竜宮城の軍制に捕えられ、俺達は武器を奪われ
牢屋に入れられていた。





時々捕らえられた老人達が連れてこられるのが
檻越しに見える・・・乙姫は何故こんな事を・・・?





単純に奴隷が欲しいなら、老人では不都合のはず。


そもそも何で老人にする必要がある・・・?







「何のつもりかは知らんが、本当に乙姫とやらは
この国を老人だけにするつもりらしいな。」


「どーずんだよ、亀はどっか連れてかれちまったし
身動きはとれねぇし。こいつらはこんなだし。





長谷川さんが俺と銀さん、桂さんを見つめて呟く。


いや、俺はボケてはないぞ・・・・・・





てゆうか何で俺だけ 銀さん達みたくボケないんだ?
正直ありがたくはあるんだが・・・・







「つーか何でこいつら一日中相撲ばっか見てんの?
何で牢屋にテレビあんの?」





壁に埋め込まれたTVの画面に熱中する内
銀さんが口をモゴモゴさせていて


それが気になったらしく神楽が近寄ってくる。





「銀ちゃん何食べてるアルか?」


「いや、食べてないから。それ歯がないだけ。」


「一人でこっそり何食べてるネそれ?」


「いや、食べてないってそれ。」





人の話を聞かず、神楽は銀さんの口を
無理やりこじ開けようとしていた。





オイオイ・・・・何をしてんだおい・・・・


年老いた影響かつっこむ気力がない





「よこせよー!私も食べたい!!」


神楽ちゃーん!!食べてないからそれ!!」


「やかましわー!!何を騒いどるんじゃお前達は!!
家にばかりこもってないで子供は外で遊ばんかい
バカモンがぁぁ!!」



「じゃあ鉄格子外せクソジジィ!!!」





桂さんの叫びに新八君がかぶせる。





「まったく近頃の若いモンは、やれファミリーコンピュータだ
メガドライブだ。家にばかりこもりおって


わしらが若いころはのう銀時、と暇さえあれば
野山をかけ回ってメガドライブしたもんじゃ。」


「最終的にお前らもメガドライブしてんじゃねーか!!」


「いや新八君・・・・俺は全然関係ないぞ・・・」


「ズラ・・・・お前・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最終的にお前もメガドライブしてんじゃねーか。」


ツッコミおせーよ!!
どんだけたっぷり間使ってんですかぁぁ!!」


「銀さん・・・・ツッコミは新八君に
任せておいた方がええんじゃないか・・・?」


「ああ・・・・
がだんだん老人みたいな喋り方を・・・・・」





そんな悲しげな顔しないでくれよ・・・
俺だってちょっと悲しいんだから





「年寄り扱いすんじゃねーよ
まだまだ若いモンには負けはせんわい。」


「流石は銀時、大体今の若いモンには
ワビサビがないわい・・・わしらが若い頃は・・・」


「オイうぜーよこいつら、もう次ボケても
絶対無視しようぜ。」







こりゃダメだ、完璧なボケ老人
なってしまっとるな銀さんに桂さん





・・・・・あ、いかんいかん、だんだん老人の喋り方に・・・







「どうしたものか、全くの老人になってしまっている。」


「でもさんだけまともですよね?」


「ああ、自分でもあんまり自覚がないんだが・・・・・」


あれだろ?海外ドラマの老人の吹き替え見ても
喋り方とか普通なのと同じじゃない?」





長谷川さんの言う事にも一理ある・・・実際二人いるし











第六話 老いても気分は現役











「でも元に戻す方法はないんですかね?」


「乙姫様に頼んでみるのは・・・?」


「素直に聞いてくれるとは思えないけど・・・?」


「ご、ごめんなさい・・・・」


「あ、謝らなくてもいいのよ・・・・」


「別にこのままでもいいんじゃない?
元々こんなもんだったでしょ銀さんって?」


「いや、もうちょっとまともでしたよ姉上。」


「いやいやこんなもんだろ?
元々白髪だし、アニメ四年目もやってりゃこれ位なるよ。」


「おめーらただ動くのめんどくせーだけだろ!!」







唐突に牢屋の扉が開かれる・・・亀達が開けたのだ。





普段なら体当たりを仕掛け 武器を奪い抵抗するが・・・
この年老いた身体ではどうする事も出来ない。







「二人来てもらう。そこの女二人来い。







亀の視線は、お妙さんとに向けられている。







「待て!僕も」


「拷問なら俺だけに」






俺と九兵衛さんが庇おうとするが お妙さんが
手をだしてそれを止めた。





「みんなをお願い。」


、私は大丈夫だから・・・
これでも打たれ強いから・・・」







二人が牢屋から出て すぐに牢屋の鍵が閉められる。







・・・声が震えてたぞ・・・・


ホントは怖いくせに意地になりやがって!!





