結局、1回で牢屋はこじ開けられなかったが
兵に気付かれた様子もなく
は再び尋問室へ連れ出され・・・吊り上げられていた。
「話す気になったか?」
「・・・・いや。話すことはない。」
「そうはいかない。いくぞ・・・!」
ストレンジラブが電磁くすぐり棒を脇腹に押し当て
「アハハハハハハアハハハハハハハ!!
ギャハハハハハハハハハハハ!!」
しばらく笑わされた後にくすぐり棒を離され
「俺は・・・あんたに殺されても文句はない・・・
俺は・・・彼女を殺した・・・・」
「そうじゃない・・・!私が知りたいのはそうじゃない!」
咳き込む彼へ、間を空けず再びくすぐり棒が押し当てられ
「ギャハハハハハハハハ!アハハハハハハハハハハ!!」
無理やり引き起こされる"笑い"の刑が繰り返される。
変わらない事態に・・・尋問をする側のストレンジラブも
疲れを見せ、息を荒げ始めていた。
「・・・・さあ・・・殺せ・・・!殺してくれ!」
「・・・・やめろ・・・!」
「・・・・・殺せ。」
「やめろぉぉぉ・・・・!」
「殺せ・・・!殺せ!」
「黙れ!黙れぇ!!」
終わらせるつもりで電圧を上げ、三度目の
電磁くすぐり棒が脇へとあてがわれる。
「ギャハハハハハハハ!!アハハハハハハハハハ!!
ダハハハハハハハハハハハ!!!」
それでもはひたすら耐えた後に気絶し
前回と同じように、独房へと運ばれていく
「・・・・・お前は・・・・・・」
誰もいなくなった尋問室で 彼女はボソリと呟いた。
第16話 既存のネタであれ、笑いは大事
相変わらず基地の外はコクーンの撤去作業による騒音が
どっぷり暗くなるまで響き渡り
出入り口を見張る兵士は 大声で談笑していた。
「あーこれはたまらんな!」
「ああ!早く終わってくれないもんかな!
なんつーか振動が響くんだよなーケツに」
「ふーん・・・聞いた話だけどな!
月に肛門見せると痔が治るそうだぜ!」
「はぁ?!こんな時に何ふざけた事言ってんだよ!?」
「いやマジだって!それでマイケル治ったんだぜ!」
「あんまり俺をからかうなよ!もしかしたら
下で捕えている奴の仲間が来るかもしれないのに!」
ひとしきり話をまくし立て、兵の片方が言う。
「あ・・・ちょいヤベェわ、俺トイレ行ってくる!」
「え!?ちょ待てよおい!!」
どうやらギリギリまでキていたらしく、見張りの
兵士は慌ててトイレへと駆けて行く。
それを唖然と見送ってため息をつき
「全く・・・あいつも冗談が好きだな・・・」
と、言いつつも月が昇っているのを見て取って
真剣な顔でズボンを下ろすと
「お月様ぁぁぁぁ!!どうか、どうかっ
俺の切れ痔を治してくれたまえぇぇぇぇぇぇ!!」
月へ思い切り肛門を向けていた。
・・・が、振り返った兵士が見たものは
「・・・あれ?なんか月が近づいて・・・」
「またこのパターンかよぉぉぉぉ!!」
月に化けた銀時による蹴りの一撃だった
勿論、(ケツへ)一直線コースであるため
「ギャアァァァァァァァァ!!」
かんなりビッグな断末魔をあげて相手は気絶した。
・・・幸いにも、撤去作業の轟音がヒドイので
誰も気付いていないようだが。
「ったく、痔の悩みは世界共通か?
・・・うっし、ともかく今が乗り込むチャンスだぜ。」
「早く行きましょう!」
首尾よく地下基地の奥へと入る銀時達だが
流石に巡回している兵士の警備も厳しく、迂闊には
動けないと理解して一旦隠れてやり過ごす事に・・・
「銀ちゃんもっと詰めてよ!私肩出てるよ
肩ゴッソリ持ってかれる!」
「俺に至っては全部丸出しだぞ!全部持ってかれる!」
「ってか何でまたレンガの書き割り!?
ここニューヨークじゃないんですよ!」
「うっせーな新八、今回はマッチしてんだろうが!
