「HELO降下?」







一同は口を揃えて言った。







「ああ、海上の警戒網を突破するには
空中から侵入するしかない。
運がいいことにあの辺りは空中の警戒が薄いしな。


降下には専用のパラシュートを使う・・・何か質問はあるか?」







説明を終えたところで近藤さんが
至極真剣な顔つきで挙手し







先生!全然わからなかったので
最初からもう一回お願いします!」


何回目だと思ってんだアンタぁぁぁ!
いい加減覚えろ!!時間無いんだし!!」





ちなみにこの説明、5回目である。







普通3回も聞けば子供でも分かるだろうに
見た目通りゴリラ・・・いやそれ以下かこの人?







見かねた土方さんが、タバコを燻らせながら
俺の代わりに説明をかってでてくれた





「近藤さん、簡単に言うとだな。
スカイダイビングで侵入するってことだ。」


「ちなみに土方さんの分のパラシュートは
ないらしいんで 自由落下でお願いしやーす。」


「んなもんほぼ死ぬだろがぁぁ!」


「戦場に落ちて華々しく散んのが男の美学って
ヤツでしょ つーわけで散れ土方


「上等だコラぁ、
落ちる前にテメェを斬り落としてやらぁ!」






沖田君と土方さんがメンチを切り合う


いつものやり取り上、このまま室内で
斬り合いが始まる可能性が高い





「まじめに聞けアンタらぁぁぁ!!」







新八君の真っ当なツッコミも無視した
斬り合いが早速始まり、会議はしばし中断された











第三話 スカイダイビングは落ちる前が一番怖い











「これが HELO降下で使うパラシュートバックだ。
ここにあるフックを引っ張ればパラシュートが
開く仕組みになっている。」







なんとか二人のケンカも納まった所で会議を再開し
各自にパラシュートバックを配る







「ここを引っ張ればいいのか?」





近藤さんがフックを引っ張った瞬間
ものすごい音と共にパラシュートが開いた。





今開いてどうすんだぁぁ!!
てか、それ一つでいくらすると思ってんの!?」


「え?イチキュッパじゃねぇのこれ?
見た感じがチャチいしよぉこれ。」


「チャチなのはあんたの頭だろがぁぁ!!!
それ一個で電化製品一式揃えられる値段だぞ!!」



「マジでかぁぁ!!?お前給料パねぇな!
今度メシおごってくれよ」



「論点違うから、そしてさり気にたかるの
止めてください銀さん こっちが恥ずかしいんで」







・・・・一瞬でも感動した俺が馬鹿だった









今、落ち着いて考えてみれば
こいつらの場合、潜入任務は素人当然







ただでさえ大人数、しかも自己中揃いなのに
敵と交戦せずスムーズな行動なんて出来るワケが









・・・ふと、恐ろしい思考が頭を過ぎる







「そういえばあんたら、潜入って何かわかるか?」


センニュウ?何アルかそれ
焼いて食べるとウマいアルか!」


「違ぇよ神楽、センニュウってのはアレ
ほら 練乳の新商品。」


「何デタラメ言ってやがる。センニュウ
マヨネーズの材料・・・・だったっけ?」


「アンタバカだろ土方さん、センニュウ
山崎のポジションでさぁ 万年地味なカンジの。」


「それは違うぞ総悟!センニュウってのは
足と足の間にある男のあそk・・・・」


「存外物を知らぬ奴等だなお前らは。
センニュウ新種の動物肉球だ。」







・・・・・・・・・・・・・・・・・


やっぱり、そんな事だろうとは思ったが・・・





お前らホンマもんの馬鹿かぁぁ―――!!!





全員不正解ぃぃぃ!!
潜入ってのは敵に見つからず、任務をこなす事!!
要は密偵の仕事だ!!


