フィアーを倒し、は順調に密林地帯を進んでいく。





途中 何人か兵士の姿を見つけ、
発見される前に草むらなどに伏せて様子を見る。







「スペツナズの山猫部隊か・・・・
オセロットの部下か・・・・」







しかし、そんな事はお構いナシに
麻酔銃で眠らせ 先に進んだ。









「山猫部隊も思ったより少なかったな・・・・・
ホントにどうなってるんだ?」







足音を極力殺しつつ森を歩いていると・・・







「どうか・・・・・・最後の獲物を仕留めるまでの
・・・・余命をください・・・・」





か細い声が 耳に届いた。







「わしは・・・・・・もう一生分は眠った
・・・・・あの世の分も・・・・・」







声質からして、年寄りのものだろうが
細い割にはハッキリと聞こえている。


しかし・・・一生分眠った?どういうことだ?





自問自答する間にも、声は語り続ける。







「礼をいわせてもらう・・・・・よく・・・・・・
わしを起こしてくれた・・・・・・


貴様が現れなかったら・・・本当に・・・・・


永遠の眠りについていたところだ!!







最後の言葉と共に 森全域に緊張感が走る。





・・・今まで受けたことのないプレッシャーだ!







「ママの弟子よ!!聞こえるか!わしはジ・エンド!!」





先程とは打って変わった力強さが
張り上げた声に満ち満ちている。





姿は見えないが・・・この爺さんもコブラ部隊か。







「貴様に本当の終焉を見せてやろう!!
最後にはもってこいの獲物だ!!」








相手の姿が見えない以上、まずは出来る限り
情報が欲しい・・・それも今すぐに!





