殿だけでなく月詠殿まで・・・
やはり世間はマジメ女子の方がいいのか』だの

あやつも出ていたのに、何故』と


達筆ながらネガティブ満載の文面のハガキが以下略





「まあいてもおかしくなかったかもね・・・
攘夷志士が皆殺しにあってたワケだし。」


「しかしその時には真撰組もいたんだろう?
やっぱり出るに出られなかったんじゃないか。」


「って言われてもな・・・」





成り行きで様々な人々に迷惑をかけてしまったとはいえ


膝を抱えて出待ちしていたであろう相手に対して

そちらは何故か、さほど同情の念を抱けずにいた







「真選組と言えば、あいつらの年賀状も来てたな。」





思い出したようにハガキを漁るカズの横で

も、一枚のハガキに目を見開いた





「ちょっとちょっと
猿飛さんから結婚報告が来てるわよ!?


「お、あったあっ・・・こっちも結婚報告だ!


「は、結婚!?一体何が・・・」







並べられた双方の年賀状には、結婚したさっちゃんと
近藤の晴れ姿がドヤ顔で写っていた





・・・が、よく見れば隣に並んでいる銀時と妙は


あからさまに不自然に合成された顔写真である。





「「「妄想を年賀状にまで
持ち込んでくるなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」






在日アメリカトリオのトリプルシャウトが木霊した。





「ていうかこれただの捏造写真じゃねーか!
しかもものっそい完成度の低い!!」


「ったくホント江戸の人間は馬鹿ばっかだよ!
お袋!アンタはこんなじゃなかったよなオイ!!」


もう!先越されたと思って
一瞬焦った私が馬鹿みたいじゃない!!」


「「「・・・先越された?」」」


口を揃えて三人が言った直後、勢いで
しゃべってしまった彼女は真っ赤になってうつむいた。





「・・・・・・あ」





やや遅れて 彼もまた意図することに気付いて
気まずそうに口をつぐむが


カズは逆にニヤリと笑ってヒジでをつつく。





「・・・なあジャック、MSFの事はいいから
さっさと式開いちまえよ。」


「カズ!?」


「ローズ。私、ずっといい子にしてるから
だから・・・ずっとローズと一緒にいたいよ。」


「サニーちゃん別に結婚しても一緒にいてもいいんだからね!?
涙目にならないでお願いだから!!


「「末長くお幸せにね。」」


「「だーから結婚しても前と変わらないって
言ってんだろうがぁぁぁぁぁぁ!!」






勘違いコンビにバカップルのツッコミが入った。





さり気にのろけつつも、調子を取り戻すかのように
彼は残ったハガキへと向き直る





「さっさと整理するぞ全く・・・これ山崎君か・・・」







何気なく宛名を返せば そこには濃い字でみっしりと





『あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん
あんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱんあんぱん』






「何があったんだ山崎君にぃぃぃぃぃ!?」


「あんぱんがゲシュタルト崩壊を起こして
何がなんだかわかんないね。」


「うわー引くわコレ・・・アイツあんぱんの天人に
キャトルミューティレーションされたんじゃないのか?」


「あんぱんの天人ってどんなのよ?」





静かなツッコミがから放たれて







玄関から呼び鈴が鳴らされた。







「はーい・・・あら あなた達」





玄関を開けた先には万事屋トリオと、やたらと
大きな箱が二つほど並んでいた。





「あけましておめでとうございます」


「あけましておめでとう・・・って後ろの荷物は?」


「今日は用があって来たアルよ」


「いやぁ〜新年早々悪ぃんだけどよ
ちっと荷物配達とか引き受けてもらえねぇか?」


「荷物って・・・その箱か?」


「そーそー よっこい・・・しょ!」





言って銀時が無造作に放り込んだ箱の中から







どこかで聞いたことのある ゴリラと雌豚の呻き声







「・・・・・あの、銀さんこれ・・・」





指差すサニーに彼は答えないまま。





「頼むから何も言わずによぉ
どっか遠くへ送ってくれ、ネクロゴンド辺りにでも。」


「何でネクロゴンド!?」


さん達も見たでしょ?あの二人の年賀状・・・」





新八にそう言われ、四人はしばらく考え・・・・





「「「・・・・・ああ・・・・・・」」」





思い出した後に一斉に納得したので

望み通り何も聞かないまま、荷物を預かった。







「それで、用件ってコレだけか?」


「何言ってるアルか銀ちゃんもどき!
お年玉まだもらってないアル!!


「ワザワザお年玉たかりに来たのかよアンタらは!?」


「いいからくれよぉ。」


「銀時はもうもらえる年齢じゃねぇだろ。」


「何言ってんだよ、俺の心は常に少年のあの日のままだ。」


ジャンプしか読めない大人が何言ってるんですか。」


ジト目の新八からシビアなツッコミが寄越された。





手を広げて待っていたものの 何もアクションが無いので
別方向から攻めようと神楽は口を開く。





「ところでサニーはいくらもらったアルか?」


「あのね、テリコからじゅうm
「あ〜!サニーちゃんそれは言っちゃダメ!」


「な、何で?」


「神楽ちゃんにお年玉全部取られるわよ?」


「オイオイちゃ〜ん、俺らが
そんなにあざとく見えるか?」


「「「見える。」」」


「口揃えて言うなぁ!!」





在日アメリカトリオに瞬殺で釘を刺されたため
銀時はちょっぴり落ち込んでいた。









結局、お年玉は渡さぬまま三人が帰り


四人は年賀状の後始末という問題を
改めて直視し 困り果てていた。





「・・・どうしよ、このハガキ全部の
返事出すの大変よこれ・・・」


「何か一つにでもまとめないと収集がつかない。
どうするジャック?」





は腕を組んで少し考え・・・





「・・・よし、これで行くぞ。」





筆を取って 一枚のハガキにこう書き付けた







内容はたった一言―





『メタルギアソリッドライジングもよろしくね!』







「・・・OKだ、ボス。」


「いいんじゃない?」


「うん!」


よし!すぐに全員分刷って送るぞ!」





こうして、年賀状の騒動は無事に幕を閉じた。








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後書き(管理人出張)


狐狗狸:時期的にはこっちのがピッタリでしたが
年賀状ネタだし14日以内ならアリかと思って
少しばかり掲載周期をズラしてみました


桂:ヅラじゃない桂だ!


銀時:ってテメェは年賀状でしか出てきてねーだろ!
ロンダルキアに島流しすんぞ!!


ゼロ:いいじゃないか次回作を期待したって


武市・また子・万斉:いいじゃないか大河に出たって


オセロット:いいじゃないかスパイが出番を望んだって


近藤・さっちゃん:いいじゃない結婚願望丸出しでも!


新八:正月早々自重しろアンタらぁぁぁ!!


神楽:てか達金持ちのクセしてお年玉ナシかヨ
ケチ臭い英雄どもアル


カズ:元旦からメシたかった挙句、人の金で
あれだけ食い尽くしといて言うなっての!