沖田君のはおしかったが、何だよ万年地味って!!」


「ほら土方さん。俺の言った通りでしょ?」


全然違うっつの!!!あー、なんか軽く頭痛が・・・・」


「あの・・・ちょっといいか?」







頭を抱えている所に、九兵衛がおずおずと尋ねてきた。







「何だ?九兵衛さん?」


センニュウとは・・・・・
いわゆる女の子が月に一度陥る・・・・アレか?」


いつまで言ってんだぁぁ!もう終わったからその話題!!
しかもそれ女の子が言ったらダメなことだろ!!」





と、心の底から叫んだその時、無線機が鳴り出した。







「こちら、何だ?」


か。丁度良かった
もうすぐそちらにガンシップが到着するはずだ。」


「そうか、オタコン ポイントを送ってくれ。」


「分かった。無線が終わったらすぐ送るよ。
・・・あと、今回は仲間が大勢いるんだっけ、経験は?」


ほぼ0と思っていい、が 戦闘慣れはしている。
修羅場をくぐって来てるからな。」


「なるほど、念のため最新兵器を
送っておいたから役に立ててくれ。」


「了解した。」







無線を切った後、合流ポイントが送られてきた。









場所は・・・ここからすぐ近くの港だ。







「おい、すぐに近くの港に行くぞ。」


「港にさんの仲間が来るんですか?」


「そうだ、HELO降下に使う機体が来るから
それに乗り込んでくれ。」


君!ちょっといいか?」







再び挙手した彼に、少しうんざりしながら
仕方なく俺は問い返す







「・・・今度は何だ?近藤さん。」


HELOって何だ?」


「ああ、HELOって言うのはな・・・・・」


「それなら俺も知ってっぜ、アレだろほら挨拶しながら
降下するんだろ?ヘロー、ヘローって」


大ハズレだよ銀さんんんん!
挨拶しながら降下しても相手聞こえないし、
そんなことしてたら蜂の巣になるから!」


分かりました先生!!
あれでしょ?屁こきながら降下するんだよね!?」


「全然違う!!何だそれ!?
ジェットの代わり気取りか!?」






・・・・・・・・・ああもうホントにこの人達







今から先行きが不安になって来た・・・・・・・















一方その頃ザンジバーランドでは





着実にたちの対策が行われていた。









どうだ?銀時達はきそうか?」


「高杉か・・・問題ない、奴らは来る。
いや 来てもらわなければ困る。







佇んで空を見るビッグ・ママの背後には
高杉が 煙管をふかして笑っている。







「しかし、お前ほどの男が私と協力するなど
・・・何を企んでいる?」


「別に、何も企んじゃいねぇさ。
ただ俺ぁ、派手な祭が好きでねぇ


江戸一つが火の海になるくれぇの・・・な」


「核兵器のことか・・・・・・もちろんだ。
使用されれば江戸はおろか、この国一つ消せる。」


「それはそれは、恐ろしいこって。」


「・・・いいのか?仮にもお前の故郷であろう?」


「構わねぇよ 天人に喰われて腐った国なぞ、
最早俺には未練もねぇ。」


「そうか・・・私も我が祖国を攻められる前に
江戸を叩いておきたい。何をすればいい?」







高杉が視線で、遥か向こうに見える
一番大きな建物を指し示す





「あの馬鹿でけぇタワーが見えるだろ?
あれはターミナルっつって、天人が作り出したモンだ。


アレさえ破壊出来れば 天人なぞ恐るるに足らねぇよ。」


「しかし、あれが破壊されれば街の被害が・・・」


「言ったはずだ、俺はただ壊すだけさ。
この腐った世界を・・・生きてる限り、な」



「・・・・・分かった。
では我々は警戒網を貼っておこう、万が一が
無いとも言い切れんからな。」


「ふん、いいだろう。」





彼の呟きが終わる頃に、音もなく集った
コブラ部隊が彼女に指示を仰ぐ。







「ママ、俺たちはどうする?」


「お前たちは、そうだな・・・ここで待機だ。」


「!?ここは・・・・!?


「ママ、何故ここを!?」


「他の奴らは大したことはない
・・・問題は、ジャックただ一人のみ。」


「・・・・・・・・・分かった。」







首を縦に振り、それ以上何も言わずに
コブラ部隊は各自の持ち場へと移動を始める。









ママは 高杉に視線を戻すと





「高杉、「亜種」の完成を急がせろ。」


「・・・任せろ。」





短い会話を交わし、その場を後にした。











着々と達の侵攻に備えるビッグ・ママと
コブラ部隊の面々。







「亜種」の正体とは・・・一体?








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後書き(退助様サイド)


???「さあ、着実にシリアスに進んでるわけですが・・・・」


銀時「進んでねぇよ!!
しれっとウソ吐くな、ほとんどギャグだろうが!!」


土方「サルじゃねんだから潜入くらい分かるわ!!
馬鹿にしてんのかテメェ!!」


九兵衛「僕は生理になんか興味ないぞ!!
興味があるのは太くて大きくて白い中身の・・・・」


新八「九兵衛さぁぁん!!
女の子がそんなこと言っちゃだめだから!!!」


銀時「オィオィ新八よぉ 何でもとかとか
白い液体方面に想像膨らましてんじゃねーよ。」


神楽「マジきめぇアル。しばらく私に触らないで話しかけないで。」


新八「何コレ、新手のイジメ?じゃあ 何なのさ一体・・・・」


九兵衛「バナナに興味があると言いたかったのだが?」


???「それもかなりギリギリだよねぇぇぇ!!」