戦いが終わり、達がハワイに
駐在していた頃 アメリカ・ラングレーでは・・・・
地下室をやや早足で歩くCIA長官の姿を見る事が出来た
彼はSPを二人侍らせ、がっしりとした
ケースを大事そうに運んでいる。
ふと何かの気配を感じ 庇うように前へ出るSP。
「これは驚きましたね、ラングレーに
このような地下施設があったとは・・・・
こういう時でもなければ潜り込む事は不可能ですね。
お迎えに上がりましたCIA長官。」
「誰だ貴様は!」
足音を殺して現れたのは、
ガンアクションをしている・・・・オセロット。
「アダム・・・・と言えばお分かりになられますか?」
「アダム?賢者達の三重スパイ・・・!
そうか、お前がオセロットか。」
「いかにも。」
言葉と共にガンアクションが止まる。
「ソリダスの作戦が成功されれば
こちらにも襲撃が来ます。」
「分かっている、万が一に備えすぐに
シェルターに移動する。だが、この資料を
持ち出さないわけにはいかない。」
オセロットはCIA長官が持っているケースを見た。
「それは・・・・賢者達の資料ですね?」
一拍間を置いて 長官は一つ頷く
「そう・・・半年かけてお前にかき集めさせた
もう半分の遺産のデータだ。
これがあれば例え合衆国が核の炎で
焼き尽くされようと何度でも賢者達は蘇る!」
「素晴らしい・・・・・その言葉が聞きたかった。」
ニッと口元で笑ってから
オセロットはSAAでSP二人を撃ち殺した。
ACT−26 幸せと不幸はブラブラ振り子してる
「貴様・・・何の真似だ!
賢者達を裏切るのか・・・!」
「裏切るのではない・・・・終わらせるのだ。
そしてお前達に奪われたものを取り戻す。
真の愛国者の意志を引き継ぐために・・・」
「真の・・・愛国者・・・・?」
「ビッグ・ママが殺されて・・・
悲しんでいるのが奴だけだと思うな・・・・」
「まさか貴様・・・ビッグ・ママの・・・・・!」
「おっと、つい口を滑らせてしまったか・・・・
全ては・・・彼女の望んだ世界を実現するため・・・」
オセロットはSAAの銃口を向けると
「お前達に預けた遺産の半分を・・・・返してもらう。」
引き金を引き、CIA長官を暗殺した・・・・・
倒れた屍に眼もくれず 彼は残されたケースを手に取る
「これさえあれば・・・・・
賢者達に代わる組織が出来る・・・・」
そんな一件があった事など知る良しも無く
・・・戦いから6日経ったとある基地の病院に
は 意識不明で集中治療室に入っていた。
しばらく面会謝絶で病室は締め切られ
扉の前では万事屋トリオ、真撰組、桂が
の意識が戻る事を待ち望んでいた。
そして・・・・・・
一同は、扉を開けて出てきた
パラメディックに詰め寄った。
「は!は大丈夫なのか!?」
「先生!!
君の意識は戻ったんですか!!?」
「静かに!!
心配しなくてもジャックは生きています!」
深刻そうな空気は、その一言でひとまず
安堵を含んだものへと変わる
『は〜、良かった〜。』
「でも楽観視は出来ないわ 全身打撲に過労
発作による内臓異常・・・・他にもあるけど
よくこれで生きていられるのか不思議なくらいよ。」
「確かに・・・んな重傷じゃ普通はくたばるな。」
「やはり君は俺達とは違うな・・・・・・」
「侍にも負けぬ何かを持っている・・・・
兵士の輩ではだけだろうな。」
そこに、固まっていたみんなを見つけた
テリコが走り寄ってくる。
「あ!みんなこんな所にいた!
ねぇ早く来てよ!!」
「どうしたアルかテリコ?」
「結婚式始まるのよ!メリルさんとアキバ君の!」
「え!?あの二人結婚するんですか!?」
「そういやなんかいちゃこいてたなアイツら。」
「あーあの二人、と並みにウザかったアルな。
白無垢で仲良くドブにハマればいいネ」
「神楽ちゃんそんなこと言わないの!
