兵士に連れられた妙とは、乙姫の前に立っていた。
乙姫の前にはしきりがありこちらからでは顔が見えない
「乙姫様、捕虜を2人連れてきました。」
「まったくしぶとい連中よのう、まだ余に逆らうと
いうのか・・・・諦めの悪さだけは褒めてつかわそう。
まったく大した仲間ではないか。」
「あなたが乙姫様ですか?
人を呼びつけておいて顔も見せられないの?
それとも人に見せられないような顔でもしてるのかしら。」
「ちょっとお妙さん!?」
流石に不躾な一言に慌てるだが、乙姫は意に介さず笑う
「ホホホホホ!気の強い娘よ、悪い事をした
・・・反逆者に妙齢の娘が二人もいると聞き
ぜひ顔を見たく呼ばせてもらった。」
「妙齢の・・・・?」
「よくよく考えてみたら・・・・その程度なら
捨て置いてもいいわ、だって余の方がカワイイもん。」
その一言を聞いた途端、妙が切れた。
「ああ!?上等だコラ!ツラ出さんかいワレェェェェ!!
正々堂々勝負じゃボケェェェ!!!」
「あ゛ー!?やんのかコラ!!
余に勝てると思ってんのかコラァァァ!!」
「ちょっとお妙さん落ち着いて!!」
が興奮する妙を抑えてた時、しきりが急に上がり
乙姫の姿が眼前にさらされる。
その姿は・・・・・・・
お世辞にも"乙姫"と呼ばれるような美しさがない
ただのデカいばあさんだった。
「アンタらなんてただ若いだけでしょうーがぁぁ!!
私だって若けりゃ、若けりゃぁぁぁぁ!!」
「「・・・・年齢の問題じゃないだろうがぁぁぁぁ!!」」
その頃、スニーキングスーツを装着し終えたが
階段の途中にいる新八達の所へ到着していた。
第七話 戦闘能力の測定とか、原理どーなってんの?
「さん、遅かったじゃないですか。」
「悪い悪い、やっぱ老体の身体だと
着替えが大変だよ・・・・つか何だよその姿」
全員が亀梨のような亀の甲羅をつけている事に
俺は抑えきれず訪ねた。
「奴等に気付かれぬよう、亀になり切る
カモフラージュアル」
・・・・・色々ツッコミたかったが面倒なのでやめた
「さん、軽く説明しますよ。
乙姫は自分より美しい者を認めない、己が唯一美しい存在で
あるがためにこの地球を老人しかいない星に・・・
老人の星に変えようとしているんだ。」
何だと・・・・そんな下らない理由で・・・・!?
「たったそれだけのためにか・・・・そんな事で
この星をひっかきまわしていいと思っているのか乙姫は!」
「歴史はいつも、たった一人の為政者の私事で動くのだ。」
亀梨の一言は 言いえて妙だった。
こっちも未だに争いの歴史は『賢者達』に
握られているからな・・・
「齢三千、あの方は長い時を生き過ぎた。
長い時の中で 大切なものをなくしてしまったのだ。
最早あの方の歴史に終止符を打つ以外に
あの方を止める術はない。」
「みんなを元に戻す方法は・・・姉上は・・・」
「恐らく全てはあそこに・・・乙姫の元に。」
「もそこにいるんだな?」
亀梨は強く頷いた。
「そうです。ここからは三班に分かれよう。
このまま一つに固まって行動していれば発見された時
一網打尽にされる。
誰かがやられたとしても残った者達が
乙姫の元まで行くんだ・・・たとえ一人になろうとも。」
全員が 覚悟を決めた顔をしていた。
「しかし戦力を三分して竜宮城の警備を
乗り越えられるんですか?」
「新八君 それを言うならこの人数でもきついぞ。
けど3手に分かれればかく乱もできる、が・・・・
問題は振り分け方だな。」
「大丈夫だ、これがあれば均等に分けられる。」
そう言って亀梨が出したのは・・・
あれ?何処かの漫画で見たことあるような・・・・
「何なんですかそれは・・・
どっかの漫画で見たことあるんですけど・・・」
「スパウザーだ、平たく言えば戦闘能力を測る計測器だ」
「いやスカウターですよね?
