ガンシップが到着し、一行は
ザンジバーランド上空へさしかかっていた。
「ここが、ザンジバーランドか・・・思ったよりデカイな。」
「おいおい、ほとんどジャングルじゃねーか。
ヤブ蚊とかウザったそーだな」
「見てください!中央に建物が!」
新八君が指し示した建物には 見覚えがあった。
「!!?あれはグロズニィグラード!?」
「、何アルか?それ?」
「俺が始めて行った実戦任務の場所だ。
まさか再建設できたとは・・・」
「すげーなありゃ、しかしよぉこれだけのデカイ島
どうやって隠してたんだい?」
「今は分からん。それより、そろそろ降下準備にかかれ!」
降下用ハッチが開き、降下するときがきた。
「よし!降下だ!いいか、バッグについてる
ブザーがなるまで絶対開くな
空中で蜂の巣にされるからな。」
「分かりました!行きましょう、銀さん!」
新八君が言って振り返るが、銀さんは・・・
第四話 パラシュートみんなで飛べばからまるよ
「お、お前ェ先行けよ。」
「あん?何言ってんだお前から行け」
「何だよ土方君、震えてね?
鬼の副長ともあろう男がもしかして怖ぇとか?」
「ば、馬鹿言ってんじゃねーよ。こりゃ武者震いだ
怖がってるのはそっちだろ?ヒザ笑ってんぜ」
「おおお俺は怖くねーよ。
こりゃ単にションベンが近くてだなぁ」
「だったら降下した後やれや!
俺はマヨネーズを取って来た後に降りるから」
「必要性あんのかジャングルにぃぃ!
それ言うなら俺はパフェを作ってから」
真っ青な顔で土方さんとアホな言い合いをしていた。
コレが伝説と呼ばれた"白夜叉"と
泣く子も黙る鬼の副長の姿だと思うと泣けてくる。
「「いいからさっさと降りろ二人ともぉぉぉ!
敵に見つかったらどうするんだ!!」」
期せずして新八君とツッコミをシンクロさせる。
「分かった・・・俺が行く。」
と、桂さんが降下態勢に入った。
「ヅラ、お前・・・」
「ヅラじゃない、キャプテン・カツーラだ!」
それだけ言い残し、彼は降下を始めた
・・・そろそろパラシュート展開位置だ。
開い・・・えぇぇぇ!!?
な、何そのパラシュートぉぉ!?
エリザベスか!?エリザベスかあれぇぇぇぇ!!?
「おいぃぃ!そんなパラシュート渡してないだろ!
てゆうかいつの間に摩り替えたそんなもん!!」
配ってあった無線ごしに怒鳴りつければ
相手はすぐさま返答を返す
『ふふん、まだまだ青いなよ
常に次のことを怠ってなければ臆することはない!』
「臆する必要ねーよ!!
渡した装備で充分すぎるわ!!!」
と言ってる内にカツーラが降下が完了した。
「・・・全く、次は誰が行く?」
「アンタが落ちろ土方さん。」
沖田君が間髪いれず土方さんを蹴り飛ばす。
「テメッ何しやがる総悟ぉぉぉ!!!!」
「っし!これで副長の座は俺のもんでさ」
「アンタどれだけ腹黒いの!!土方さぁぁぁん!!」
ガッツポーズする沖田君から、すぐさま落下する
土方さんへと視線を戻す。
あの沖田君のことだ、彼のパラシュートは
・・・・・あれ?開いた?
「土方さん、二度とこんなことされたくなかったら
まだ息があるうちに副長の座を俺に・・・・」
『意地でもやるかぁ!テメッ、後で覚えてやがれ!!』
無線機越しに怒鳴り返しているあの声の様子からすれば
どうやら無事に降下できたようだ。
「あーあ、っとにムカつく土方の野郎
ちょいと息の根止めてきやーす」
「「沖田(さん・君) 目的違うからァァァァ!!」」
俺達二人のツッコミを無視し、彼はさっさと降下してしまう。
・・・土方さん 死ぬんじゃないぞ。
「・・・まあいい。次は?」
「 もう面倒だしよぉ、いっぺんにやらねえか?」
頭を掻きつつ気だるげに言う銀さんだが、
俺は賛成できなかった。
「駄目だ、団体で行動すると敵に見つかりやすい。
ここは単独行動がベストだ。」
「じれったいネ。ダメガネとゴリラ、一緒に降りるヨロシ。」
神楽は言うと、新八君と近藤さんの襟元を掴んで
勢いつけて空中へと投げ飛ばした。
「ちょっ俺まだ心の準備が!ああああぁぁぁ!!」
「何てことすんの神楽ちゃぁぁぁん!!!」
悲鳴を上げて二人は落下していく。
「俺の言ったこと聞いてなかったのか!?
団体行動は危険なんだってば!!!」
「いや、これはある意味アリだぜ。」
銀さんはあくまで真面目な顔で続ける
「新八一人だとあそこまでたどり着けるかわからねえが
ゴリラと一緒なら新八は自動的にメガネ猿と
勘違いされて突破できる。」
「そういう理由!?」
「次は僕だな 危ないからそこから離れてくれ」
俺が少し横に身を引くと、九兵衛は助走を付けて
グロズニィグラードに向かって飛んだ。
「何やってるんだ九兵衛さん!!