同じアメリカなんだしゴチャゴチャぬかすな!!」
「コスタリカは違うってぇぇぇぇ!!」
やり過ごす事にした、ハズなのだが早速
前の時同様の手を使っているため前途は多難だ。
「アレ、ヅラとエリーは?」
万事屋トリオが視線を巡らせば・・・桂は
すぐ側で、カレーを手に持ち片足立ちしていた。
「って何やってんだヅラァァァァァ!?」
「ヅラじゃない・・・・インテリア用の松だ。」
「絶対無理だろその設定!ていうかこんな所に
インテリアとしても松はねぇから!!」
「いやソレより、エリザベスは一体何処に・・・」
潜みながら見渡した新八が、程なく相手を見つけて硬直する。
巡回の兵士に紛れて・・・眼帯をしたエリゴ13がいた
『なんか変なのいるぅぅぅぅぅ!?』
流石に異変に気付き、兵士は白い物体を取り囲む。
「おい止まれ!」
「怪しい奴め、こんなに怪しい奴を見たのは生まれて初めてだ!」
「怪しい奴を具現化させたような奴だ!」
「ちょっとぉぉぉぉ!何してんですかあの人(?)ぉぉぉぉ!?」
慌てず騒がず、当の本人は立て札を出す
『失礼、ちょっと入場料について伺いたいのですが・・・・』
「え?」
呆気に取られる兵士に向けて立て札が裏返され―
『テメェらが落ちる地獄へのな!!』
同時にエリゴ13の口から吐き出されたバズーカが発射され
近くにいた兵士達を吹き飛ばす。
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
「な、何だいきなり!?」
騒ぎに気付き、駆けつけてきた兵士が
レンガ造りの壁を眼にして立ち止まる。
「おい、ここの壁だけおかしいぞ!
コスタリカなのにニューヨークになってんぞ!」
「やべバレた!」
「当り前でしょ!
ていうか何してくれてんだエリザベスの奴は!」
次々やってくる兵士が、今度は桂の前で足を止める。
「おい見ろ!こいつのなりきってる・・・・・
ええと・・・・何の木だっけ?」
「あれだろ日本にある
「この〜木何の木気になる木」のアレじゃないか?」
「いやそれハワイの木だから、ええと何だっけな・・・?」
「何でそんなにのんびり会話してんですかアンタら!?
そいつ敵でしょ!さっさと撃っちゃいなよ!」
「そうか・・・では遠慮なく!」
と、銃口がついツッコミを入れた新八・・・
正確に言えば万事屋トリオの方へと一斉に向けられ
引き金を引いて撃ちこまれる。
とっさに飛び出したため、蜂の巣になったのは
書き割りだけで済んだが危機的状況に変わりは無い。
「新八ぃぃぃぃ!!テメェが余計な事口走っから
こんなことになってんだぞ!!」
「知りませんよ!そもそもの発端僕じゃねぇし!
ていうかどうするんですかコレェェェ!!」
「とにかく逃げるアル!」
ゴニンジャーは"隠密"の意味を完全にすっ飛ばしつつ
敵をやり過ごすべく ダッシュで基地内を駆ける。
その頃・・・ストレンジラブによる3度目の尋問が行われていた。
「さあ、真実を話してもらうぞ。」
「話すことは・・・・もう話した。」
「・・・・・そうか・・・・・!」
歯を食いしばり、彼女は何度目か分からないやり取りを繰り返す。
「ギャハハハハハハハハハ!!
アハハハハハハハハハハハハ!!」
電磁くすぐり棒を離したストレンジラブの目には
涙が溜まっていた。
「・・・・・頼む・・・もっと電圧を上げてくれ・・・」
息絶え絶えに懇願するへ、相手は言葉にならない
悲痛の叫びを上げて苛立ちを募らせる。
「俺を殺してくれ・・・・!」
「違う・・・!憎しみはもうない!!」
「俺を殺してくれ・・・!俺は彼女を殺した・・・!」
「もうやめて・・・!やめて!!」
身を裂くような叫び声が上がろうとも
彼は、断固として真実を話そうとはしなかった。
「俺は・・・愛する人を・・・・この手で・・・!!」
「やめて!そうじゃない!!違うでしょ!!」
乱暴に電磁くすぐり棒を当てられ
「グハハハハハハハハハ!
