が先へ進んでいた同時刻





メリルは一人、扉の前にて強化兵を足止めする。







通路の仕切りで敵の攻撃を防ぎつつ
デザートイーグルの威力にて一発で相手を仕留めるも





「これでラスト・・・・・!」





弾丸の数と反比例し、兵隊達の数は減る所か
増援によって増し 多勢に無勢となる。







「ジャック・・・まだ?そろそろやばい・・・・!」





苦しげにもらしつつ残弾数を確認するが


・・・・メリルの持ち弾はもう、ロングバレルの中に
入っていた一発のみ





くそ!!私は誰も護れないの・・・・!」


壁を叩いてぼやく間にも強化兵がじりじりと
間合いを狭め 接近してくる・・・・・・





「・・・・もう・・・・・」





おしまい・・・と呟こうとしてメリルは口を噤む


ここを突破されたら が一網打尽にされる





自分を信じてくれた彼の為にも
それだけは・・・・阻止しなければ!








転がりながらも近づく強化兵に一発をお見舞いする





しかし倒れた兵の後ろにいた兵隊がP90を撃ち


更に転がりつつ弾丸を避けるも、メリルと
敵との距離は縮まり・・・もう眼と鼻の先







武器の無いこの絶望的な状況の中







『ぐぉぁぁぁぁ!!』





唐突に強化兵の後ろから銃声が聞こえ


同時に 何人かの兵が倒れた。





銃声のした方向へ視線を向けてみると・・・・・・





「メリル!!」


そこに立っていたのは、M82を持ったジョニーだった











ACT−22 憎めない奴は災いを福に転じさせ易い











ジョニー!無事だったのね!」





小さく頷き、敵の合間を縫って扉へ辿り着くと


ジョニーはメリルを背にしデザートイーグル用の
マガジンを複数渡した。





「これを!」


「遅刻のお詫びのつもり?」


「メリル・・・・もう一人にはさせない!







また追加の強化兵が出てくるのが見えて


メリルは嬉しそうな顔から、表情を険しく一変させる。





「カバー!」


声を合図にジョニーはM82を撃つ





「クリア!」


メリルがその隙に反対側に回り攻撃を仕掛ける。





「レディ!」


ジョニーはM82を捨て、XM8を
取り出して攻撃を仕掛ける。





お互いの考えを理解しあったかのような
流れるようなそのコンビネーションは


今まででは考えられないほどのシンクロを見せた。







「私達、ナノマシンがなくてもいけるわね!!」





メリルは攻撃を仕掛けながら
ふと疑問に思っていた事をジョニーに問いかける。





「ねえ、あなたは何故操られなかったの?」


「マンティスは多分、相手のナノマシンを
利用して行動を操っていたんだ!
体内にナノマシンがなければ操る事が出来ない!」


え?じゃあ あなただって
操られるはずじゃ・・・・・?」





彼は少し眉をしかめ、そして叫んだ





「俺の身体・・・ナノマシンが入ってないんだ!!


「ええ!!?」





彼女が驚くのも無理はない







ラットパトロールはSOPシステムのための実験部隊


ゆえに体内にナノマシンがなくては実験不可能





しかし、ナノマシンは定期的に注入しなければ
出血や排泄によって自然消滅してしまうので


隊員には定期注射が施されるハズだが・・・・・?







「服務規程の定期注射をずっと避けてた!」


「まさかこうなることが分かっていたの!?」





そこでジョニーは、情けない声でこう言った。





「いや・・・・・注射が苦手なんだ!!」


「それでチームワークを乱していたの!?」


「みんなのデータはウェアラブル・コンピュータで
掴んでたけど、どうしても遅れが生じてしまって!」


「それで江戸でもあなただけ無事だった?」


「ああ!」


「呆れた!!」





軍に所属する人間にあるまじき行動のお陰で


システムの影響を受けず、自分が助けられたので





複雑には思いつつもメリルはそれ以上
文句を言う気力を無くしてしまった。







「ジョニー!弾が足りない!」


大丈夫!ドレビンからもらった!」





ジョニーは転がるようにメリルの側に移動し
マガジンを床に置くと


そのまま拳銃を取り出し、敵を牽制する。





「ジョニー、そうとも知らず私
随分とひどいこと言ったわ。」


「いいんだ・・・」


「いつもお腹の具合が悪かったのは
ナノマシン制御がなかったから?」


「いや・・・・それは・・・・」







"遺伝"とは口が裂けても言えなかった。







「だけど注射嫌いのあなたが何故私の部隊に?」


「君の側にいたかった・・・君を護りたかった!


