ラフィング・オクトパスと遭遇し、二手に分かれた
俺達は 建物の中に潜む強化兵の相手をしていた。





ちらりと桂さんと新八君の所に目を走らせる


相手もホントに刀だけで戦ってるようだ。





こいつらのリーダーが侍なのかは分からんが・・・


なんとしてもナオミをとっ捕まえて
真実を聞きださなければいけない。





神楽!俺が援護するから突っ込め!!」


「アイアイサー!!」





俺はM4に取り付けたグレネードランチャーを発射


煙幕が広がったその隙に、神楽が強化兵の
懐に入り傘で薙ぎ払った。







戦う内にある程度強化兵の攻撃が止んだので


ここで一度 別れた二人と合流した。






さん!そっちは大丈夫でしたか!」


「ああ、こっちはあらかた片付けた。そっちは?」


「心配無用だ。だが先ほどの女子は何処に・・・・」





辺りを見回す桂さんに答えるように、特有の
高らかな笑い声が聞こえてくる。


同時に 後ろから何かが落ちてきた。





うわ!?びっくりした・・・」


「この形、色・・・ペスアルか?」


「いつのネタだよ神楽・・・・・」


『ククククククク・・・ハハハハハハハハ・・・』


「お、笑ったアル!まだこのネタいけるネ!」


「いけないから!とっくに期限終わってるから!!
ナマモノは足が早いから!!」






大体、こいつは常時笑ってるんだけど・・・・・





『人が苦しむのも・・・人が傷つくのも・・・
ククククククク・・・・人が・・・・死ぬのも・・・・


クククハハハハハハ・・・・・みんな笑える・・・・
アハハハハハ・・・・』





グニャグニャと身を振るわせながらオクトパスは言う


一体何をすればこんなに笑っていられるんだ・・・・
普通の人間なら、とっくに自我を保ってないぞ。





『さあ!笑え!!笑ってみろ!!
アーッハハハハハハハハハ!!!』



「笑え笑えってうるさいネこのアマァァァ!!」





飛び蹴りをする神楽だが、オクトパスの触手に掴まれ
そのまま新八君の方へと投げ飛ばされる。





「わあぁぁぁぁ!!」


「大丈夫か二人とも!!」


『アーッハハハハハハ!!』





息もつかせずオクトパスが突然 黒い煙幕を張り


視界が晴れると奴はそこにいなくなっていた。





奴は何処に!


「恐らく近くに擬態して隠れているはずだ。
だがこれならすぐに見つかる。」





言いながら俺は左眼に装着している
『ソリッド・アイ』を暗視モードに切り替える。





「あのさん、今思ったんですけど
何ですかその眼帯みたいなの?」


「これはソリッド・アイ、オタコンがくれた
多機能の万能端末だ。」


「戦闘能力でも測れるアルか?」


「スカウターじゃねぇぞこれ!!」


「違うぞリーダー、きっと7つの玉を見つける為の」


「「いい加減そのネタから離れろぉぉぉ!!」」





っと呑気に雑談なんてしてる場合じゃない。


俺は感覚レーダーも使いオクトパスの位置を探した。







『クククククク・・・・』





潜んでいてもどうやら少し笑ってくれてるみたいだな


おかげで感覚レーダーにも反応している。







「あの部屋だ・・・・気をつけろよ。」


「あい分かった・・・」





4人で慎重にその部屋へ入り、オクトパスを
探したが何処にも見当たらない。





と、辺りを伺う新八君の頭上から


伸びた黒い触手が 首の方へと巻きついた。











ACT−6 蛸は見た目に関わらずうまいんだ
なので食ってる人ごと差別しないの!












