今後の対策を練るべく 話し合いが始まった。





「なんてこった、全員竜宮城に行く船壊されて
この無人島に流れ着いちまったってのか。」


「竜宮じゃない、天竺だ。」


「おめぇは黙ってろ!」





銀さんは言いながら桂さんの横っ面を叩く。





「でもみんな無事だっただけ良かったじゃないの。」


「何が良かったんだよ、脱出する船も助けを求める
連絡手段もメシも家もねぇんだぞ。
・・・・・・これからどうするってんだ?」







落ち着きを取り戻した九兵衛さんが、淡々と口を開く





「これだけ頭数がそろっていれば無人島でも何とかなるさ。
それにさんもいることだし。


さしあたって考えねばいかんのは島からの脱出手段
そして脱出するまでの生活方法だ。」





もっともな提案に 桂さんが余計な事を言い始めた。





「いやその前にリーダーを俺に決めておいた方がいいだろ。」


「何で最初からお前に決まってんだよ、まずリーダーを
決める方法を考えるリーダーを考えよう。」


「じゃあまず、リーダーを決める方法
考えるリーダーを決めるリーダーを・・・」


オイめんどくせーよ!!
世の中リーダーだらけになるわ!!」


「もうめんどくせーから長谷川さんでいいだろ?
年長だし、無人島でくらいいきがらせてやろうや。」


嫌な言い方すんじゃねーよ!!それに君の方が
向いてるでしょ!願い下げだよそんなリーダー!」


「そうネ、マダオはせいぜい
カーテン開け閉め係くらいでいいアル。」


「何そのどーでもいい係!?
カーテンなんてどこにもねーだろうが!!」



「人生のカーテンを開け閉めする係アルヨ。」


「死ねってか!?死ねって言ってるよこの子!!」







全く・・・何処でもこんなかよこいつらは・・・・











第四話 サバイバルは経験者についてけば
何とかなる…かも?