平たく言えばスカウターですよね?」
「スパウザーだ、夜店のくじで当たった。」
「「まがいもんじゃねーか!!!」」
タイミングよく俺と新八君とツッコミが被る。
「これで君達を計り均等に分かれよう。
・・・まずは君からだ。」
亀梨が片目につけたそれで新八君の能力を計測する
「362K、ほうその若さで大したものだな。」
「なんですかKって・・・基準がよく分からないんですけど
・・・すごいんですかそれ?」
「要するに君はK(コンブ)362枚分の戦闘能力を
有するという事だ。」
「何で昆布!?昆布一枚になんの戦闘能力もねーよ!!」
「普通の一般人がおおよそ360Kあたりである所を
考えると君は昆布2枚分普通の人よりスゴイ。」
「たったの2枚分かよ!?
僕の10余年にわたる剣術修行はなんだったんですか!!」
憤る彼はさて置き、次は長谷川さんだ。
「オイ亀梨、このグラサンもらっていいか?
グラサンねーとどうもおちつかねーんだ。」
「君は654Kだな。」
「何で!?
なんで僕より長谷川さんの方が高いんですか!?」
「人は見かけによらねーって事だよ。」
自慢げに言った瞬間、グラサンが落ちて
すかさずスパウザーの駆動音が聞こえた。
多分数値が変化したんだろうが・・・・・
「ああ、グラサンとったら1Kになったな。」
「何でだよ!!?」
「ああ、マダオはほとんどグラサンで
出来てるからグラサンが本体ネ。」
「いやおかしいだろ!!1Kって最早
人間じゃねーじゃん!ただの1枚の昆布じゃん!!」
「次は俺にしてくれ亀梨、今の単位がKとはいえ
どれだけあるか把握しておきたい。」
「分かりました。」
計測する亀梨が、少し驚いていた。
「すごい・・・・老体になったにも関わらず
1万5000Kもあるなんて・・・」
「ちょっと待てぇぇぇ!!
何でさんそんなに強いんですか!!」
「噂には聞いてはいたが・・・・
アメリカの英雄は伊達じゃないみたいですね・・・」
「茶化すなよ。」
と言ってもこのスーツのおかげかもしれんな・・・
これがなかったらガックリ半減していただろう・・・
次は九兵衛さんか。
「君は・・・・すごいな7930Oだ。」
「Oって何だよ、単位変わってるだろ!」
「女の子の場合は単位が変わる
ちょっとかわいくなる。」
「ああ、お花7930本分みたいな?」
「オッパイ7930個分だ。」
「全然かわいくねーんだけど!気持ち悪いわ!!」
「ジャック・・・何で耳塞ぐの?」
「サニーはまだ聞いちゃいかん。」
気に入らないのか九兵衛さんが亀梨の胸倉を掴む。
「貴様!武士を愚弄するか!おっぱいなど僕はいらん!」
そして顔を赤くして・・・
「7930オ****に変えろ。」
「「やめろぉぉぉぉ!!余計に気持ち悪いから!!」」
そもそもサニーの前に何てこと言ってんだぁぁ!!
ホントに耳塞いでおいて正解だったよ・・・
「オイ、私はオッパイ何個アルか?」
「やめろはしたない!!」
俺のツッコミを気にせず亀梨は神楽の計測に当たる。
「・・・ん、いや、ちょっと待て・・・8000・・・
8500・・・信じられん・・まだ上がって・・・これは」
さすがは夜兎族 この歳で戦闘能力が高いとは・・・・
「下がっている!?8500Oではない!?
マイナス8500O!?信じられんどういう事だ!?」
えぇ!?ど、どういう事だ!?
思わず亀梨の視線を辿ると、そこには神楽の後ろで
お茶を飲んでる老人二人組。
「これは・・・・!!後ろの二人!?
後ろの二人の戦闘能力が・・・・マイナス2万、3万
・・・・ま、まだ下がる・・・・!!?」
驚愕の悲鳴から程なく、亀梨のスパウザーが爆発した
・・・・ってそれもろスカウターだろ!!