「わぁぁぁぁ!!」


「新八君!!」


『ヒャーッハハハハハハハハ!!!』


「新八を離すネクソアマァァァァ!!!」





もがく新八君に絡む触手の元へ、即座に
神楽の蹴りが炸裂する。





『グワァ!!』





オクトパスは耐え切れず落下し、その拍子に
新八君に巻きついた触手がはがれた。







「あ、ありがとう神楽ちゃん・・・・」


『ヒャーッハハハハハハハ!!』





よろめきながらオクトパスがまた煙幕を張り
どこかへと消えてしまった。







「今度は何処に隠れたのだ・・・・」


「みんな、何処から来るか分からない。
慎重にな。」





指示した直後、何処かで聞いたような歌の
フレーズが耳へ飛び込んでくる。


あれはまさか・・・・・・







声のする方向へ向かった俺達の目の前には・・・
いるハズのないお通ちゃんの姿があった。





「あ!さん!よかったー。」


お通ちゃん!?何でここに!?」


「逃げ遅れてここに隠れてたの。
よかったー、新八さんにも会えて・・・」







安心したように駆け寄ってくるお通ちゃん。







「とにかく今すぐここから離れるんだお通ちゃん!
ここにラフィング・オクトパスが」


「お前、お通ちゃんじゃないだろ。」





言葉を遮り 新八君が怒りに震えた声で呟く





「新八何言ってるネ?あれどっからどう見ても
お通ちゃんアルよ?」


「そうですよ新八さん。やだなぁ〜もう
ほら、あなたのお通ですよ?」





笑いながらお通ちゃんが近づいたその時


新八君が木刀の一撃を 彼女の顔面に
お見舞いしていた。





何をしているんだ新八君!
お主が、女子を傷つけるなど!!」


「新八君・・・あれほどお通ちゃんが
好きだったのになんで・・・・」







ゆっくりと首を振り お通ちゃんを見据えた
新八君の目には、声同様怒りが灯っている。







「いつものお通ちゃんならどんな状況でも
必ずお通語を喋ってくる、けどこのお通ちゃん
さっきからそんな素振りを見せない!!」





なるほど、流石は親衛隊隊長。


となるとコレはオクトパスの擬態と考えた方が
筋が通る だがここまで変装能力が高いなんて・・・





シギントがグロズニィグラードの時に作った
瞬きが出来る変装マスクなんて比べ物にならないな。







「よくもこの俺の前でお通ちゃんを汚したな!
この寺門通親衛隊隊長、志村新八が許さん!!」






痛みを堪えていたお通ちゃんがにやけ





「・・・・クククククク、いけると
思ったのだがな・・・・・」





その顔が一瞬でなくなると、着物が触手に展開された







『ハハハハハハハ!!』







またも奴の攻撃が来る!と思いきや







「よくもお通ちゃんを語ったな!!」





新八君が怒涛の突きを放ち、あっという間に
オクトパスを弾き飛ばした。





『グワァ!?何ィ!?』


「い、意外に強いんだな新八君。」


「お通ちゃんになった向こうの落ち度だな。」


『ククククククククク・・・』





笑いながら煙幕で眼をくらませ、奴はどこかに潜む







次はどんな擬態でくるんだ・・・・・?







気をつけつつ内部を探索していると、現れたのは
見慣れたハゲ・・・・もとい星海坊主だった。





「パピー!?」


「神楽ちゃん、お父さんが来たからにはもう大丈夫だ。」


「擬態か・・・・それとも本物か・・・・」


「まだ分からん、慎重にいくんだリーダ
「余計なお世話だクソジジィィィィィィ!!」





桂さんの言葉半ばで神楽は間髪入れずに
星海坊主(?)を蹴り飛ばした。





「ぐわぁぁぁぁぁ!?何だと!?効いてない!?」





苦しみ悶えるその声が、オクトパスのものに変わる







「やっぱり擬態だったか!何故分かった神楽!?」


「私はあいさつ代わりにパピーをいつも蹴り飛ばすアル!
それを避けれないお前は、パピーじゃないネ!!」





って いつもそんな事してたんだ・・・・・







「・・・ハハハハハハハハ・・・・・とんだ小娘だ。」





また一瞬にして解かれる擬態。


デコイ・オクトパスでもああはいかなかったな
・・・・・中々恐ろしい擬態能力だ。





『ならば正攻法でいくしかないな!』







そう言いつつ奴はP90を取り出し、発砲してきた







まずい!隠れろ!!」







何とか全員退避し 銃撃の間を縫って俺は
M4を何発か当ててやる。





『グワァ!?』





蓄積されたダメージに倒れるも


オクトパスは倒れたそのままの状態で黒煙を吐き
紛れてまた逃げ出した。







っくそ!今度は何処に・・・・







『ジャック!来てくれ!』





暗視を使った矢先、通路の曲がり角にMk.Uが見えた





「オタコンか、オクトパスを見つけたのかもしれない」


「行きましょう!
あいつを八つ裂きにしないと気が済みません!!」


「少しは落ち着け新八君・・・・」







ここまでで擬態された順番、残るは桂さんか・・・・
一体どんな擬態でくる?