俺は即座に無線を開いた。











第七話 年寄りの思い出はループする











「こちらジャック、聞こえるか?」


『久しぶりね、ジャック。』





明るい中にも凛と筋の通った声が 無線越しに
鼓膜を振るわせる。





メイ・リンか?どうして無線に?」


『今作戦のあなたの健康をサポートすることになったの。』


「相変わらずだな、その辺もシャドーモセスと変わらない。
所で今まで何処に?」


『パラメディックさんとパラメディック部隊の考案してたの。』







パラメディックは隊員の中で医師の資格を持つ





・・・つまり、彼女達の考案している部隊は
平たく言えば医療部隊という事になる。







「そうか・・・となるといよいよ実戦投入まで行ったのか?」


『いいえ、まだ実戦配備できるまでは行かないけど
・・・それも夢じゃなくなるわよ。』


「なるほど 実現すれば、多くの兵士が助かるな。」


そうよ、期待しててね。』







彼女の声は弾んでいる


戦場での迅速な治療はそのまま兵達の
生存率の上昇に繋がるから、当然と言えば当然か







・・・いや、今はそんな話をしてる場合じゃなかった





「そうだ、今 ジ・エンドがいたんだが・・・・」


『ジ・エンドは狙撃技術の父とも言われてるわ。


普段は眠ってるけど起きた時は50代位の
運動能力があるらしいの。』


50代?ジ・エンドは今いくつなんだ?」





返ってきたのは、信じられないような答えだった。





『もう100歳は超えてるわね。』


何だって!?よく生きてられたな!」


『彼は記録によると余命を戦闘だけに使うために
普段は死んでいるんですって。』


「普段死んでいる?」


『分かりやすく言うと、仮死状態の一種ね。
それで体力を温存してるわけ。』





なるほど、コールドスリープと原理は変わらないわけか。







「ということは・・・・寝れない状態に出来れば
衰弱死を狙えるかもな、スタミナは少ないわけだし。」





俺のその提案は、しかしあっさり否定される。







『彼は光合成でスタミナを回復するわ。
長期戦に持ち込むのは無理ね。』


光合成!?化け物か!?」





そんな人間に、どうやって戦えと言うんだ・・・







俺の落胆を見越してか メイ・リンが
無線越しに励ますように言う。





『でも、ママから授かったCQCがあるでしょう?
接近戦に持ち込めば有利になるかもしれないわ。頑張って。』


「了解した。」









CQCか・・・・・・・・





江戸暮らしでほとんど使う機会がなかったが
・・・・やってみるか。











まずはジ・エンドの姿を探し 森を駆ける。







しかし、カムフラージュ率が高いせいか
なかなか見つからない。







「くそっ・・・どこにいるんだ・・・」


「眠るがいい!」





唐突な声と共に、銃声が聞こえた。


俺はとっさに伏せて回避する。







丸見えだぞ!ママの元で何をしていたのだ!!」







声のする方を見れば、少し先の高台にいた
ジ・エンドが 別の場所へと移動した所だった。





くそ!そんなとこに・・・・・」







俺は相手から狙撃しにくいであろう
ポイントに身を潜め 考えを巡らせる。









狙撃の長けた敵に長距離戦は不利だ、


しかし接近戦に持ち込むには どうしても
相手の移動ルート等を掴む為、長い戦いを強いられる。





長期戦になればこちらのスタミナが持たない・・・・







八方塞がりか、どうすれば・・・・・











すぐ側の木陰に 何かの気配を感じた。







「何だ?」


「オハヨウ、オハヨウ」







なんだオウムか。


しかし、どこかで見たことがあるような・・・・・・







思い出した、ジ・エンドのオウムじゃないか!
何でこんな所に!?





いや・・・・・・・・・・・これだ!!







俺はオウムを捕獲し、わざと逃がしてやる。







「オジイチャン、オジイチャン」


「ほら、親の元へ行きな。」







必死に羽ばたくオウムに気取られぬよう、
出来るだけ気配を殺しながら 後をつける。









俺の勘が当たっていればジ・エンドの元へ行くはずだ。





そこから巡回ルートを予測し、接近戦に持ち込む!









思ったとおり、オウムは主の元へ戻ってきた。







「オジイチャン、オジイチャン」


おとなしくしてないか!見つかったら・・・・」


「もう見つかってるぜ。」


「何じゃと!?」





一気に距離を詰めると 俺はジ・エンドの肩を掴み
思いっきり後ろへ叩き付けた。





「ぐわぁ!!!」


「いくらあんたでも全身を叩きつけられたら終わりだ!」


「おのれ・・・・・」





身を起こしかけるジ・エンドが手にしている
銃を撃ち抜く。





動くな・・・俺は老人に手加減するほど
お人よしではないからな。」


「く・・・やはり・・・あの者の血が・・・・・」







血?何のことだ?







「とにかく、うつ伏せになって武器を捨てろ。」


「武器は断る!」





言い切る老人の周りに、2,3発弾丸を叩き込む。





忘れたか?手加減しないと。」


「これならくれてやる・・・・・・」







ジ・エンドはコンテナを出し、そこから服のようなものを
俺の方へ投げて寄越した。







「これは?」


「わしの着ている迷彩の着替えだ。」





瞬間 俺はその服を地面に叩きつける。





いらんわぁぁぁ!!!
何でジジイの着てる迷彩を着なきゃならんのだ!!」


この迷彩の素晴らしさが分からんとは嘆かわしい
森の中での迷彩効果は絶大、光合成も可能
オマケに今ならイチキュッパじゃ 捨てずに着ろ」


「何でだよ!すると何か!?俺に植物になれってか!?
つーか何気に金せびってんじゃねぇかぁぁ!!」



「・・・フフン、油断したな。」





ニヤリと笑みを浮かべ ジ・エンドは
スタン・グレネードをこちらに放り投げた。


しまった!こんなことに付き合ってる間に!!





スタン・グレネードが爆発し、何とか直撃は
避けたものの 奴の姿を見失った。







くそ!!俺としたことが・・・・・・」







江戸での生活が、こんな形で仇になろうとは・・・!





けど 今から追えばさほど遠くへは行っていないはず。







すぐさまジ・エンドを追いかけたが・・・・・・・









「ハア・・・はあ・・・・・はあ・・・・・」







奴は少し離れた地点で、息を切らして
その場にヒザを着いていた。







・・・仮にもコブラ部隊の一人が、こんな距離でバテるとは


・・・・・・歳には勝てないということか。





少し空しさを感じながらも、そのまま拳銃で撃ち抜いた。





「ぐわぁ!!」


「全く・・・てこずらせやがって・・・・・」







ジ・エンドは宙に視線をさ迷わせたまま、何か言い出した。







「森の精霊たちよ・・・・・・ありがとう・・・・・・・」





森の精霊?何のことだ?





