新八「ねぇ・・・やめましょうよ人の手紙読むなんて。」


銀時「あん?いいじゃねぇか新八よぉ。」


神楽「そうネ、あの時みたいに
カモフラすれば全然問題ナッシングヨ。」


新八「あの時バレバレだったでしょうが!」


「ん?お前ら何して・・・・あ!


銀時「げっ!見つかった!」


「こらそれ返せ!
絶対中身を見るなって言われているんだから!」





バッ!(タッチの差で手紙はボッシュートされました)





神楽「チェ〜つまんないアル。」


「全く・・・で、何が書いてあったんだ?」


銀時「んだよ結局オメェも気になるの?中身」


「そうじゃなくて・・・これはコスタリカで出会った
ヒューイから預かった手紙なんだ。


もしかしたら武装勢力ピースウォーカーの情報
書いてあるかもしれないだろ?どうだった」


新八「う〜ん、見たには見たんですけど
それらしいことは書いてなかったですね。」


「そうか・・・」





キィィ(かすかな車輪の音)





ヒューイ「おや、みんなして何してるんだい?」


うわヒューイ!?い、いや何でもないぞ!」


ヒューイ「どうしたんだい?そんなに慌てて」


銀時「別に・・・ってアレ?
お前どっかで見たことある顔してんな〜」


神楽「あ、あのオタクと瓜二つアル。」


ヒューイ「え・・・オタクって、誰のことだい?」


「俺の知り合いでオタコンって奴がいるんだけど
・・・言われればそいつとよく似てるな。」


ヒューイ「へぇ・・・そうなんだ・・・」


「ていうか車椅子だってのに全く気配がなかったぞ。」


ヒューイ「ハハハ、扱いに慣れてるからかな?」


銀時「そういや普通に会話してたけどよぉ こいつ誰?」


「こいつはヒューイ、ストレンジラブ同様
AI兵器の開発をしていた科学者だ。」


新八「へぇ〜、あのー何で車椅子なんですか?」


ヒューイ「ああまあ・・・いろいろとね。」











人の手紙を盗み読みする奴は〜?
『悶え苦しみながら死ぬがよい!!』












「そういえばお前、親父さんが
マンハッタン計画に参加したって言ってたな。」


ヒューイ「ああ。」


「自分が歩けないのはその影響だと?」


ヒューイ「・・・どうかな いや、おそらくは違うんだろう


今の所、親が放射線被爆していたからと言って
その子供に遺伝的な影響が出る証拠は見つかっていない。
胎内被曝した場合は別として 疫学的にはね。」


「それは、原爆傷害調査委員会(ABCC)のデータか?」


ヒューイ「ああ、ABCCは戦後間もなく被爆者の調査を始めた
そして、それは今でも続いている。」


「その影響が今でも・・・か・・・」


新八「スイマセンさん、マンハッタン計画って
唐突に言われても分からないんですけど。」


神楽「そうネ、お前ら二人でいきなり難しい話とか
全然ついてけて無いアルよ。不親切アル。」


銀時「つーわけで分かる範囲で簡潔に説明するよーに
15文字以上25文字以内で」


「無茶ぶりされてもやらないからな、それに
俺が知っているのは概要だけだ。」


新八「で、どんな計画だったんです?」


「核時代の口火を切った計画でな・・・
当時の本部が、確かマンハッタンにあったんだったか?」


ヒューイ「その通り。多数のノーベル賞受賞者を始めとして
20世紀を代表する頭脳を集結し 20億ドルもの費用を投じた
巨大プロジェクトだよ。」


「当時にとっては世界をあげてのプロジェクトだな。」


ヒューイ「計画は1945年7月16日
アラモゴートでの原爆実験をもって成功裏に終わった。」


「だが、実戦配備までには至らなかった・・・と聞いてる。」


新八「え?せっかく作ったのに使わなかったんですか?」


ヒューイ「使わなかったんじゃなくて・・・使えなかったんだ。」


神楽「どうしてアルか?」


ヒューイ「そのー・・・・・・実戦配備直前になって
江戸に天人が襲来してきたからね。」