「ジョニー・・・・?」





立ち上がり、彼は真剣な面持ちでメリルを見つめる。







「メリル・・・・ずっと好きだった・・・・
モセスの独房で初めて君を見た時から・・・」







少し顔を赤くし戸惑う彼女にジョニーは続ける。





「メリル、結婚しよう!」


「こ、こんな時によく言えるわね!」


「ならどう言えばいい?」


いいえ!そういうのは嫌なの!!」


「結婚しない主義なの?」





押し問答の最中にも強化兵はどんどん接近するが
ジョニーはメリルを庇うように倒した。







敵を蹴散らしつつも言い合いは続く





「じゃ婚姻届は出さない!」


「ダメ!」





メリルが前に出て攻撃するもジョニーは
態度を変えない。





なら一緒に暮らそう!どうだい?」


「ダメ!」





メリルがデザートイーグルの
マガジン挿入部分をジョニーに向けた。


間髪いれずにジョニーはマガジンを挿入する。





「メリル・・・・」





同じ行動をする彼女に、彼もまた
タイミングよくマガジンを挿入した。







言っている事はアレだが2人の行動は


まさに一心同体だった。





「俺じゃダメかい?」


「いいえ、私流にしたいの!







言うや否やメリルは彼を壁の仕切りに押し付けて迫る





「ジョニー・・・・私と結婚して。」


「えええ!?」


「もう一度言うわよ?私と・・・結婚しなさい。







どうやら彼女は 先導されるのは嫌いだったようだ。







「こちらこそお願いします!」





プロポーズにジョニーがそう返事した直後


スタン・グレネードが投げ込まれた。





が上手く回避し2人は前に出て背中をくっつけ
回るように銃を撃ち 敵を蹴散らしていく。







お互い足を撃たれ、向き合うように倒れて





「ねえ・・・・浮気は許さないわよ?」


「もちろんさ!」





敵が寄って来ても余裕を崩す事無く言葉を交わし


互いの銃を交差させ兵隊を倒す。





「それと・・・結婚式はちゃんと挙げてよ?
子供の頃からの夢なの。」


「はい・・・・・」







ゆっくりと身を起こした2人は





「そのためにもジョニー・・・必ず私を連れて帰って!





視線と、そしてキスを交わした。















薄暗い通路を一人進む





シャドーモセスで見かけた兵器と遭遇していた。







「あれは?」


『君がモセスで回収した仔月光と言う無人兵器だ!
手で銃を持つ事も出来る!』





数もそれなりにいる・・・簡単に通れそうには・・・・


だが今は、こんな雑魚に構っている暇はない!!





俺はパトリオットで弾幕を張り、仔月光を
撃破して突き進む。







「どけぇぇぇぇぇぇ!!」







向かう先に仔月光が壁となって通路を妨害していた。





『あれじゃパトリオットでも突破できない!』


「ならこれを使う!」





俺はレイヴンが装備していたMGL140を取り出し
仔月光の壁を爆破した。







残骸を無視して扉を潜ると、そこには何もいなかった。





いよいよG.Wが近いらしい・・・・・







そう確信し歩く内 広い空間に出た。







ここにも誰もいない・・・・逆に怪しいが・・・・







「グ!?グァァァァア!!





また発作が・・・っ、こんな時に・・・・・!







やはり罠だったのか強化兵が飛び出してきたので
すぐに注射を打ち込むが・・・一向に発作が治まらない


腕の力が抜け、そのままライフルを落とし
俺は床へと倒れこんだ。





「オタコン・・・・!
注射・・・・注射が効かない・・・・!!


『ジャック!立て!立つんだ!!』





Mk.Vが励ましていたが、全然発作が治まらない。







ある一人の合図で、強化兵が何処からか次々と現れ
手に手にマチェットや刀を取り出して


じりじりとこちらに接近してきた。





立とうにも、身体が言う事をきかない。


クソっここで終わりか・・・







諦めかけていたその時





後ろの扉が、開く音が聞こえた







振り返ってみるもそこには・・・何もいない。







次の瞬間 強化兵二人が何者かに切りつけられた





「ぐわぁぁぁぁ!!」


「な!?何が!?





