銀さん達の手助けを経て、俺は再度
G.W目指して歩き続ける。
息を乱しつつも階段を降りた先の扉をMk.Vが開けると
熱風が勢いよく飛び出してきた。
誇張無く肌が、身体が焼かれている感覚・・・
マイクロ波のエリアに到達したか・・・・
だがこの先にG.Wがある。
俺は気圧される身体を無理やり動かし、中に入った。
『ジャック!このエリアにはマイクロ波が
放射されている!早くそこを抜けるんだ!!』
そうは言うが・・・こっちは歩く所か立つのもやっとだ・・・
一歩一歩が重い・・・だがこうしている間にも
レールガンが・・・・みんなが傷ついてしまっている。
早くここから抜け出さなくては・・・・・
がマイクロ波放射エリアに入ったちょうどその頃
ミズーリでは激戦が繰り広げられていた。
襲いかかる敵の勢力に対し攘夷志士、真撰組隊士
そして米軍兵士が入り混じって戦っている。
「まさかお前の背中を護る事になるなんてな・・・桂!」
「近藤!今はのため、共に戦おうぞ!!」
「言われなくてもそうするさ!
君の帰る場所は俺達で護るんだ!!」
「土方さん、これが終わった後で
桂と高杉の野郎どもはしょっぴくんで?」
「んな暇がありゃな、今はこいつら叩くのが最優先だ!」
「へい!!」
ACT−23 劇場版は憎いアイツも心強い味方
ミズーリの各部分でも戦闘が起こり テリコ、ヴィナスは
鬼兵隊のいるエリアの近くで戦っていた。
「数が多い・・・・!」
「弱気にならないでテリコ!
ここで負けたらジャックの帰る場所がなくなるのよ!!」
発破をかけて気力を奮い立たせるヴィナスだが
不意をつかれた一瞬、後ろから斬りつけられる
「ヴィナス!!」
敵兵がトドメといわんばかりに彼女へと刀を振り上げ―
「ぐぁぁぁぁ!?」
が、刹那閃いた刃によって兵士は後ろから
斬りつけられて倒れ伏す
「ったく世話の焼ける嬢ちゃん共だ。」
抜き身の刀を携え 不敵な笑みを浮かべるのは
「高杉・・・・!」
「ったく銃を使える女だったら
晋助様の足手まといになるんじゃないッスよ!!」
近づいてくる敵兵を連射で蹴散らしつつ
彼女等を叱咤するまた子。
「ヴィナス!とりあえず安全な所に・・・・・」
テリコが彼女の肩を支えて移動する合間に
高杉を筆頭とした鬼兵隊の面々が、彼女らに
変わって敵と向き合った
「・・・何してやがる。テメぇに奴の陰謀壊すの
譲ってやったんだ さっさとぶっ壊してこい。」
別のエリアでは既に月光が侵入してきているものの
三本の刀を駆使して斬りつける女性隊士と
相方の夜兎の娘が、敵兵を水際で食い止めている
「やばいよ・・・・あの兵器、江戸にいた時も
そうだったけど全然攻撃が効かないっ・・・!」
「弱気になるな!ケンカは度胸!!
足を狙って転ばせりゃ何とかなる!!」
兵達があらかた倒れるが、走りよった月光が
二人を踏み潰そうと足を上げる
避ける間もないその攻撃に彼女らの動きが硬直し
次の瞬間 機械の頭部に閃光が数度瞬き
そこだけが粉微塵に爆砕して
バランスを失った巨体が仰向けに倒れた。
頭の無い月光を踏みしめ現れたたのは
槍を手にした作務衣姿の 緑眼の少女。
「助太刀に参ったぞ!」
「助かった!」
息をついたのも束の間、何かが海から飛び出して
重い足音を鳴らして船に着地する。
ミズーリに着地してきたのは・・・メタルギアRAY
「こりゃまたデカイのが・・・っ!」
「な、何なのあれ!?」
「あれが・・・殿が言っていたメタルギア・・・RAY・・・・!」
新たに現れた強大な機械にたじろぐ三者を待たず
雄たけびを上げたRAYが攻撃を仕掛けようとして
直後にRAYの頭が爆発し
連続して起こった爆撃に圧され、メタルギアは
そのまま海へと落ちていった。
「ったく報酬がいいと聞いて来てみれば
何だいこりゃ・・・"悪鬼姫"ナメてんのかぃ?」
「・・・・お主か!」
「久しぶりだね。ったく銀は何処かにいっちまうし
無責任な奴等が多いねぇ・・・まあいいさ。
報酬はって奴からがっぽりもらうとするかね。」
竜胆の着流しをまとった黒髪の女は手で円を作り
ニヤリと笑った。
「ぐぁぁ!!」
マイクロ波で熱せられていたせいかオクトカムスーツが
ショートして爆発し、衝撃で倒れてしまった。
『ジャック!立ってくれ!!』
必死な声でオタコンは言うが・・・・もう、立つことも出来ない。
俺は四つん這いで 無理やりにでも進む・・・・・