気を引き締め曲がり角からMk.Uを追った俺達は





・・・・・・とんだ茶番を見てしまった。







こっちだよ!こっちにオクトパスがいるよ!』


「・・・・・・さん。」


「何だい?」


「Mk.Uって・・・
あんなに大きかったんでしたっけ?」


「いや・・・せいぜい膝の部分くらいの大きさだ。」


「だが、あれはどう見ても俺達と
同じくらいの大きさだ・・・」


『どうしたの?早くきなよ!オクトパスは。』


「「「「オメェだぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」





俺達は手頃の物を拾って投げ飛ばし
Mk.Uもどきにぶつけまくった。





「グワァァァァ!?なぜだ!なぜ見破られた!?」


見破れるわぁぁぁ!!
んなデカイMk.Uなんてねぇんだよぉぉぉ!!」


「私達を馬鹿にするのも
大概にしとけよコノヤロー!!」


「テメェさっきから本当
いい加減にしろよコラァァァァ!!」







しかし、相手は聞く耳を始めから持っちゃいない







『ヒャハハハハハ!!!』





懲りずにまた煙幕を・・・・
どれだけ擬態すれば気が済むんだ・・・・







感覚レーダーを使いオクトパスの反応がある部屋に





・・・・・・そこに髪の長い誰かが倒れていた。







「距離があるから分かりづらいが…身体つきと
先程の声色から察するに男か?しかしあれは一体誰」


「待てここは俺に向かわせてくれ。





俺を手で差し止め、桂さんが足を踏み入れる







一瞬感じた桂さんの殺気は・・・
一体なんだったんだ?









「・・・・助けて・・・・」


「・・・・・貴様・・・・・・」







静かに呟く桂さんの声、そして刀を振るう音。







「グワァァァァァァ!!」







響いた断末魔に俺達が部屋へなだれ込むと


背中の触手が無残に切り刻まれたオクトパスが
床に転がっていた。






「よくも抜け抜けと 俺の前で師匠の姿をしてくれたな
・・・・・この桂小太郎が成敗してくれるわ!!





あの桂さんが、あそこまで・・・・・







理由は分からんが 何にしてもことごとく
擬態する相手を間違えたな。オクトパス







しつこく奴の煙幕が吹き出されるが





今度は逃げもせず、ひれ伏したままだった。







俺達は武器を構え警戒する。







ゆっくりと オクトパスが立ち上がる。





『私は・・・・蛸・・・・
足が・・・・8本もある蛸だ・・・・・





こいつが何をするかは分からない・・・・・


とにかく殻が破れる事を予測して
ドレビンからもらったあの銃弾を装填して構えた。





『触手は・・・・私の意志ではない・・・
戦場の意志だ・・・・』





呟きながら、また高らかに笑い出し





『アハハハハハハ!ハーハハハハハハハ・・・・
グボォォォォォォォ!!』






オクトパスの口から大量の黒い液体が吐き出された。





「リバースネタまで盗りやがったなコノヤロー!!」


「そういう場合じゃないだろうリーダー。」


『おかしい・・・・・・・・おかしいわ・・・・』







様子が変わり、そこで初めて
オクトパスの素顔があらわになった。





誰もが息を呑む 絶世の美人・・・・


ドレビンの言っていた事は本当だったんだな。







『いえ・・・おかしくなんかない・・・・・
何も・・・・・おかしくなんか・・・ない・・・』





彼女が俺に近寄って来ると、繋がっていた
ケーブルがぶつりと外れる。





「本当は・・・・笑えないの・・・・・
フフフフフ・・・・・笑えないの・・・・」





言うその言葉から男の方の声が消えた・・・・・





殻を脱いだ瞬間か・・・・







俺を手で掴もうとしたオクトパスを
反射的にどかした。


その瞬間、頭を抱え また様子がおかしくなる





「ああ・・・私・・・笑ってなんかいない・・・!
本当は・・・怖かったの・・・・!
怖くて・・・・怖くて・・・・!


さん・・・・様子がおかしいですよ・・・」


「彼女の人間の部分が出たんだ。
戦場のトラウマが蘇ったのかもしれん。」


「トラウマアルか?」







床に跪いて、オクトパスはまた俺へと近寄る。







「ごめんなさい・・・・・
笑って・・・・・・・ごめんなさい・・・・・」





断片的な言葉の合間にも 彼女は含み笑いを続けている





「もう・・・笑わない・・・・・笑えない・・・・・・
笑いたくなんか・・・ない・・・フフフフフ・・・・・」





静かに笑いながら、俺の方へ近寄ってくる。





「フフフフフ・・・ハハハハハハ・・・・・
ハハハハハハハハ!