「・・・・計測不能だ・・・・・」
「マイナス3万ってどんだけ足手まといなんですか!
僕ら全員合わせてもカバーできませんよ!?」
「マイナス3万・・・老人ホームでも
完全に手に負えないレベルだ。二人を一人ずつ
1班で受けてもマイナス1万5千、その穴はでかい。」
「何とか穴を埋める方法はないのか・・・?」
「仕方ない、少しでも数値を上げるために1人百枚ずつ
昆布をもっていこう。気休めだがないよりはマシなはずだ。」
「いやない方がいいだろ!!
なんで昆布もってったら戦闘力が上がるんだよ!!」
「私三百枚持つネ!銀ちゃんの穴は私が埋めるネ!!」
アホなやり取りを無視して俺は九兵衛さんに言う
「九兵衛さん・・・・
に会ったらこれを渡してくれないか?」
「・・・これは?」
「グロッグ18C、連射が可能なマシンピストルだ。
これは専用の弾倉が入ったポーチだ。
一度で20発撃てるからかなりゆとりが持てるはずだ・・・」
「分かった、出来る限りこれを」
言葉半ばで九兵衛さんの足元に銃弾が当たる。
被弾角度から発射場所と思しき位置へ目を向けると
高台に人が立っていた。
「あれは!?」
「イカン勘付かれた!みんな散るんだ!
一つにいれば次々狙い撃ちされるぞ!!」
「サニー!こっちへ!」
「うん!」
「僕らはこちらから攻める!」
「新八達は別ルートから行くネ!」
「「ちょっと待てぇぇぇぇ!!!」」
城の崖をよじ登り始める神楽と九兵衛にツッコむ俺達
「戦力は均等に三等分するんじゃないのかよぉぉ!!
スパウザーの意味はぁぁ!?
こっちほとんどゴミしかいねーだろ!!
せめてジジイ片方テイクアウトしていけぇぇぇ!!」
新八君の一言に二人は一瞬止まり
勢い良く崖を駆け上がっていった。
「オイ無視してんじゃねぇぞ!!
聞こえてんだろオメーら!!」
そうこうしてる内に追手が現れる。
「追手だぁぁぁ!!」
「新八君!さん!ここは俺達に任せて!!」
敵に向かい堂々と言ったのは、長谷川さんと亀梨
「行けって・・・・このジジイ連れてけってか!
何で僕ぅ!?」
「竜宮城の・・・地球の未来は若い奴らに任せるとするさ。」
「若くねぇから!!」
「フッ、あんたもやってくれるか、
損な役回りさせちまってすまないな。」
「損な役回り僕だろ!!」
「フッ、かまわねぇさ、どうせ一度は捨てた身
老兵は去るのみよ。」
「老兵こっちぃぃぃ!!」
亀梨と長谷川さんが甲羅に入り、敵の軍勢へ
捨て身の体当たりを仕掛けた。
「ゆくぞ!!」
「てめぇら全員、地獄へ道連れだぁぁぁぁぁ!!」
だが勢いとは裏腹に、誰にも当たらず崖に落ちていく。
まあ・・・・・分かってはいたが・・・・・
「「全く役にたってねぇぇぇぇぇ!!!」」
俺はサニーと銀さんを両腕で抱え
新八君は桂さんをおぶって全力で走った。
果たしてこんな状態で乙姫から
お妙さんとを助ける事が出来るのか・・・・・
今更ながら、心配になってきた・・・・
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後書き(退助様サイド)
退助「いよいよ3手に分かれて行動開始です。」
銀時「最終的にお前もメガドラ」
新八「ああもうそれはもういいですって!!」
九兵衛「所で何故さんはあんなに昆布が多いのだ?」
退助「いや昆布じゃないから・・・・・
一応あれでも戦闘力だから
・・・・の場合、鍛え方が違うから老人になっても
数値が下がりにくくなっているし、それに長谷川さんが
グラサンを落としたことを考えてみて。」
長谷川「俺がグラサン落としたら1Kになったってやつ?」
退助「そうそう、それを考えると・・・・・」
新八「ああ!分かった!!
さんが着てるあれに秘密が!?」
退助「正解!!詳しい回答は次回以降で。」