新八「え!?その原爆って江戸に使う気だったんですか!?」


ヒューイ「いやいや、最も本当に使う気はなかったんだ。

当時鎖国していた江戸の開国交渉の材料とするためにね・・・
で、"断れば原爆を使うぞ"と言う形でね。」


銀時「おいおい、んな物騒なもん抱えて
開国させようとしたってのかんとこのお偉いさんはよぉ」


新八「戌亥族とやり口一緒じゃないですか・・・」


ゴホン・・・けどそれなら、あれだけの大金を
つぎ込んで作った原爆はどうなったんだ?」


ヒューイ「それが当時運搬していた爆撃機を天人に強奪されてね・・・
奴ら使い方が分からなかったらしくて、誤作動起こして自爆したよ。」


神楽「マジでか すっげードジアルな。」


ヒューイ「笑えるだろ?20億もかけて創った
科学の結晶が、誤作動で全てポンさ。」


「だが、マンハッタン計画があったからこそ
その後の核兵器が進歩したとも言える。

まあ・・・しなかった方が良かったかもしれないけどな。」


ヒューイ「あー・・・じゃあ僕は研究室に戻るよ。」





キィィ(かすかな車輪の音が遠ざかる)





「・・・・・・振っておいて何だが、すまない
余計な話をしてしまったな。」


新八「大丈夫ですよ・・・その、気にしてませんし。」


銀時「ハイハーイ湿っぽい空気はうっちゃって
ホラ、あれをお待ちかねの読者にご紹介する。」


「え?あ、ああ・・・・・」


神楽「では、読者の方にだけ特別公開アル

あのオタクモドキの書いた手紙をここでご紹介ネ!


新八「え、ちょま・・・!?」









"やあ、久しぶりだね。


突然手紙なんて出してごめん。
ほら・・・最近君、僕からの通信に出てくれないだろ?


何か気に障ること言ったかな。それだったらごめん 謝るよ。

でも、出来れば君に伝えたいことがあって・・・
それで手紙を書いたんだけど・・・。


いや、もちろん今はそんな状況じゃないよね。


でも僕はとても、その、興味があるんだ。

君・・・の研究に・・・さ・・・。





そう言えば、ポッドの研究は順調?


僕が書いた、二人の、その、AI同士のリンケージプログラム。
うまく機能してるといいんだけど・・・





もしうまく動かなかったら そっち行って・・・
直しても・・・いいかな?





ほら、だって気になるもんじゃないか
ちゃんと無事で元気か・・・

いや、プログラムが元気ってヘンだよね。ハハハ・・・


ごめん、話がずれたね。





えっと、ともかく、ずっと言おうと思ってたんだ。

それこそ君とNASAで初めて会った頃から・・・。


あの頃は楽しかったね。
その・・・好きな、好きな・・・研究を思う存分できたしさ





当時から僕は君を・・・君の事を・・・


つまり君の研究のことを・・・評価してたんだ。
いや、それだけじゃない。


僕は、君のことを・・・す、す、





・・・すごい人だな、ってさあ。


ごめん、なに言ってるか全然わかんないね。





だからその、君がNASAから突然いなくなった時は
とても悲しかった。


それではっきりとわかったんだ・・・。


僕には君が、君が、必要・・・っていうか研究に?

ああっ違う!
っていや違わないけど、違うんだ、言いたいことは・・・





とにかく、コスタリカで君に再会した時にはびっくりしたよ。


もしかしたら天の采配かな。とか、誰かが書いたコードの上で
僕達は、その、そうなるようになってるのかな、とか。


君と僕、二人でこれからもずっと・・・その・・・二人で・・・





研究したい。


いや研究だけじゃなくて、いやもちろん研究もなんだけど

いろいろあるじゃないか、研究も、ねえ?





ごめん、また話がずれた。でも もう時間がないんだ。





ピースウォーカーが完成したら、この計画も終わりだろう?


だから・・・えっと、その・・・ピースウォーカーは
二人の共同作品・・・だよね?