引っ掻き回した張本人のクセに、まるで何事も
無かったかのように桂さんが話を続ける。





「早急に必要なのは食料と寝床、それにまず何を置いても
島を探索せねば始まらん。今日の所は食事班寝床班
探索班カーテン係の四つに分かれて」


「カーテン係いらねーよ!!」


ハイ!私食事班がいいです!腕によりをかけるわ」


「よし、班を増やせ!科学毒殺班だ!!」







発言した瞬間、銀さんはお妙さんにフルボッコされる





ったく・・・結果が分かってるくせに
言っちゃうもんなこの人は・・・・・・・







「とにかく食料の調達が最優先だ。
これがなかったら探索も出来ない、俺がひとっ走り」


「待てよ君、ここは俺に任せてくれよ。」







動こうとした俺を差し止め、長谷川さんは
長めの枝と適当な糸 そして餌代わりの枝を取ってくる。







「これで魚を釣ればいいんだ、簡単だろ?」


「いやそんなの使わなくてもいいんだよ長谷川さん
とにかく魚が取れればいいんだ。」


そんなんで釣ってたら日が暮れるアル!!
私の腹の虫は治まらないネ!!」


「そんな待たせないさ神楽、ちょっと行ってくる。」







俺は魚が集団で泳いでいる所を見つけると
そこに向けてグレネードを放り込んだ。




爆発と共に大量に魚が飛び上がり


程なくして気絶した魚が水面に浮かんできた。







「どんな取り方してんのぉぉぉぉ!?」





長谷川さんの叫びが俺の耳を打つ





駄目だよ君!そんな取り方したら!!」


「何でだ?俺はずっとこうして湖の魚とか取ってきたぞ?」


「ていうか物あるじゃん!余計な程持ってんじゃん!!
通信手段とかあるんじゃないの!?」


「いやそれがな・・・・
海水で無線機がいかれてしまってな・・・・・」







銀さんに「役立たない」とか言われてちょっと腹が立った





・・・俺だって無線機が生きてたらすぐに連絡しているさ









何はともあれ取れた魚をみんなで頬張り、そこそこ腹を
満たしてから 俺達は辺りを探索する事にし





俺と銀さん、桂さんと神楽で森の方へと進む事にした。







万が一に備え 俺はパトリオットを構えている







「おい、こんな時までんな物騒なもん
出さなくてもいいだろうが。」


「そんなのん気な・・・万が一猛獣が出たらどうするんだ?
これくらいしておかないと対処のしようがない。」


「大丈夫だよ、神楽なら一ひねりだよ。」





まあ確かにそうなんだが・・・







「あ〜、竜宮城でウハウハの夏休み過ごすはずが
何でこんな事やってんだろ俺達は。」


「たまにはこんなのもいいアル、キャンプみたいアル。」


「キャンプってお前、もしかしたら
二度とこっから帰れねーかもしんねーんだぞ?」


流石はリーダーだ、どんな窮地にも動じずむしろ
楽しむくらいの気概を持ち合わせているとは
それでこそ侍だ。」





誇らしげに言って頭を撫でる桂さんへ





「侍じゃねーヨ、さわんな。」





アゴにキツい鉄拳を加える神楽。







「銀時、貴様も少しはリーダーとを見習ったらどうだ?
貴様といったらいつもいつもくだらん愚痴ばかりたれおって
そんなに現状に不満があるなら攘夷志士にでもなりなもう!


「何で途中から勧誘に変わってんだよ
何でお母さん口調なんだよ!」


「あんまり騒ぐなよ
もしかしたら敵がいるかもしれないんだぞ?」


「んだよ、ここは正真正銘の無人島だろうが。
お前らんとこの敵がいるわけないだろ?」


「・・・だといいんだが・・・・・うん?」







木々の合間に何かが見え、俺は立ち止まった。







「どうした?」


「銀さん、桂さん・・・あれ。


ん?オイ、何だあれ?」







4人でそれに近寄ると そこにあったのは・・・







「巨大な箱か・・・。」





俺は慎重に箱を観察する。





「機械仕掛けだな・・・・何の箱なんだ?」


「どう見ても人工物だぜ、何でこんなもんが
無人島にありやがる?」







好奇心から、箱に触ろうとしていた神楽を止めるより早く





リーダー触るな!勇気と無謀は違うぞリーダー!!
侍ならば無闇に突っ込むのではなく敵の恐ろしさを
知った上で立ち向かう強さをもたねばいかん!!」





桂さんが言葉で止めさせつつ思い切り箱を叩い・・・って





「「思いっきりさわりましたけども!!!」」







時既に遅く、箱から勢いよく煙が噴出してくる


銀さんは咄嗟に神楽を突き飛ばした。





「逃げろ神楽!」


「銀ちゃん!!ヅラァ!」


「ヅラじゃない!桂だ!」


「二人ともすぐ煙から離れるぞ!
毒ガスかもしれ・・・・・うエッホエホ!」







咳き込みながらも俺達は すぐに煙から離れたが





やばい・・・気が遠くなってきた・・・・・







「なんなんだありゃ・・・大丈夫か?」


「大丈夫じゃない、桂だ。」


「何なんだこの煙・・・まともに吸っちまった・・・」





身体から力が抜けていくのを感じる。







何だこれは・・・まるで老人になったみたいに・・・・







「銀ちゃん!!ヅラァ!大丈・・・
誰アルかお前らぁぁぁぁぁぁぁ!!!





神楽の叫びに、俺は慌てて自分の手を見てみると


まるで老人のようにしわくちゃな手になっていた。







まさか・・・
さっきのガスは老化を早める効果があるのか!?







もがふがしてる二人の手を引きつつ、神楽へ言う。





「か・・・神楽、すぐにみんなの所に戻ろう・・・・」


!?大丈夫アルか!?」


「ああ、少し体が重いが・・・・
急ごう・・・敵が来る・・・・!








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後書き(退助様サイド)


退助「さあ、いよいよ変な箱で
老化するところまで行きました。」


銀時「ていうか遅すぎじゃね?
今頃芙蓉篇とか動乱篇次回で終わってるぞ?」


退助「いや、芙蓉篇は短いし・・・動乱篇は
真選組主観の場面が多いから絡めづらくて・・・」


神楽「いっその事、そこにいる2人
出してればもっと長く出来たアル。」


退助「おいそれまさか別の夢主じゃないだろうな!?
駄目だろ!このサイト内の作品ならともかく!!


長谷川「俺の釣りのシーンはなしかよ!!」


退助「だってグレネードで魚取り放題だし・・・
仕方ないじゃん。はサバイバル知識豊富なんだから」


桂「ところで俺達含め
老化させたのはいいが、この後の展開とか考えてるのか?」


退助「一応考えてます。それは後々あきらかになるんで。」