どんだけ捩くれたヒロインなの君は!!」
ワキャワキャと騒ぎ出す面々に、ため息一つつくと
「もうここはいいから行ってあげて
病院で騒がれたらいい迷惑だわ。」
パラメディックは出入り口の方面を指差した。
やや前後して・・・ある基地のノーマッド機内では
メリルがウェディングドレスに着替えていた。
「きれいよ・・・メリルさん。」
「なんか照れるな・・・こんなもの
着れるなんて夢にも思わなかったもの。」
「羨ましいなあ・・・・・あ。」
何かに気が付き、少し離れたメイ・リンと
ほぼ同じタイミングでメリルも気付く。
後ろにいる・・・キャンベル大佐に
「おめでとう・・・・」
彼の口から零れたのは、軍人ではなく
父親としての優しい一言
しかしメリルは鏡を睨み 黙りこんだまま。
瞳に悲しみを宿らせ、キャンベルは
立ち去ろうと踵を返す。
「大佐。」
かけられた声に振り返ると
彼の眼にはデザートイーグルを自分へ向けている
メリルの姿が映った。
黙したままでゆっくりと近づき、キャンベルは
迷わず銃身を手にして自分の顎に付けた
しばらくの沈黙を置いてから
・・・・・・メリルは銃をしまった。
「・・・・・私と一緒に
ヴァージンロードを歩いてくれる?」
「私を・・・許してくれるのか・・・・?」
「許したわけじゃない。あなたを憎んだ私を
・・・あなたに預けておく。」
「・・・そうだな・・・時間は一杯ある・・・・」
メイ・リンから渡されたブーケを
キャンベルはメリルへと手渡す。
「きれいだよ・・・・・」
それを見て・・・メイ・リンは横で泣いてしまった。
「ちょっと、何でメイ・リンが泣くのよ?」
「だって・・・・あれほど父親を
憎んでたメリルさんが・・・・」
グスッと鼻をすする彼女にメリルは少し
呆れたようにため息をついた。
「もう・・・・でも・・そうかもしれないわ。
ずっと大佐は仕事仕事で・・・
私のことなんて構ってくれなかった。
軍人になったのも・・・大佐を
見返したかったって理由だったけど・・・
ホントは少しでも近くにいたかっただけみたい・・・」
側に立ったキャンベルの腕に、彼女の腕が添えられる
「メリル・・・これからいくらでも時間はある。」
「ええ・・・・・」
二人は光の差し込むヴァージンロードを
ゆっくりと・・・・ゆっくりと歩き出した。
先に降りたメイ・リンと同じように
ロードの両脇で多くの人々が二人を出迎える
その先で待つジョニーは、白いスーツを着て
緊張した面持ちで花嫁を待っていた。
「メリル・・・・・」
そんないいぐらいのタイミングで銀時達が到着する
「あれ?さんもいるんですか?」
「ええ・・・パラメディックさんがね
、しばらく目は覚めないだろうから
折角だし結婚式に出席してなさいって。」
「そうか?でもやっぱりちゃんは
君の側にいてあげた方が・・・」
ニコリと微笑み、は首を横に振る。
「いえ、はどんなになっても
必ず帰ってきてくれたので・・・大丈夫です。」
そして・・・メリルとジョニーの結婚式が始まった。
神父を勤めるのは・・・・同じ隊の仲間であるエド
「今日、この二人は結ばれます。私達は
この記念すべき場に立ち会うことが出来ました。」
案外ハマり役な彼の言葉を受ける二人を
全員が静かに見守っている。
「・・・ここに生あることを心より感謝し
二人の永遠の愛を共に祈りましょう。」
彼らが礼をした、その瞬間
黒い神父はニカッと顔をほころばせた。
「では、この新しいチームに
ファーストミッションを遂行してもらいましょう。」
「「え?」」
戸惑う両者を銀さん達が率先してはやしたてる。
「何言ってんだよ、分かってるくせに。」
「ささ、早くすませてしまえ。」
「どーせだしブチュッてイケよ〜」
「いや〜俺もいつかはお妙さんと同じ事をしてみt」
近藤の言葉半ばで
「死んでも嫌です。」
妙が腹に重めのボディーブローをかけていた。
「グホォ・・・・!」
「ったくこのストーカーゴリラは・・・・・」
「何してるのよアキバ君。」
「ほら、メリルも積極的にいかないとダメよ?」
「あ、ああ・・・・・」
「分かってるわよ・・・・」
観念した二人が目を瞑り、口を近づけ・・・・
邪魔するようにけたたましいクラクションが
辺りに鳴り響いた
やけに荒っぽい運転で ヴァージンロードの
脇に割って入ってきたのはドレビンの装甲車。
「おわあぶな!?」
「間に合ってよかった!」
「ドレビン!」
「お届け物だ!」
言うと同時に黒い装甲車が白く変色し
ハッチが開いて そこから大量の白い花を覗かせ
ドレビンが指を鳴らすと、花びらが宙に舞った。
「ドレビンズ社からのフラワーシャワーと」
再び指を鳴らすと今度は白い鳩の群れが飛ぶ。
「俺からのサービスだ!」
『おおおおお!』
「へぇ〜アンタも中々粋な奴だな。」
「粋か、白夜叉に言われると照れるな!
ハハハハハ!」
一連の嬉しいドサクサに紛れて
「メリル。」
ジョニーはメリルと向き直り
誓いの口づけを交わした。
「おめでとう!お二人さん!」
「いつまでも幸せにな!」
「おめでとうネ!」
「おめでとうございます!」
「おめっとさん。」
みんなは拍手して二人を祝い 新しい新郎新婦は
最高に幸せそうな笑顔を見せた。
「じゃあ・・・この後する事は分かってるわね?」
「ってエヴァさん!?何処から来たんですか!?」
新八のツッコミにエヴァはやや憮然とした顔をする
「何よボウフラみたいに・・・・
病院よ 今抜け出してきた所。」
「無茶するわね、てことは・・・・・」
「そう、西洋の結婚式お決まりの・・・・・」
「ブーケトス!