アハハハハハハハハハハハハ!!」
強制的な笑いと、痛みを同時に与えられてゆく。
長時間笑い続けて息も切れ切れとなり、既に体力は
限界に近くなっている・・・
「わかった・・・・話す・・・・真実を・・・」
「え・・・・・」
待ち望んでいた言葉に、ストレンジラブの顔から
緊張が解けるが
「彼女は・・・国を裏切った・・・」
その口から零れたのは・・・繰り返された望まぬ答え。
一気に 彼女の中に溜まっていた感情が爆発する
「違う!!彼女は・・・裏切り者じゃない!!!」
電圧を最大まで上げて乱暴に突き出された
くすぐり棒の責めがの神経を襲い
「グヒャハハハハハハハハハハハハ!!
ギャハハハハハハハハハハハ!!!」
限界を超えた尋問に、彼は気を失った。
「・・・・わからない・・・・」
涙を大量に流して 苦痛混じりに呟いたストレンジラブは
しばらく間を置いてから兵士を呼び
「・・・連れて行け・・・!」
感情的に命令を下した。
三度独房へ放り込んだ相手を見やり、兵士は嘲笑う。
「あの博士を泣かせるなんてな・・・お前も冷血な男だな」
「はあ・・・・はあ・・・・はあ・・・」
「笑い過ぎてまともに話せないか まあ当然だな。」
見張りが踵を返して立ち去ろうとした瞬間
は、ものっそい苦悶の表情で鉄格子にしがみつく。
「ト・・・・トイレに行かせてくれ・・・・!」
「は?トイレならそこにあるだろう。」
「こ、これじゃ駄目なんだよ!俺は
ウォシュレットがあるトイレじゃなきゃ駄目なんだよ!」
「どんだけワガママなんだよ!?」
「この基地に一つだけあるって聞いたぞ・・・!」
「まあ確かにあるが・・・」
その声に、ガシャガシャとやかましく鉄格子が鳴る。
「頼む!監視してでもいいからとにかくウォシュレットを使わせてくれ!
使わせてくれなかったら脱糞すっぞ!尋問中に
脱糞すっぞ!!すげぇクセェぞ!掃除大変だぞ!!」
「どんだけウォシュレット使いたいんだよお前は!?」
呆れかえってはいたが、いみじくも見張りを任された手前
そんな事で捕虜を独房から出せないと兵は思った。
「とにかくそんな理由で連れてはいけない。大体から
ウォシュレットがない時代もあったんだぞ?
贅沢言わずそこでさっさと済ませろ。」
「そんな事言わずにさぁ・・・・」
俯いたが、ニカッと不敵な笑いを浮かべ
閉じられていた独房の扉をあっさりと開ける
「連れてってくださいよぉ。」
「な!?扉があいt」
驚くいとまも有らばこそ
独房の壁めがけて勢いよく投げ飛ばされて
ビターンと小気味よい音を立てて叩きつけられた
兵士は目を回して気絶した。
彼の地道な糸ノコギリでの工作がついに実り
3回目の尋問が始まる前に、既に独房の扉の
繋ぎ部分の切断は終わっていたのだった。
「・・・ったく、こんな手で敵の注意を引こうと
考えるなんてますます銀さん達に染まってきているな」
そうぼやき苦笑するではあったが
今優先すべきはここからの脱出、と割り切ると
他へは眼もくれずに独房を後にした。
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後書き(退助様サイド)
退助「はーいやっとこ独房から脱出しました。」
(原作じゃ指が痛くなりました・・・あそこの連打はマジきつい・・・)
新八「さん・・・教えないためとはいえ
お母さんの事を悪く言うなんて・・・」
カズ「一番つらいのはジャックだ。
彼が一番、ビッグ・ママの事をわかっているからな」
銀時「それはいいとして・・・
これゴニンジャーの時のままパクリじゃねーか。」
退助「活躍したいって言ったの誰よ?」
銀時「そりゃ活躍したいとは言っていたさ。
だが何でよりによってゴニンジャーなんだよ!?」
退助「だってそれしか合うのなかったんだもん。」
新八「もっとあったでしょ色々と!」
神楽「そうネ!いい加減カレーを食わせるアル!」
カズ「お前だけ論点がずれてるぞ!?」