俺とローズ、いや 今はだったか。





とにかく俺達が江戸に着くと大佐に
指示されたポイントに進んでいった。







首都から少し離れた所にある ひっそりとした家。


ここが新しい拠点であり、生活場所だ。





見かけは一般的な長屋と変わらないが、


中は隠し部屋があり、そこで装備整理や潜入考案など
行えるようになっている。









初めは色々と気を張りながら行動をしていたが





数年の歳月が経つにつれ…







俺達二人は 徐々に江戸の生活に馴染んでいった







アメリカの脅威の兆しも見つからず、平和的な結果を
出すばかりだったが 充実した生活だった。









表向きとして「スナックすまいる」に就職し、


俺は任務優先ということもあり、無職だ。







食費は山に通い 動植物を捕獲して
それを腹の足しにしているため困らなかった。





昔、俺の師匠がサバイバル訓練するときに
よく食べられる動植物を教わったものだが


こんな時にまで役に立つとは思わなかった。









江戸で長く生活していると、いろんな人物にも出会う。







万事屋を経営している天然パーマに死んだ目が
デフォルトなチャランポランの甘党「坂田銀時」





普段は地味だが、ドがつくほどのシスコンで
アイドルの追っかけをやってるメガネの「志村新八」





人間離れした怪力と胃袋を持つ
戦闘種族「夜兎族」の少女「神楽」







近藤さん達を中心とした武装警察・真撰組
攘夷志士の筆頭 桂小太郎


どんな逆境もへこたれぬガッツを持ったマダオ・・・
もとい長谷川泰三。





他、語りきれないほどの相手と知り合えた。







今日は万事屋メンバー+αで海に出かけていた。











第二話 ダチと一緒の時に母ちゃんと会うと
その後気まずい












「わりいなぁ、2人水入らずで出かけれたのに
連れてってくれてよー。」


「いや、いいんだ。色々世話になってるし・・・・・
てゆーか無理やり付いてきたんだろ。」







そう。


俺は久しぶりの休みを利用して
日本の海を見てみようと前から決めていたのだが・・・







どこから聞いたのか知らないが


全員いつの間にか車の後部席に座っていた。





気付いた時には引き返せる状況じゃなかったため
仕方なく 皆で海に来ることになったのだ







「いいじゃないですか。
ちゃんも楽しんでるみたいだし。」





そう言って笑うのは、の勤める
スナックで先輩の女性 志村妙





苗字で分かると思うが 新八君のお姉さん





お妙さーん、買ってきましたよ。」


姐御 私オイル塗るアルよ」


「あら、二人ともありがとう。」





美人で笑顔が素敵な女性ではあるのだが


独特のカリスマ性…というか性格が、
神楽とを心酔させている





つーかこき使ってるように見えるが気のせいか・・・?







「日頃の激務を癒すのにはちょうどいいな。」







ふと隣を見ると、いつもと同じ着物を着た桂さんが
水平線を見つめながら呟いた





ちなみに 日頃側にいる謎の生物・エリザベス
今日はついてきていないらしい







「あんた、攘夷志士らしいことしてたっけ?」


「てゆーかいつの間に沸いて出た ヅラ。」


「ヅラじゃない、桂だ。」





始終こんな会話を挟みながらも、皆は
海でのバカンスを満喫しているようだ。







本来なら と二人きりの筈だったのだが・・・







まあ何はともあれ、疲れは癒せるからよしとしようか





「おーい オメェも来いよ」


「分かってるって、今」





とその時、バックパックにあった無線機が鳴りだした。







何だ?電話か?」


「ああ、そんなもんだ。ちょっと出てくる。」









俺は近くの木陰で交信を行った。







『ジャック、いや 聞こえるか?』





大佐からである。





「どうした大佐?今はバカンス中だと報告したはずだ。」


『すまんが緊急事態だ・・・・・CIAで開発していた
メタルギアが何者かに奪取された。』


メタルギア!?CIAでも開発してたのか!?」


『ああ、シャドーモセスでの作戦を覚えてるか?』







シャドーモセスは武装テロ集団の要塞だ。





そこでメタルギアREXを破壊した事は
俺の記憶にも新しい。







「まさか、同じものをCIAで?


『ああ、元はオタコンの祖父が設計したものでな。
天人対策に改良をかねて開発していた。』







REXは量産を前提に開発された2足歩行戦車で
ソコロフのシャゴホットに対抗してのこともあったらしい。







「で、その犯人は分かりそうなのか?」


『現在特定中だが、そちらに向かってることは間違いない。』


ここに?だが何故?」


『まだ目的は分からん。とにかく警戒はしていてくれ。』


「了解した。」











休日気分から一気に現実に引き戻され、
ため息混じりに通信を終えた まさに直後







「きゃあー!!」





お妙さんの悲鳴が聞こえた。







「どうした!!」







駆けつけると、お妙さんとを囲むように
無数の蜂が飛び交っていた。









あの蜂・・・それに海上に浮かぶのは
ソ連の主力戦闘ヘリ「ハインド」







蜂を追い払おうとする銀時達に一斉射撃で牽制し


ヘリから降り立った者達が彼女達を捕らえ
連行しようと引きずっていく





さん!姉上ぇぇぇ!!」


「テメェらぁぁ!姉御たちを放すヨロシ!!」







吼えて神楽が彼等へと駆けていく







威嚇射撃や襲い来る蜂達を物ともせずに
距離を詰めた彼女の前に


白いスニーキングスーツを着た女性が立ち塞がった。







あの見覚えのある姿・・・・まさか!





