達が女の戦いをしていた時、達は敵を
どうにか振り切って隠れていた。
「なんとか逃げ切った・・・
さん、老人化してても僕と同じ素早さで
動けるなんてスゴいですね・・・」
「このスーツのおかげだよ」
俺が装着しているのはマッスルスーツ
名前から想像できる通り、人工筋肉内蔵型の
スニーキングスーツで筋力を補強するシロモノだ。
「なるほど、にしても・・・・
頼みますよ銀さん桂さん。ちゃんと自分の足で
逃げてくださいよ もう僕知らないですからね。」
ささやく新八君に、ため息交じりで桂さんは言う
「近頃の若いモンはコレくらいで情けないのう
わしらの若い頃なんか亀の甲羅をしょった上に
武天老師様を担いで牛乳配達したり」
「武天老師ってなんだよ!!勝手に
メガヒット漫画に記憶改ざんしてんじゃねーよ!!」
「おいヅラ・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何だっけ?」
「「ツッコミおせぇ上に忘れた!!」」
「ああ、アレ
メガドライブ結局やってんじゃねーか。」
「それ二、三回前の更新時のツッコミだろうが!!
何でまたいでツッコんでんだよ!!
もう誰も覚えてねーよ!!!」
「私は覚えてるよ?」
手を上げるサニーはちょっと嬉しそうだ。
「いや・・・・真面目に応えなくても
いいんだってサニー・・・・」
「さすがは銀時じゃ・・・
シュールじゃ、シュールツッコミじゃ。
若いモンにはマネできんわい。」
「ヅラ・・・お前アレ武天老師って誰よ
勝手にメガヒットにアレすんじゃねーよ
なんでやねん。」
いつもに比べれば緩すぎるボケとツッコミに
耐え切れなくなった新八君の怒号が飛ぶ。
「ジジイィィィ!!
いい加減にしねーと山に捨ててくぞコラー!!!」
「駄目だよそんなことしたら!!
お年寄りは大事にしろってハル兄さんが言ってた!!」
「いやだから
真面目に応えなくてもいいんだってサニー・・・・・」
言いながらも歩くうち、前に扉らしきものが見えた
「ここは・・・・」
扉が開き、そこにあったのは人が入ったカプセル。
「これは・・・・人だ、人が入っている。」
「マッサージ器かのう、わしも入りたいわい。」
「どんだけ間取りするマッサージ器・・・・」
「違うだろ、これは冷凍カプセルか何かだろ。」
「どうでもいいがわしは疲れたわい・・・・
よっこらせっと。」
「ああ駄目よ桂さん!精密機械の上に座っちゃ!」
桂さんが座った途端、その機械が突然起動し
画面に何かが表示されたがすぐに消えてしまった。
第九話 老人に機械の扱いを教えるのは一苦労
「あれ?今何か書いてありませんでした?」
「ホントか新八君、だがコンピュータには
詳しくないからどうにも・・・・
せめてMk.Uがあれば何とかなるんだが」
「貸して。」
自信ありげに言って、サニーが機械の前に立つ。
「サニー?何をするつもりだ?」
「さっきの画面を表示させるの、すぐに終わるわ。」
画面へ向き直ったサニーが 驚くほどのスピードで
機械のキーを叩き始めた。
「すごい・・・・・」
「サニーにこんな能力があったなんて・・・・」
「じゃがメガドライブに関してはわしの方が」
「いい加減メガドライブから頭離せ!!」
「出た!画面出たよ!」
「そうか!よくやったサニー!」
表示された画面を新八君は眼で追い始める
「えーっと・・・・あの人はまだ眼を覚まさない。
医者の話では一命は取り留めたが
この先意識は戻るか分からないという・・・・
これもしかして亀梨さんが言ってた・・・・」
「どういうことなんだ?」
俺は 画面に映った文字を読んでいった・・・
私の責任だ・・・私があの人をこの城に
長く引きとめたばかりに、あの人は一人
時間の流れに取り残され絶望し 死を選んだのだ。
いつか意識が戻ることを信じあの人を
コールドスリープにかける事にする。
これであの人の肉体が滅ぶ事はない。
眼を覚ます日まであの人は今と変わらず
美しい姿のまま眠り続けるのだ。
ただ、正しい事をしているのかどうか自信はない。
あの人は孤独を嘆き 自ら死を選んだのだ。
もし遠い未来目覚める時が来たとしても