悲鳴が収まらぬ内に俺の目の前で電撃が走る







姿を現し、佇んでいたのは・・・・フォックス!?





『ジャック、お前のステルス装置を借りたぞ。』





フォックスが前に出ると合わせて同時に
強化兵は後ろに下がっていく。







肩で息をしつつ 何とか立ち上がり前へ進もうとして


フォックスが壁に高周波ブレードを刺し
俺の行く手を塞いだ。





『ジャック、ここは俺に行かせろ。
サーバルームへは俺が行く。』


「この先はマイクロ波が放射されているんだぞ・・・!」


『俺の身体は機械だ、俺なら問題ない。』


「お前の身体が機械でも・・・心は人間だ!


『ジャック・・・・』


「そうだ、そっから先はに行かせろぃ。」





再び後ろの扉が開いて・・・


今度は銀さんとスネークが、肩を並べて立っていた。





「二人とも・・・・!どうしてここに!?」


「お前が無茶するんじゃないかと
心配になって来た次第だジャック。」



「というわけでサイボーグさんよぉ、オメェは
早く帰れよ。本調子じゃねんだろ?」





やっぱり無茶して来たっていうのか・・・
まあ人の事は言えないが







『・・・分かった。ジャック、これを持っていけ。』





渡されたのは 鞘に納まった高周波ブレード。


・・・そう言えば、以前あのサイロで渡された方は
金属疲労で修理に出したままだったっけな





『ソリダスは日本以外では珍しい剣術の達人と聞いた。
電磁兵器を持っている以上、対抗できるのはそれしかない。』







やはり接近戦でないとソリダスは倒せないか・・・・・







「だがお前はどうするんだ・・・!」


「心配ねぇよ、俺達がついてる。」


「ジャック、お前は早くG.Wへ!」



「分かった。」







3人は俺を庇いながら、次の扉の前へ誘導した。







「オタコン・・・内側からロックしろ!」


『ああ!』





Mk.Vが先に入り、俺も続けて入ってから


・・・・・ふと後ろを振り返った。







『ジャック・・・・・・ありがとう。







背中越しにフォックスの呟きが聞こえて


直後、扉が閉められた。













を先に進めた後も、次々と強化兵が増え
近接武器を持って3人へ詰め寄る。







「オィオィ俺ぁいいけどアンタらどうすんの?
こんな狭いんじゃドンパチ出来ねぇぜ?」


「心配ない、CQCがある。」


『俺もだ・・・・』





両者の台詞を聞いた強化兵が、近接武器をしまう。





そうだ・・・・・それでいい。
戦いの基本は格闘だ・・・・』


「ったくこんなに男女集めて乱交パーチーでも
開こうってのか?んな顔も見えんマスク被りやがって
人に見せられない顔でもしてんのか?」


「またこんな時にこの天パは・・・・・」







眉をしかめるスネークだが







一瞬だけ見えた銀時の眼の光に、やや息を呑んだ







「テメェらが自由だのなんだの目指すなぁ
全然構わねぇがよぉ・・・それで関係のねぇ奴ら
巻き込むのはいただけねぇな。


兵器持ってりゃ江戸でヤンチャ出来ると思ってんなら
大間違いだってことを教えてやらぁ!!






3人が戦闘態勢に入り 床を蹴って駆けた。







果たして彼らは無事G.Wを破壊できるのか・・・・・・








――――――――――――――――――――――――
後書き(退助様サイド)


退助「えー まるで映画のような展開が続いています。
次回は銀魂キャラも絡みますのでご容赦を・・・」


銀時「おい何やってんですかテメェら、戦場で
んな事したら普通は死ぬよ?死亡フラグだよ」


メリル「一体何の話よ・・・・?」


ジョニー「俺は絶対メリルを連れて帰る!」


神楽「好きにしろよバカッポー2号が。」


新八「ダメだって神楽ちゃんそんな事言ったら!!」


妙「ていうかそっちの方だけやたらメインキャラの
カップル出てくるのはおかしくありませんか?」


退助「いや・・・確かにそうだけどそれは仕方ないんじゃ
・・・それは流石に空知さんに言ってくださいな」


銀時「あ、でも人気投票には
参加出来ない分いいかもしれねぇな。」


退助「夢キャラにそんなもん求められないからね・・・
気になるものがあるけど・・・」