さん!!姉上ぇぇぇぇ!!」


「クソッ!!」





俺は鉄格子を思いっきり叩いた。





「どうすればいいんだ・・・・一体どうすれば・・・」


「・・・・乙姫を倒すぞ。







静かに、しかし強い呟きが九兵衛さんから漏れる







「お妙ちゃん達を救い出し、皆の身体を元に戻し
乙姫の野望を砕く!今老人だらけになったこの星で
それが出来るのは僕達しかいない!」


私も戦う!私もローズとあの人を助けたい!」







賛同するサニーに、俺は驚いてしまう







「サニー、お前をこれ以上危険な目に
合わせたくはないんだ。お前はここにいてくれ。」


「嫌だ!もう閉じこもるのは嫌なの!!
私は少しでもみんなの助けになりたいの!」








そう言った彼女の眼は オルガと戦っていた時の眼に似ていた。





やっぱり・・・・オルガの娘だな・・・・根性がある。







「・・・・分かった、じゃあこれを持っていけ。」





俺は懐から小さい拳銃と弾が入ったポーチをサニーに渡す。





さん!?まだ武器を隠し持ってたんですか!?」


「捕虜になったことを想定して色々隠し持ってるんだ。」


君!それなら今すぐこの鉄格子を」


「無理だ、爆弾があったとしてもみんなを危険にさらす。
それに俺はピッキングはやった事がない。」





っと、サニーに銃の説明をしなきゃいけないな・・・





「サニー、これはオタコンが最新技術で作った銃
EZGUN(イージーガン)だ。それを持っているだけで
敵に見つかりにくくなる。


消音麻酔弾を使っているから相手を殺す事もなく
銃声で敵に気づかれない。それにレーザーサイト
装備しているから照準が定めやすい。」







説明に新八君が唖然となる





「何ですかそれ・・・・無限バンダナといい
その銃といいチートばっかじゃないですか・・・」


細かいことは気にするな。サニー、弾の詰め方を教えよう。
弾はなくならないから安心してくれ。」





サニーにEZGUNの装填の仕方を教え終えた直後







「とっとと歩かんかい!!」





他の兵に連行される亀梨の姿を見た。





「亀梨・・・」


「うぉらぁぁ!!」







呼びかけに亀梨がこちらをちらっと見た後、看守を
こちらの牢屋に体当たりでぶつける。







「早くカギを!!」


「でかしたネ亀梨!!」





神楽が勢いよく鉄格子を蹴り飛ばし、檻を破壊した。







あ・・・よくよく考えてみれば神楽は夜兎族。


鉄格子くらい簡単にひねりつぶせたな・・・・・





「俺の意味はぁぁぁぁ!?」





悪い、全くなかったなうん。









騒ぎに気付いた亀の兵士達がなだれ込んでくる。





「何をしている貴様らぁぁ!!」


「撃てぇぇぇぇ!!」





兵士が一斉にライフルを斉射してきた。





G3A3にM4、それにG36・・・何で南米とアメリカ
ドイツの正式ライフルをこいつらが・・・・!?



ともかく俺達は亀梨の甲羅を盾にして銃撃を防ぐ。





「ぎゃああぁぁぁ!!」


どけジジイ!!
どうぜこの先短いんだから俺に人生を譲れぇぇぇ!!」


「お前もこの先人生ロクな事ないんじゃから
ワシに人生を譲れ。」







醜い言い合いの最中、桂さんは一人銃撃の中踊っていた。







「桂さんんんん!!
何やってんですかぁぁ!!危ねぇぇぇぇ!!」



「桂じゃない、松じゃ。」


「やっぱこいつジジイになってもなんもかわんねーよ!!」







床を蹴り、神楽と九兵衛が敵の銃弾を掻い潜って
前にいる兵隊達を全滅させる。







「こ・・・このぉ・・・・」


くっ!まずい神楽後ろ!!」


「危ない!」





俺の忠告と同時に







サニーがEZGUNで敵の頭を撃って眠らせた。







「や・・・・やった・・・・・」


よくやったサニー!やっぱりお前はオルガの娘だ!」


「すごいじゃないサニーちゃん!」


「いや〜、おじさんも感心しちゃうよ。」


「助かったネ!ありがとうサニー!」


「サニーとやら、感謝する。」


「あ・・・・えへへ・・・・」





少し照れているサニーの頭を、優しく撫でてやる。







「みんな、すぐにここを離れよう。亀梨、案内を頼む。」


「分かりました、皆さんこちらです。
さんの装備は僕が預かっています どうぞ。」







亀梨から装備を受け取り、俺はみんなに告げる。







「みんな、悪いが先に行ってくれ。
万が一にと思って持ってきた装備を整えたい。」


分かりました!なるべく早く来てくださいねさん!」


「分かってる!少しの間だけサニーを頼んだぞ!」







サニーは新八君達と先に行き、俺は一人装備を整え始める。







万が一賢者達の回し者が来ると想定して持ってきた装備が
こんな形で役に立つとはな・・・・





年老いた今の俺には これ以外勝てる方法がない。







急いで装備を整えて、達を助けなくては・・・!








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後書き(退助様サイド)


退助「さあ順調に話が進んでおります。」


新八「すごいじゃないですかサニーちゃんって!
初めて銃を持ったようには見えなかったよ!」


サニー「それは・・・・ジャックがくれた銃の性能が
良かっただけ・・・私はただあの人を助けたい一心で」


九兵衛「それがあの結果を生んだんだ。
誇りに思ってもいい。


退助「サニーの場合はオルガの血を引いてるだけあって
才能もあったんだよね。」


武市「しかし、このような可憐な女子が銃を持つのは
いかがなものかと・・・」


退助「また出たよロリコン!!」


武市「ロリコンじゃありません、フェミニ」


サニー「しつこい。」(EZGUNを武市に撃つ。)


武市「ニ・・・・ス・・・・ト・・・・」


退助「うわ、怒ったら恐ろしいのもオルガ似だ・・・」