ウラシマの指示で俺とサニーは兵器棟に向かう。
自然と蛇眼も消え、進む内やっと広い空間に
出ると そこにあるはずのないものが見えた。
「な・・・・・何でこんな所にメタルギアRAYが!?」
しかし あの時見たRAYとはまた違う
リキッドが乗っていたのはツインアイタイプで
これはモノアイタイプだ。
モノアイ・・・・・何かに似てる気が・・・・・まあいいか。
「まさか・・・これがウラシマが言っていた切り札か?」
「これ・・・・・私を海底から助けてくれた・・・・」
「何だって!?」
サニーを助けたのが このRAY!?
だが、あの時点で竜宮の人間がサニーを助けるわけが・・・
・・・・・まさか・・・
脳内で思考を繰り広げる半ば、近くの端末の画面が付く
「サニー、なんて書いてある?」
「えーと・・・・この銃と銃弾を持っていってくれ
これは抗ウィルスワクチンの弾頭の激鉄の代わりになる銃弾だ。
一発しかないから慎重に使ってくれ・・・・って書いてある。」
「これは・・・・DSR−1・・・マグナム弾仕様の
スナイパーライフルが何でここに・・・」
これを使って この弾丸を撃ち出せという事か・・・?
いや立ち止まっているヒマは無い、急がなければ!
「サニー、すぐに銀さん達と合流するぞ!」
「待って!もしかしたらこのRAY・・・動かせるかも。」
「何だって!?どうやって動かすんだ!?」
サニーはチラリとRAYを見つめ、口を開く
「多分・・・RAYを動かしていたのは
ウラシマさんだと思うの。
あの装置からRAYの人工知能を掌握して
彼は、海を漂ってたんだと思う・・・」
そうか・・・・そこに偶然サニーがいたから
助けたという事なのか・・・・
「分かった、だが危険を感じたらすぐに逃げるんだ。
ここは敵の拠点だからな。」
「分かったわ、気をつけて行って来て。」
「ああ。」
サニーを兵器棟に残し、俺は銀さん達の元へ向かった。
第十一話 らせん階段は通常階段の三倍怖い
老いた兵士達を避けて大砲付近のフロアに付いた頃
らせん階段の上から声が聞こえてきた。
「だまれぇぇぇぇ!!
老いぼれは貴様じゃあぁぁぁぁ!!!」
「まだまだ若いモンなんかに負けるかぁぁぁ!!!」
って銀さんと桂さん、一体何があったんだ・・・!?
あんなに元気よく走って・・・
『天元寿老砲発射まであと4分!』
まずい、カウントダウンが始まっていたのか・・・!
先を行く彼らに追いつくため俺は全速力で走る
だが前には乙姫がいて進路を妨害・・・・してるようには
見えないが、何分体がでかいからな・・・・
すると誰かが上から乙姫の頭にしがみついた。
「みちゅこしゃんみちゅこしゃん。
わしの朝ごはんはまだかいの。」
あれ?この婆さんどこかで見たような・・・・・
あ!まさか神楽か!?
しがみつくだけで乙姫の動きを止めるとは
老化ガスを浴びたっていうのに、すごい力だ・・・
「おばあさん!朝ごはんならさっき食べたでしょ!!」
苦しみながら乙姫はごまかし
「ああ、そうかい・・・そりゃすまなかったの・・・・」
あっさり納得して神楽が身体を離して降りる。
瞬時に走り出す乙姫の服を、間髪要れず掴んで
神楽がその場に引き止めた。
「みちゅこしゃんみちゅこしゃん、わしの昼ごはんはまだかいの」
「さっき朝ごはん食べたばっかりでしょうがぁぁぁぁぁ!!」
「ああそうかい・・・朝食って昼まだってことは・・・・・・
タンドリーチキンブルゴーニュ風味パイ包み焼きはまだかいの。」
「「それ何ご飯!?」」
ツッコミを入れている間に足元からも声が聞こえてくる。
「みちゅこしゃんみちゅこしゃん。
わしの眼帯見かけなかったかの?」
「「左目ぇぇぇぇぇ!!!」」
これまさか九兵衛さんか!?
・・・やっぱり一族揃って3頭身サイズになるんだ・・・・
二人はみちゅこしゃんと連呼しながら
乙姫の腕を左右に引っ張り始めた。
「もぉぉぉぉうるせぇぇぇ!!みちゅこじゃねーし!!」
「もしもし八兵衛かい?お母さん疲れたわ・・・
みちゅこしゃんとはやっていけんわい。」
「息子に電話かけんなぁぁぁ!!」
「もしもし八兵衛かい?タンドリーチキンはまだかいの?