そこには以前と同じく、彼の知らない世界が
茫洋とひろがっているのだ。
その時、私はあの人に
何と声をかければいいのだろうか。
私はまた同じ過ちを
繰り返そうとしているのかもしれない。
それでも・・・・そうだとしても私は・・・・
もう一度あの人に会いたい。
何百年・・・何千年かかっても・・・・・
美しく生きていこう。
たとえ何千年経とうと
あの人を私と気づいてくれるように・・・
目が覚めた時あの人が寂しくないように・・・
世界の形が変わっても
私だけは以前と変わらぬ姿のまま・・・
あの人の知る美しい姿のまま
あの人を待っていよう。
この世界にあなたが待っていた人が
一人でもいた事を・・・
あなたは一人じゃないことを教えるために・・・
私はそんな暗い深海を照らす真珠になる。
だからその光を辿ってきっと帰ってきて。
私・・・ずっと待っているから。
そこで文章が止まり、若い頃の乙姫らしき
女性の写真が映し出される。
映った彼女は その名に恥じぬ
申し分ないほどの美しさを備えていた。
「乙姫・・・・」
「そうか・・・・全てはあの中の・・・・
ウラシマのために・・・・」
突然 轟音と共に竜宮城が揺れだした。
「何だ!?竜宮城が揺れてる!?」
サニーが何かを察知したのか
近くにあった端末をいじっていた。
「ジャック大変!!
この竜宮城・・・空を飛んでいるわ!」
「何だって!?」
「天元寿老砲・・・・・目標、江戸上空・・・!?」
「何なんだそれは!?」
「待って!少し調べてみる。」
サニーはまた端末をいじり、情報をハッキングする
もしかしたら・・・・サニーの能力に賢者達が
目をつけたから 狙われていたっていうのか・・・?
「玉手箱G十万に相当するガスを濃縮・・・・・
発射されれば地球全土の人間が老人に・・・・!?」
と妙の所でも、天元寿老砲の事が
乙姫の口から聞かされていた。
「アレを江戸のど真ん中に放てば・・・・
地上に残る者は全て醜い老人と化す・・・」
なんて事を・・・・そんなことして
ウラシマさんが喜ぶとでも思っているの!!
お妙さんが 鼻フックをしたまま乙姫を押し倒す。
「そんな事して一体誰が喜ぶというの!!
あなたの待っている人がそんな事を
望んでいるとでも!!?」
「今すぐ発射の止め方を教えなさい!!
そんな事した後で・・・待っている人が
あなたに同じ台詞を言うとでも思ってるの!!」
私とお妙さんの周りに兵士が囲み始め
咄嗟に銃口を乙姫から彼らへと向ける。
「余は、あの人の道しるべになってさしあげねばならぬ。
暗く深い海の底にあって唯一輝く、この世で
最も美しき真珠に・・・!」
語られる言葉と同時に兵士達が次々と銃を取り落とす
これは・・・老化ガス・・・いつの間に
いえ、味方もろとも老化させる気なの乙姫は・・・!?
「その先にあの人もきっと気が付いてくれよう
きっと光を辿って 余の元に帰ってきてくれよう!」
私とお妙さんにも老化が始まってしまい
だんだん、力が抜けていく・・・・・
「そのためには、余が唯一輝く真珠であるためには
余以外の者は暗き深海に沈んでもらわねばいかぬのだ!」
何で気付かないの・・・・
こんな事したらまたウラシマさんは
再び絶望して 死を選んでしまうのに・・・・!
私とお妙さんは力尽きたように床に倒れ込んだ。
後は達しかいない・・・・・・・
私の代わりに、乙姫を止めて・・・・・!
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後書き(退助様サイド)
退助「ついに発射される天元寿老砲
んでもって乙姫の暴走までいきました。」
新八「でもサニーちゃん、あの歳で
機械の扱いがすごいなんて・・・・」
退助「原作じゃ愛国者達のシステムを破壊した
ウィルスを開発するくらいだからね。
とんでもないエンジニア能力を持っているんだ。」
神楽「それでは必死こいて
サニーを護ってたアルか。」
退助「さあ、そろそろ長かった竜宮篇も
終盤戦に入りました。そろそろ2話目に出た
アレを出そうかと・・・」
サニー「私を助けてくれたアレを?」
退助「そうそう、いい加減この辺で出さないと
消化できないんで・・・」