「オクトパス・・・・今楽にしてやる。」







俺は特殊銃弾の入った拳銃をオクトパスに向けたが







新八君が突如身を乗り出し 盾になった。







やめてくださいさん!
この人も謝ってるじゃないですか!丸腰だし・・・
これ以上彼女を傷つけるのはやめてください!!」


新八君どくんだ!まだ油断できないんだぞ!!」


「新八どくアル!!」


「ありがとう・・・・・ボウヤ・・・・・・」





桂さんと神楽が説得する間に
オクトパスが新八君に抱きついてきた。





ホントに・・・・・


このまま終わってもいいのだろうか・・・・・







しかし、やはり事態は急変した。







新八君の顔がどんどん青ざめていく。





「う・・・・なんだ・・・・力が・・・
力が、抜けてく・・・・」


「ありがとう・・・・やさしいボウヤ・・・・
フフフフフ・・・・」



「オクトパス!新八君から離れろ!!」





俺はオクトパスの手を解き、床に叩き伏せた。





「うう!」


「大丈夫か新八君!?」


「桂さん・・・・・・僕は大丈夫です・・・・」


「一体何が起こったアルか!?」







そこまでは俺にも分からない、が・・・BBは
殻を脱いでも人を殺せるだけの力があるらしい





これ以上・・・彼女に人殺しはさせられない・・・


今すぐ・・・・お前の魂を浄化してやる。






想いを込めて、俺はもらった銃弾を
オクトパスに浴びせた







「あああああ!!」







衝撃でなのか一瞬仰け反って





「・・・・フフフフフフ・・・・ハハハハハハハ
・・・・ハハハハハハハ!!



・・・・あ・・・・・ああ・・・!!」





高笑いが響いた後、オクトパスは床に倒れ
自然にその場で蹲る。







警戒しつつ俺は脈を計る・・・・・・





かすかに脈はあるが・・・・間違いなく後数分で
彼女は、息絶えるだろう・・・・・・







さん・・・・
この人・・・どうなってるんです・・・・?」







訪ねる新八君へ、俺は重い口を開いた







「彼女達は殻を脱いだ状態だと
数分しか生きられないらしい。


ある人物からもらった特殊弾で魂を浄化させた。
これでしか・・・彼女達を救えない・・・・


「では、彼女は戦争の犠牲者っだったと
いうことなのか・・・?。」


「ああ・・・・・・・・・うん?」





俺は足元に置いてあるものを手に取った。


これは・・・オクトパスが使っていたものか・・・・・


オクトカムに似ているが・・・・





サイズもちょうどいいし・・・・・使わせてもらうか。







まるで狙い済ましたようなタイミングで
無線が入ってくる・・・・ドレビンからだ。





ようボス!調子よさそうだな。』


「ドレビン・・・何の用だ?」


『つれないねぇ・・・せっかくフェイスカムについて
教えてやろうかと思ってたのにな・・・』


「フェイスカム?」


『さっきあんたがオクトパスの殻から拾った
偽装用スカルキャップだよ。オクトカムと
組み合わせればカムフラ効果は増大するはずだ。』





ほぅなるほど・・・うまく使えば変装も可能か。


っとそんな事は置いといて







「俺にナノマシンを注入した本当の目的はノゾキか?」


顧客情報管理と言ってくれよ。
もちろん外部には漏らさないし』


「ならそのナノマシンに
ウィルスを混ぜ込んだのは何の為だ?」


『ウィルス?』


「俺の身体にあるウィルスが見つかった。
お前が注入したナノマシンじゃないのか?」


『なあ・・・心当たりなんていくらでもあるだろ?
俺には、あんたに危害を加えるメリットは何もないんだ』





白々しい こいつ以外に誰がいるんだ・・・・・


病院には行ってないし、あれっきり注射なんて
打った事がないんだぞ。







ドレビンは気にせず話題を変えた。





『見てたぜボス、大したもんだ。
まさかこの世にラフィング・オクトパスを
やっつけちまう奴らがいるなんてな。』


「あんま私らなめんなよオヤジ!!」


「ちょっと神楽ちゃん!!失礼でしょ!!」


『ハハハ・・・・悪い悪い、所で
彼女はいつも笑っていた・・・何でだと思う?』


「やはり・・・過去に原因が?







聞くと 一拍の間を置いて声の調子が変わる。







『ああ、ちょうどいい。
周りにいる奴らも聞いておいてくれ。


これは決して他人事では
無くなるかもしれない事なんでな。』





一体ドレビンは何を話そうとしているのか・・・・・





そこで俺達は 驚愕の真実を知ることになる








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後書き(退助様サイド)


退助「さあ早速ラフィング・オクトパスを
撃退しました!!」


新八「あの流れからして次くらいで笑いが
止められなくなった原因が分かるわけですよね?」


退助「そうそう・・・もう耳を塞ぎたくなる話だからね
その類の話が嫌いな人はすっとばした方がお勧めです」


神楽「ていうかあの蛸女ってアホアルか?
パピーや変な機械に変装したりバレバレアル。」


退助「それは獣になってる状態で知能が低くなった・・・・
という感じだと思います。うん。」




実際プレイして「アホかぁぁぁぁぁ!!」って
ツッコミ入れてしまうほど間抜けです。


ぜひ動画などでご確認を♪