これを受け取らないわけにはいかないわ!」
ここに来てエヴァ、テリコ、ヴィナス、メイ・リンが
闘志を剥き出しにし始める。
「あら、私達も負けはしませんよ?」
「僕も・・・妙ちゃんの為に・・・・」
釣られて妙と九兵衛も闘志を剥き出しに
「あの・・・・・つーか何でこんなに
白熱してるんですか・・・?」
「知らないの新八君?西洋ではね、ブーケを
取った人が次に結婚出来るって言い伝えがあるの」
「いやそうじゃなくて・・・・・
何でエヴァさんまであんなに?」
「さぁな、嫁の貰い手がねぇんじゃないの?」
「さ、行くわよ。」
メリルが力一杯ブーケを上に投げた直後
『ブーケは私のものだぁぁぁぁぁぁ!!!』
女性陣全員が飛び上がり ブーケに手を伸ばした
誰の手に渡ってもおかしくない程の
かなり殺伐としまくった雰囲気が漂う・・・
「ウキャ!」
が、何とドレビンの猿がジャンプして
横合いからブーケを持っていってしまった。
『ああああああ!!!』
女性陣全員に衝撃、走る…っ!
「こら待てクソ猿ぅぅぅぅ!!
あたしのブーケを返せぇぇぇぇぇ!!」
「逃がすもんですか!!あれは私のブーケよ!!」
即座に妙とエヴァが猿を全速力で追いかけ
殺気に気付いた猿はスタコラ逃げ出した。
「ちょ姉上・・・・しかもエヴァさんまで
あんなに必死に・・・・・」
「お互いちょっと危機感があんだろ?
ないよりマシだよぱっつぁん。」
「ああもう〜、まさか猿に取られるなんて
夢にも思わなかったわ・・・・」
唖然とする新八達の側で、メイ・リンは
ガックリ肩を落とし悔しげにぼやいた。
笑い話のようなやり取りが行われている最中
病院では、意識を取り戻したが
パラメディックと話をつけた所だった。
「ジャック・・・ホントに行くの?」
「ああ・・・・もう時間がない・・・・・・
解析結果では・・・・」
「新型FOXDIEは全身に同化・・・・変異型は
摩耗が進んで・・・後1日しかもたなくなっているわ・・・」
「誤差を考えると・・・・もう1日もないな。」
「ええ・・・・・・・」
少しでも励まそうと 出来る限り笑って見せた。
「パラメディック、ありがとう。
最初は変な奴らばかりだと思っていたが・・・
みんなに会えてよかった。」
そのまま答えずに病室から出てゆくと
俺はパラメディックの泣く声を後ろに
足早に病院を抜け出した。
・・・・・・皮肉にも、その数十分後
入れ替わるようにが病室に入って来た。
「ごめんなさいパラメディックさん。
やっぱり心配で・・・・どうしたんですか?」
「ごめんなさい・・・ローズさん
ジャックは・・・・・」
涙声になりながらもパラメディックは
つい先程まであった事を彼女に話した。
「そんな!何で止めなかったんですか!」
「止めたわよ!
でも・・・時間がないって・・・・・・!」
重い沈黙の後
は、走って病院を出た。
墓地に向かっている途中で・・・・目の前に
見覚えのある奴がいた。
「ジャック!」
「オセロット・・・何の用だ?」
「FOXDIEのことは聞いた、貴様・・・
死ぬつもりだな?」
「ああ・・・・それがどうした?」
「死ぬ前に・・・決着をつけさせてもらう!」
ったく・・・・まあいい。
どうせならはっきり決着をつけておいた方が
未練がなくなる。
どっちに転ぼうと関係ない。
早く・・・FOXDIEからみんなを・・・・・・
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後書き(退助様サイド)
退助「メリルの結婚式&の覚悟の所まで
行けました。」
新八「つーか姉上にエヴァさん必死過ぎ・・・」
銀時「あれでもちったぁ危機感があんだろ?
行かず後家が迫ってちょっと焦ってんだよアレ。」
妙「別に私はまだ
婚期に入ったばっかりだからいいんです。」
エヴァ「私は下手したら負け組になるの!
それだけは何としても阻止しないと・・・」
退助「いや〜エヴァならほっといても
貰い手は来ると思うんだけど・・・・」
新八「でも新事実がまた発覚しましたね
オセロットさんの正体とか。」
退助「そうそう、オセロットこそ賢者達のスパイであり
ビッグ・ママとソローの間に産まれた子供だったわけです。」
神楽「へ?じゃあ、あん時実のマミーに
会ったのにパチスロ分かんなかったアルか?」
退助「多分オセロットは分かってたんだろうけど
ビッグ・ママは顔すら会ってないから
分からなかったんでしょうね・・・・・」
次回、オセロットと最後の決着
そして・・・・・・・