船の上の戦闘は激しさを増すばかりだが
「そりゃぁぁぁぁぁ!!」
「ホァチャァァァァァァ!!」
叫び声を上げて神楽と星海坊主が、傘と体術を
駆使して月光の群れを次々と撃墜していく。
海からまたぞろRAYが飛び上がり、船へと移るその前に
・・・・頭部が潰れて落下し 無残に沈んでいく。
「今のは!?」
「ホント・・・まだまだ地球には
面白いものがたくさんあるんだねぇ・・・・」
ニッと笑った顔のまま、阿伏兎を引きつれ
神威が二人の前へと現れる。
「お前・・・何でいるアルか!?」
「今だけは固い事言いっこナシだヨ
にしても、久しぶりに家族が揃ったね〜」
「神威・・・どうしてここに来た?」
「・・・ちょっと向こうのボスに用があってね。」
やや険悪な雰囲気を見つめつつ、ため息混じりに呟く阿伏兎
「また一人で無茶するもんだから俺もついてきたってわけ
・・・・まあ夜兎が4人もいりゃこの戦、勝てるだろ。」
「射てぇぇぇぇぇぇ!!」
合図で百華がクナイを投げ強化兵を牽制し
その隙を突いて月詠と全蔵、猿飛が敵陣に突っ込み
兵達を斬り捨てていく。
「おいお前、月詠って言ったな?」
「何じゃ?」
「あなたのそのクナイの使い方・・・・
何処かで見覚えがあるんだけど?」
問いかけに対し、僅か間が開いて月詠は答える
「気のせいじゃろう。まだ敵は来るぞ、用心せぇ。」
「「言われなくとも!」」
そしてブリッジでは・・・・
「くそ!こいつらどれだけいるんですか・・・!」
「新八君!弱気になっちゃダメだ!!」
新八と山崎がブリッジに接近する仔月光を弾き飛ばす合間
メイ・リンは海から這い上がるRAYへ照準を向けていた
「メタルギアRAY主砲前に着地!!」
「チャンスを逃すな!!てぇぇぇぇぇ!!!」
主砲が放たれRAYは三度 海原に呑まれる。
どうにかマイクロ波エリアを抜け続けるは・・・・
所々スーツがショートした衝撃で身体が
ボロボロになりながらも、床を這いずって進んでいた。
もう・・・・身体を動かす事もままならない。
それでも俺はG.Wへと進む。
向こうにぼんやりと、出口らしき扉が見えてきた。
『あれだ!あともう少しだ!!』
あの向こうに・・・G.Wが・・・・
早くしなければ・・・・・
だが今度はソリッド・アイが爆発して倒れこんでしまった。
既に叫び声も上げる力もない・・・・・
『ジャック・・・!立って・・・・!!』
俺はもう気力で動いていた・・・・・
後少しだけ・・・・頼む・・・
それまで生かしてくれ・・・・・・
扉の前で持ちこたえていたメリルとジョニーは
被弾して倒れこんでしまった。
しかしそれでも攻撃の手は緩めない。
銀時、スネーク、フォックスの三人も次々と
出てくる敵兵を木刀と素手で蹴倒しては行くが
一向に勢力の衰える様子は見えない。
「ったく!こいつらどんだけいんだよ・・・・!」
「ぼやくな!!後少しのはずだ!持ちこたえろ!!」
『ジャック・・・・死ぬなよ・・・』
ミズーリ艦内ではとサニーがの帰りを待っていた。
「ねぇローズ、ジャックは帰ってくるの?」
「大丈夫よサニーちゃん
は絶対帰ってくるわ・・・必ず・・・・」
微笑みかけてから、彼女は祈る面持ちで天を仰ぐ。
同じように・・・・アメリカ国防省の一室
キャンベル大佐、ゼロ少佐が作戦成功を祈っていた。
「そういえばCIA長官は何処にいったのだ?」
「いえ、それが・・・姿が何処にも見当たらないのです」
「全くこんな時に・・・まあいい、今は
作戦が成功してくれるのを祈るしかない・・・」
彼らの憂いは、刻一刻と増すばかり。
「世界がソリダスの手に落ちてしまえば確かに
天人はこの星から出ていく。
しかし、それでは真の平和は訪れる事はない。」
「そうだ・・・・ジャック・・・私はお前が生きてさえいればいい・・・・・
どうか無茶はしないでくれよ・・・・」
何度・・・・諦めかけた事だろう
・・・・何度、ここで意識を手放せたらと頭を過ぎった事だろう
死ぬような思いで這いずりやっと・・・・・・・・
マイクロ波エリアから出る事が出来た。
Mk.Vが丸い扉を開け 中へと入り込んだ瞬間
俺は嘔吐し倒れこんだ。
短い間、気絶していたのだが発作のせいで
叩き起こされたので すぐに注射で発作を抑えた。
『これが・・・・・G.W・・・・』
部屋の中には墓石のようなサーバが均等に並べてあり
立体映像で華が咲いていた。
あれは・・・・オオアマナ?