ええ・・・・はい、じゃ会社の帰りにお願いします。
「「人の息子にタンドリーチキン頼むなぁぁぁ!!」」
だから何で俺は こうも敵とツッコミのタイミングが
被るんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
あヤバ、本格的に老人口調に・・・
乙姫が動き出すよりも早く、二人と後ろの方から
現れた長谷川さんと亀梨らしき老人が取り押さえる。
「これより先へは一歩も通さんぞぉぉぉ!!」
「こっ・・・こやつら・・・・!」
「君!!早く行くんじゃぁぁ!!」
「分かった!!」
四人にその場を任せ、俺は階段を駆け上がり
銀さん達の所まで突っ走る。
『天元寿老砲発射まで後2分!』
もう2分切ったのか!?早くしないと!!
どうにか彼らの元に追いついた時、背後から
猛スピードで乙姫が走ってきた。
うわ迫力あるし怖っ・・・・
追いつかれる直前、新八君が弾頭を前に投げ飛ばし
そのまま乙姫に体当たりを繰り出した。
「うらぁぁぁぁ!!」
「新八ぃぃぃぃ!!」
「急ぐぞ銀さん!新八君の思いを無駄にするな!!」
「わかっとるわい!!」
三人で弾頭を抱え、どうにか階段を上りきり
『天元寿老砲発射まであと1分!
カウントダウンに入ります!!』
残り一分で やっと砲門にたどり着いた。
このスーツを着てるとはいえ階段はきつい・・・・・
俺はすぐに近くの機械を使い、クレーンを操作する。
「あれじゃ、あのミサイルの尻の穴にコイツをぶち込めば
老化ガスごとワクチンも世界中にばらまかれるわ。」
「二人とも離れててくれ、衝撃で吹き飛ばされるぞ。」
クレーンで弾頭を掴み、砲門の方へ操作を・・・
が何処から現れたか 乙姫がその弾頭に飛びついた
まずい!今あれを落とされたら発射する手段が・・・!!
「させぬ!!させぬぞ!!余の邪魔は誰にもさせぬ!!」
「「乙姫ぇぇぇぇ!!」」
『発射まであと30・・・・』
「「「おおおおおお!!」」」
二人が乙姫へ飛びつき、その拍子に
弾道もろとも落下してしまった
「大丈夫か二人とも!?」
慌てて駆け寄り、二人が身を起こした時点で
無情にもカウントは0となってしまっていた。
『天元寿老砲、発射!!』
「フハハハハハハ!勝ちだぁぁぁぁ!!余の勝ち・・・・」
乙姫の言葉がそこで途切られる。
落ちた弾頭から煙が立ち、ワクチンガスが漏れ・・・・
体がいつの間にか元通りになっていた
俺だけでなく 銀さんも、桂さんも。
二人は壁にかけてあったハンマーを手にして
俺はDSR−1を構え
三人で、乙姫の前に立つ。
「ヅラ、 狙うは大砲の肛門だぜ。」
「ヅラじゃない、桂だ。」
「肛門じゃなくて砲門だっつの・・・・」
そして大きく振りかぶったハンマーと、構えたライフルを
手に留めて俺達は叫んだ。
「乙姫ぇぇぇぇぇ!!」
「見知りおけい!!」
「こいつが本物の・・・・・」
「「「ゲートボールじゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
勢い良く打ち出された弾頭にうまく弾丸も命中し
そのまま砲身を吹き飛ばして 弾頭は発射された。
きっとこれでウィルスは駆逐されるだろう・・・
発射した衝撃か、周りが崩れてゆく。
しまった・・・サニーは無事なんだろうか・・・!
残されたサニーはRAYを起動するため ずっと
近くの端末をいじっていた。
が、弾頭発射の衝撃で 兵器棟の辺りも激しく揺れ
「きゃあぁぁぁ!!な、何なの・・・・
ジャック達がやってくれたのかしら・・・」
耐え切れず崩れ落ちた瓦礫が彼女の真上から降ってくる
「きゃあぁぁぁぁぁ!!」
頭を押さえ、屈み込むサニー
・・・・・・が、何時までたっても何事もなく
恐る恐る彼女が辺りを見ると
RAYが起動し 腕を伸ばしてサニーを助けていた。
「え・・・・!?RAYが私を・・・・!?」
戸惑う合間にRAYは頭を近づけ
コクピットハッチを開く
「私に乗れって言ってるの・・・・迷ってられない・・・!」
決意したサニーはRAYに乗り込み、そのまま
砲台の所へ向かった。
しかし、RAYが突然動いたのは何故なのか・・・・・
まだ誰にも分からない
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後書き(退助様サイド)
退助「いよいよ竜宮篇も終わりに近づいております。」
銀時「つーか最後の何だよ?都合よすぎね?」
退助「いや、元々RAYは無人仕様だからね・・・・
そういう感じで何とかできないかな〜、なんつって。」
新八「なんか曖昧なんですけど!?」
神楽「みちゅこしゃんみちゅこしゃん。
わしの晩御飯はまだかいの?」
退助「おれどう見ても男なんだけど!?
大体から昼まだ食ってないだろ!!」
神楽「ああそうかい・・・・じゃあタンドリーチキ」
新八「しつけーよ!!
どんだけタンドリーチキン食いたいんだよ!!」