敵地のど真ん中に行ったら蜂の巣だぞ!!」
「僕が出来る限り戦力を削る!!心配無用!!」
九兵衛の降りた先は運がいいことに手前の森林地帯だった。
「おいおい、大丈夫なのか?あいつ。」
「手前の森林か・・・・あそこは警備が薄い上
侵入路もある、おそらく大丈夫だろう。」
「っしゃああ!私も行くアルよぉぉ!!」
と言うと神楽も九兵衛と同じように・・・・・
「だから何で助走つけて飛ぶんだぁぁぁ!!!
君本当に俺の話を理解してたのか!?」
「姉御をスグ助けに行くのにタラタラやってられネーアル!!」
「だからって敵のアジトに飛ぶヤツがあるかぁぁ!!!」
叫んでいるうちに神楽のパラシュートは
グロズニィグラードに向かって降りていった。
俺は 額に手を当てて呟く
「あれは駄目だ。
敵の真ん中に行くなんて・・・自殺行為に等しい。」
「大丈夫だろ、ああ見えて神楽は頑丈だ
銃弾の一発や二発 屁でもねぇよ。」
「そうだとしても・・・」
「それにアイツにとっちゃ頭数なんて問題じゃねぇしな。」
言いながら、銀さんも降下の準備をする。
「心配すんな。
俺たちゃ死ぬつもりはこれぽっちもねぇからよ」
「・・・わかった、幸運を!」
俺がそういうと 銀さんもニッと笑って降下していった。
「・・・ジャック!!そろそろ離脱しないと敵が来るぞ!!」
ガンシップパイロットが残った俺に催促する
「分かった!!今から降下する!!」
俺は降りる前に今一度、全員の降下地点を確認する
土方さんは基地から少し離れた河川地帯。
沖田君はそこから5マイル進んだ場所。
新八君と近藤さんは一番遠い森林地帯。
九兵衛と神楽は基地周辺。
最後に降りた銀さんは・・・・・
まずい!!よりによって敵の中継基地だ!!
警備が厚く、銃座もある!
あんなところに降りたら・・・・
『俺たちは死ぬつもりはこれっぽっちもねぇ。』
直前の 彼の言葉がリフレインする。
そうだ、あの人に死ぬつもりはない。
あんなしぶとい人達が 死ぬわけがない。
必ず生きて再会できる!
迷いを吹っ切って、俺も宙へと身を躍らせた。
降りた場所は、洞窟がある場所だった。
パラシュートを切り離し すぐさま俺は大佐に通信する。
「大佐、降下成功だ。」
『おめでとう。ジャック。
初の集団降下にしてはなかなかだったぞ。』
「何人か雑だったがな・・・洞窟が見えるんだが
あの中はどうなってる?」
『どうやら洞窟に偽装された連絡通路らしい
そこを抜けると森林地帯が続く。
山岳地帯から脱出路を使って要塞内に侵入できるようだ。』
「あの時と一緒か。」
『そうみたいだな、
まずそこから洞窟に侵入してくれ。』
「了解。」
無線を切った直後・・・銃声が響いた。
「やっと来たか 待ち遠しかったぞ。」
そこにガンアクションをしながら近づいてくる男がいた。
どこかで見覚えがある この男は
「お前は!?」
「やっと会えたな、ジャック。」
「オセロット・・・リボルバーオセロット!!」
「覚えててくれたか、嬉しいよ。」
オセロットは口の端を笑みの形に吊り上げる。
「何でお前がここにいる!
ウォルギンがいなくなりソ連に拘束されてたはずだ!!」
問うとオセロットは立ち止まり、ガンアクションも
止めて口を開く。
「すべて、『母』のおかげだ。」
母・・・ビッグ・ママのことか
「何故ママに加担する!?」
「全ては、ママのために・・・」
それについて話す気は、あまりないらしい
「とにかくどいてもらうぞ、俺は急いでるんだ。」
「その前に、俺と決着をつけようじゃないか。」
「決着?」
「あの時は中途半端に終わったからな。銃を出せ。」
俺は手元にあった45口径M1911A1の拳銃と
アメリカ製ライフルXM16E1を背負うように装備する。
「そっちのエモノがライフルってのは
気に喰わないが・・・・まあいい。」
そういうオセロットはというと
シングルアクションアーミーを3丁持っている。
跳弾も出来るやっかいな銃だ。
「あの時の屈辱・・・晴らさせてもらうぞ!!」
「こい!!オセロット!!」
続く・・・・
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後書き(退助様サイド)
???「さあ、ついにバトル勃発なわけですが・・・・」
銀時「おいぃぃ!!俺達落ちてるだけじゃねぇかぁぁ!!」
新八「てゆうか軍用っぽい単語出すぎですよ!
僕らどころかわかんない読者置いてけぼりですか!?」
???「ググれ。」
新八「投げたァァ!どんだけ投げやりな対応!?」
???「だってそうした方が楽だし・・・
Wikiで調べるのもいいぞ。オススメ」
銀時「結局それかよ・・・」
???「さて、次回からはギャグが少なくなります。
バトルが主体となるでしょう。」
銀時「まあ俺たちの活躍、楽しみにしてくれや。」
新八「あ、やっとまともになりましたね。」
???「・・・・・フ・・・・」
銀時「何その嫌な笑い!?
まさか俺達の出番なしとかじゃねぇだろうなぁ!?」
???「さあ?どうなるでしょうねえ。」