『まるで墓地じゃないか・・・・・』
「出来るか・・・・オタコン・・・・」
『任せて。』
Mk.Vが先にサーバの方へ行き、俺も追いかけるように進んだ。
周りの立体映像は 通る度に消えた。
Mk.VがG.Wに接続しウィルスを注入した直後
周りのサーバが赤く点灯し始める。
やっとの思いで機械の傍まで寄れた直後
何かが転がる音が耳に届いた。
まさかと感じて視線を移せば・・・・・そこに2体の仔月光が現れた。
即座に蹴っ飛ばしてM4を撃ち込み破壊したが
何処からか次々と仔月光がやってくる。
まだこんなに・・・オタコン!早くしてくれ!!
一方・・・・銀時達と戦っていた強化兵の一群は
痺れを切らし マチェットと刀を取り出し始める。
「くそっ!
あいつら仕留めれねェと分かった矢先これかよ!!」
まず兵隊達の矛先が、全てフォックスへと向けられ
彼は全身を刺され倒れこむ。
『ぐわぁぁぁぁ!!』
「フォックス!!」
駆けつけようとしたスネークと銀時の前にも強化兵が立ち塞がる。
「どきやがれテメェら!!」
「待て迂闊に動くな!!」
忠告を無視し木刀を振り回す銀時だが
後ろに回った強化兵が、その背中を斬りつける。
「ぐ!?テメェ・・・・!!」
「くそ・・・!ジャック・・・まだなのか・・・!」
被弾したメリルとジョニーは徐々に体力を削られ
彼女は座り込んで攻撃せざるを得なくなっていた。
二人でデザートイーグルを持って最後の一発を放つが
撃たれた強化兵は倒れても・・・・まだ
ぞろぞろと強化兵が出てくる・・・・・
今度こそ打つ手の無くなった二人は手を合わせ
が作戦を成功させてくれるのを祈った。
仔月光を撃ち続けるが数で押され
一体が俺の足を掴み、レーザーを撃った。
「ぐぁぁ!」
それを皮切りに次々と身体に仔月光が張り付き
攻撃を仕掛けてくる。
苦しい・・・・身体が・・・もう・・・・・・!
「オタコォォォォォォォォォォン!!!」
我知らず絶叫が喉から競り上がった まさに直後
『・・・・やった!!』
オタコンがそう叫んだのが聞こえて・・・・・・
その瞬間 戦場にいた強化兵は全員悶え苦しみ
無人兵器は一斉に機能を停止した。
「どうなってんだこりゃ・・・・」
「君だ・・・・・きっと君だよ!!」
「そうだ!がやってくれたのだ・・・!」
「あ〜あ、借り返すつもりがまた作っちまったぃ。」
兵が悶え始めた瞬間、鬼兵隊も攻撃の手を止める
「晋助様!これは・・・・!」
「やっと壊してくれたか・・・・・・・。」
船の至る所で兵器はその場に転がり
兵達は悶え伏して次々と倒れてゆく・・・・・・
しかしブリッジの目の前にまだ動くRAYの姿があった。
目の前で雄たけびを上げるRAYに
メイ・リンは攻撃が来ると思い目を瞑ったが・・・・・
そこでRAYの機能は停止し、今度こそ巨体は海へと沈んでいった。
「ジャック・・・・・・・」
外だけではなく戦艦の中でも、状況は同じで
メリル達の所にいた強化兵も悶え苦しんでいた。
「止まった・・・・・・」
「やったわ!!」
二人は互いに抱き合い 勝利の余韻に浸る。
「一体こりゃなんなんだよ?こいつら突然・・・
生理でも来たんですかコノヤロー」
いきなり唸り始めて倒れだす強化兵達に
戸惑いながらも銀時はこう言った。
「んなワケあるか・・・・G.Wが破壊されて
システム管理下から外れたんだ。」
『やはり・・・お前は最高の兵士だ・・・・・』
フォックスが扉の向こうへと眼をやり、微笑んだ。
・・・・・・・・ふと目を覚ますと
俺は大量の仔月光にまみれていた。
気絶、していたのか?
すぐに仔月光を全て払いのけながら状況を確認した。
どうやら無事G.Wを破壊出来たみたいだな・・・・・
これで争いも止まったハズ・・・と
息をつく間もなく、事態が急変した。
『おかしい・・・!ワームの侵食が止まらない!!
範囲が広すぎる!!クローンの除去?違う・・・・!』
オタコンは何かに感づき、手を止めた。
『まさか・・・・・・・ナオミ!?』
「オタコン・・・・・どうした・・・・・」
一体何があったんだ・・・・?
『J.Dが・・・・・・・・消えていく。』
それを聞いた瞬間、周りのサーバが止まり
辺りに何かが映し出された。
映っていたのは・・・・・・・ナオミだった。
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後書き(退助様サイド)
退助「さあついにG.Wが破壊されて世界は救われ」
銀時「まだだろ、まだあのオッサン残ってんだろーが」
退助「まあ結果的に救われたってことでいいじゃんよ。
銀魂キャラも夢主達も全員集合!で出たんだし」
新八「いいのかな・・・というより何でナオミさんが
映像に映ってるんですか?」
退助「まあそれは次回のお楽しみってことで。」
次回、ナオミの真実が明らかに・・・・!
銀時「今さらこんなん出されてもねぇ・・・・」
退助「ひどくないっすか?」