ビッグ・ママ・・・・すばらしい弟子だ。
・・・・・・これからは若い世代の時代だ」


「オジイチャン、オジイチャン。」







オウムが 奴の周りで心配そうに鳴いている。







「一世紀以上放浪したが、・・・・・・ようやく
・・・・・役目が終わった・・・・すばらしい
・・・・・幕切れだ・・・・・・・」







100歳以上なのは本当らしいな。


すると天人の戦争にも関っていたに違いない。





敵としてでなければ・・・別の出会いであれば
天人の戦争について、何か聞けたかもしれない。


そう考えると 少し残念だった。







「思い残すことは・・・・ない・・・・・
これでわしも・・・・・・森へ・・・・・還れる。」







最後の言葉が終わり、オウムが離れると・・・・・・





ジ・エンド!!!!!





叫び声と共に また爆発した







・・・・コブラ部隊は、みんな こんななんだな


銀さんがここにいたら、きっと
『昔の怪人の末期かコノヤロー』辺り口走っていそうだ。









爆発の余韻が収まると 近くにジ・エンドが使っていた
『モシン・ナガン』があった。


・・・狙撃式の麻酔銃である。





「スコープが壊れてるな。俺が撃ったときにか?」





俺は同じ狙撃銃『SVD』のスコープを代用して修理する。







「オジイチャン、オジイチャン。」





飛び去って行ったかと思っていたオウムが、
俺の肩に乗っかってきた。







「・・・何だ?俺と行きたいのか?」





どうやら言葉が分かるらしく、首を一度縦に振る。





「分かった・・・でもこの先へは行かせれない。
代わりに回収地点を教えよう。


そこにWIGがあるから、そこで待っててくれ。」







俺は地図を出し、回収地点を教えた。





理解が早かったのか、オウムはすぐに飛び去った。









WIGは大型の表面効果機であり、この一機で
全員離脱が可能となる。


お妙さんとを助け出した後 皆で
この島を抜け出すために・・・







よし!先を急ぐか。」















「近藤さん・・・・なんですかこれ?」


「分からん、だが俺たちよりも早く着いて
暴れた奴がいるのは間違いないな。」







新八と近藤は、要塞内の様子に呆然としていた。







倒れ伏す無数の兵士 通路の壁やドアなどの
あちこちにも破壊された跡がありありと見える





「これ、もしかして神楽ちゃんがやったんじゃ・・・・」


「有り得るな・・・だとするときっと近くにいるだろう
とにかく、仲間を探して合流しよう。」


「仲間とはこいつらのことか?」


「誰だ!?」





聞こえた声に二人が振り返ると


二人の背後に あの男が不敵な笑みを
称えて佇んでいた





「それはこちらの台詞だ・・・お前達は何故
あの女二人のためにそこまで必死になれる?」


決まっているだろ!それは・・・もちろん愛です!!


真面目に答えんなァァ!
おいお前!!姉上を何処へやった!!」


「落ち着きたまえ少年、まずは仲間のこいつらに
会わせてやろう。」





そういうと男は、近藤や新八側から死角の
物陰から何かを掴み 側へ放り投げる







それは ボロボロになった神楽と九兵衛だった。





九兵衛ちゃん!大丈夫か!?」


「か・・・神楽ちゃん!!







駆け寄って呼びかけるも、傷だらけの二人は
目を閉じたまま動かない





男は 彼女達を見下しながら言う。







「その二人、女にしては中々しぶとかったぞ。」


「お前!!よくも神楽ちゃんを!!!」





新八は怒りのあまり、持っていた木刀を抜き
床を蹴って男に斬りかかる。







が、男は木刀を片手で受け止めると


そのまま簡単に折ってしまった。





「時代遅れの侍共め・・・・フン!!







武器を失った新八は、男の拳をみぞおちに
まともに食らい 床に転がった







「ぐっ・・・!?」


「新八君!!」


お前も抵抗しようなんて考えるな?大人しくしろ
さもなくばこいつの命はないぞ。」





言いながら 男は銃を取り出し、床にうずくまる
新八の頭に銃口を向ける。







近藤は悔しげに男を見やり 拳を握る。





「・・・・・・分かった、お前に従おう だが!


もし目の前で俺の仲間に傷一つでも負わせたら
俺はお前を絶対に許さねぇ!!