だから、ピースウォーカーが完成した時は・・・その時は・・・





・・いや、そうだね、まずは完成させるのが先決だよね。
うん。そうだそうだ。


だからそれまで
前みたいに黙っていなくならないでほしいな、なんて・・・。







長々とごめん。とにかく研究の成功を祈ってるよ。





親愛なる博士へ
ヒューイ"









神楽「・・・・ホンッと何アルかこのグダグダの手紙は。」


銀時「手紙なのに何でこんなにテンぱってんだろな
ぶっちゃけ紙のムダじゃね?」


「・・・これもしかして・・・」


ヒューイ「みんな、資料を持ってきたよ。」


新八「うわわわわわ!!」


ヒューイ「どうしたんだいそんなに慌てて?」


「い、いや何でもない!」


ヒューイ「そう?あ、そういえばあの手紙
ストレンジラブに渡してくれたかい?」


「・・・いや。」


ヒューイ「どうしてさ?大切な内容なんだ。
ちゃんと渡してもらわないと。」


「すまん。とてもそんな機会がなくてな。」


ヒューイ「そっか・・・じゃあ今度会ったら
その時にでいいから必ず渡してくれよ。」


「あ、ああ。」


銀時「・・・あれなら渡さないほうがマシだろ」


新八「銀さん!!」


銀時「あ、しま・・・」


「何してくれてんだ銀さん!!」


ヒューイ「ちょっとみんな!」


「な、なんだ?」


ヒューイ「まさか君達・・・
ひょっとしてあの手紙・・・読んだのかい?


銀時「いんやぁ?知らない知らない全然知らない」


「すっとぼけ方がわざとらしいんだよ!」


ヒューイ「読んだんだね!?」


神楽「いいじゃんよぉ〜減るもんじゃあるまいし」





ゲシ(神楽の頭を引っぱたく。)





神楽「クギュッ!」


「誤解するなヒューイ、どんな情報が
作戦の成否を分けるかわからないだろう?だから・・・」


ヒューイ「読んだって言うのか、人の手紙を!
僕は読むなって言ったのに!!


銀時「いやー悪ぃ悪ぃ、"読むな"って強く言われると
逆に"読め"って振りかと思って・・・」


ヒューイ「そんな古典的なお笑いの振りなんて知らないよ!」


「だ、だからヒューイ・・・」


ヒューイ「見損なったよジャック!
君がそんな人だったとはね!とんだ見込み違いだった!!」



「悪かった、悪かったよ・・・

しかし一体・・・あの博士の何処がいいんだ?」


ヒューイ「君みたいな野蛮人にはわからないよ!
人の手紙を盗み見るような輩にはね!





カッチーン(あまりの言い分にイラっと来ました!)





「じゃあ野蛮人になんか頼まないで
自分で直接渡せばいいだろう!」



ヒューイ「え!?
あ、いやその、それは・・・無理だ・・・。」


神楽「耳まで真っ赤アルな 分かりやすすぎネ」


「はぁ・・・前途多難だな ヒューイ。」


銀時「つーか手紙でくれぇさらっとコクれねぇのか?」


「そういう性分なんだろ?仕方ないさ。」


ヒューイ「全く・・・こっちの方は全然反省してないね?」


「そういう性分なんだろ?仕方ないさ。」


銀時「んだとテメテメェの性分だt」





ほた〜るのひか〜り〜





新八「あれ、何で蛍の光が?」


「あ〜!
ヒューイの手紙を公開したから尺がなくなったぞ!」



神楽「ええぇぇぇぇぇ〜!!」


ヒューイ「全く、後先考えずにそんなことするからだよ。
いい報いだ。」


銀時「んだとコラァ!あんなダラダラ長っげー手紙で
紙とページの無駄遣いしやがったのはオメーだ超オクテ野郎!」


ヒューイ「何で僕のせいなんだよ!
それより、君達のせいで今回登場するAI兵器の紹介が
出来なかったじゃないか!」


新八「そうだったんですか、すみません。」


「まあその辺は今に始まったことじゃないし

それじゃ いつもので〆るか。合言葉は・・・」





SAY PEASE







???「ラ〜ンランラ〜、ラララ〜、ラララ〜
ラ〜ンランラ〜、ランラ〜、ラララ〜。」








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後書き(管理人出張)


カズ:蛍の光はアメリカでも、年を越した際にも
流れるくらいポピュラーなんだぜ?


狐狗狸:古き良き昔の習慣って奴ですな
ともあれ 年内でのカズラジ形式乙です!


新八:って今回カズさん一度も出てないんですけど
そんな進行でよかったんですか?


銀時:まぁ問題出たら奴が責任とるからいーんじゃね?


神楽:それもそうアルな


カズ:ちょっ!お前ら何勝手に決めてんだ!!


狐狗狸:来年も苦労しそうですがよろしくお願いしますね


カズ:ってお前も押し付ける気満々か!?


万事屋トリオ:オメーは働けよバ管理人!!(蹴)