「いいだろう・・・付いて来い。」









近藤は新八を床から起こし、二人で神楽と九兵衛を
担いで男へ付いて行き







四人は 牢屋へ入れられた。









そこには妙とだけでなく、土方と沖田も
既に捕らえられていたようだ。







「トシ!!総悟まで!!」


近藤さん!それにこいつら・・・・!」





よろよろと歩み寄る新八に、妙が心配そうに駆け寄る。





「新ちゃん 大丈夫!?」


「姉上こそ・・・ご無事でよかった・・・
僕は平気だけど・・・・・・」





気を失ったままの二人を見やり、土方や沖田も
苦々しい顔をする。







「チャイナも、手ひどくやられてらぁ」


「こっちへ渡して、応急処置しないと・・・・」







は神楽と九兵衛に応急処置を行う。







ちゃん。九ちゃんと神楽ちゃん助かりそう?」


「しばらく意識は戻らないけど 命に
別状はなさそう・・・大丈夫です。」







がくり、と近藤がひざをつく。







「お妙さん、皆・・・・すまない・・・
俺がいながら・・・・・」



「近藤さんは悪くないですよ!」


「そうだ、こうなったことを悔やんでも仕方ねぇ
今は これからどうするかが問題だろ?」


「けど土方さん、刀も奪われて戦力も削れた
この状況でどうするってんで?」





淡々と沖田に指摘され、土方は押し黙ってしまう。







助け舟を出すように は言う。





「助けが来るまで待つしかないわね。
ここにいないのはと・・・・後何人残ってる?」


「確か万事屋と・・・あとカツーラってやつがいたな。」


「銀さんたち、大丈夫かしら・・・・・」







牢の中で 皆は二人の安否を気遣った。













その頃、銀時はというと・・・・・・・







「オィこのヘリとろくねサクサクもうチョイ飛ばせねーの
サクサク銀さんくたびれちまったいグビグビ


「無茶言いやがって・・・・!
ハインドったってこれ旧式だってのに・・・・・」


グビグビ・・・あ、やべトイレしたくなってきた
ちょっと一回降りてくんね。」


何回目だぁぁぁ!ジジィのションベン並に近くね!?
つーかいい加減ヘリで飲み食いすんな!
誰が掃除すると思ってんだァァァ!!!


「ションベン出んのは自然の摂理だろーがぁぁ!
もー限界ここですんぞ!ここで垂れ流すよオレぁ!!」



「それだけはカンベンしてくれぇぇぇ!!!
分かったよ、降りればいいんだろ!降りれば!!」


「分かりゃいーんだよ、マジ限界近ぇから早くね」





上空で史上最低な会話を繰り広げ







桂の方は・・・・・・・





「ごめんくださーい、あの すいませーん。





迷いに迷って 今度は倉庫らしい建物
入ろうとしていた。







「ここも留守か・・・・全く 客のもてなしがなっとらんな
仕方ない、先へ進むか。」







前と同様 誰も出ないため諦めて移動していった。









しかし、その倉庫にあったものは・・・・・・・・・・・・








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後書き(退助様サイド)


???「コブラ部隊も3人目
いよいよ決戦に近づいてきたわけですが・・・・・」


銀時「おいぃぃぃ!!
ほとんどの場面しかなかったぞ!!!」


新八「あのおジイさん 本当何者ですか?
光合成とか色々とすごいんですけど・・・」


???「なんたって100歳以上の猛者ですから」


桂「建物の主は全員留守か!扉の鍵さえ開けてないとは
お客さんが来た時にどうするんだ!!」


???「だからここ敵地なんですよ桂さん!!
閉めてない方が無用心ですって!!!」


近藤「あ!俺ちょっとだけ今回カッコよかったでしょ!
見直してくれましたかお妙さぁぁぁ」


「一緒に捕まってりゃ意味ねぇんだよ!
百と八回死んでこいゴリラァァ!!」



???「まだ出番あるんだからゴリラユッケだけは
やめたげてぇぇぇ!!」


土方「あー なんか腹減ってきた」


沖田「土方さん、じゃあこいつでもどうぞ
踊り食いで」


土方「って牢屋の床這ってた蛇じゃねぇかぁぁ!
食えるかこんなモン!!」


???「でもゲーム内では 結構捕まえて食えますけど
味もそんな悪くないみたいですし」


土方「マジでかぁぁぁぁ!?」