「神楽!!そいつに近づくな!!」







しかし、忠告は遅かった。







放った蹴りを返され、腕を掴まれて
放り投げられた神楽が 足元に叩きつけられる。





「これが戦闘種族「夜兎」か?弱いな。」





呟き、"彼女"は何度か蹴りを叩き込み


神楽を俺達の手前の砂浜まで吹き飛ばす。







リーダー!しっかりしろ!」







やはりそうだ。





夜兎族である神楽を
まるで赤子のようにいなしてしまった。







こんな芸当が出来るのは、あの人だけだ。









降下した者達の数人はお妙さんと
を縛り上げ、再びハインドへ搭乗する





!この人たちはコブラ部隊よ!!」


「何だって!?」


「そう、我々はビック・ママの息子達。」


「この日が来るのを待っていました。」


「またあなたと共に戦える。」


「おかえり・・・・・ママ・・・・」







彼らと蜂達が"彼女"の背後で整列をする





そうか・・・あれが伝説のコブラ部隊か。







「何だこいつら、息子にしては随分老けてんなー。
俺の息子の方がまだ現役っぽいだろ?」


銀さんんん!
こんな時に下ネタとか止めてくださいよマジで!!」





新八君の言うことは最もだ


油断をしているとこの場にいる全員、息の根を
止められることだってあり得る。





銀さん。気をつけろ
あいつらは前大戦を終結させたコブラ部隊だ。」


「コブラ?どこがコブラだコノヤロー
全身赤タイツに左腕サイコガンが基本だろーが」


「寺沢武一に謝れぇぇ!」





って乗せられてツッコんでる場合じゃない!!









最前列まで進み出て、"彼女"に要求する





「今すぐ人質を解放しろ!!」


「それは出来ん。」







俺の言葉を即座に拒否したのは、
先程から佇んでいる目の前の女性


かつての師匠・・・ビック・ママだった。







ママ・・・なんでソ連に亡命した!!」


「お前には関係ない。」







言葉が終わらないうちに、ママが一瞬で
こちらの懐に入ってきた!





距離を取ろうと仰け反るも


初動が遅れて顔を殴られ、ひるんだ隙を
突かれ 投げ飛ばされた。







「ぐは!?」


「お前では私に勝てない。」







無様に砂浜に転がる俺を一瞥するママ





彼女は、俺の息の根を止めんと歩を進め―







「オイオイ、濃いツラ揃えていきなり現れて
俺達無視して話進めんなコノヤロー」








銀時が木刀を抜き放ち、彼女と俺の間に割って入る







「ママだが何だか知らないが
母ちゃんのしつけにしては過激すぎねーか?」





ママが眉をひそめ 銀時に尋ねる。





「何だ貴様は?」


あん?俺はそこにいる
こいつの彼女のダチだこのヤロー」


「・・・この男の友だと?こいつから
私の関係を聞いてはいないのか?」


「知るかよんなこと、こっちは単に
知り合いがさらわれんの見過ごせねぇだけだ。」







顔こそは見えないが、彼の声には
底知れぬ凄みが潜んでいる





まるで・・・斬り合い寸前の侍のような









「そうか・・・貴様が白夜叉か。」





白夜叉?何のことだ?





「ここにそんなヤツはいねーよ
何か勘違いしてねぇか整形ババアよぉ」


「しらばっくれても無駄だ、ある男から
お前の事は聞いている。」


「!」







その瞬間 銀時がママに木刀を
叩きつけようと向かい行くが・・・・





逆に木刀を折られ、そのまま地面に叩き付けられた。







「その程度か。」







強い・・・やはり前大戦のヒーローだ。







「ママ 参りましょう」





佇んでいた筈のコブラ部隊が、いつの間にか
ヘリに乗り込み 彼女を呼んでいる







ママは垂らされたハシゴに足をかけ





「この女共を返して欲しければ
人工大陸『ザンジバーランド』に来るがいい。」





そう言い残すと、ヘリに上昇を促した。







追いかけようとする桂さんや新八君を振り切り
ハインドは水平線のかなたに消えていった。









「そんな、姉上が・・・・・・・」


、何なんだあの無駄に濃い連中は?
まさかドッキリってわけじゃねーよな」


「・・・さっきも言ったが
前大戦を終結させた特殊部隊だ。」


「だからお前の過去は知らねぇし、
逆に何であちらさん、俺のことを知ってんだ?」


「そんなこと俺も知らない!」


「2人とも落ち着け!
とにかくリーダーを病院に送る方が先だろ!」






桂さんの言うとおりだ。
とにかく怪我人を病院に連れて行かなくては・・・











病院に行き、神楽と銀時の手当てを行い





その時に 彼はほんの少しだけ
自らの素性を明かしてくれた。







「銀さん。あんた・・・攘夷志士だったんだな。」


「ああ、昔の話だがな。」





そう呟いた彼の顔は、どこか寂しげだった。













一度、全員を家に帰すと


俺は痛む身体を引きずり、自宅で装備を整えていた。







連れて行かれた時の悲しげなの目





ママに吹き飛ばされ、ボロボロになった神楽





姉をさらわれた新八の 暗く沈んだ顔
などが
脳裏に浮かんでは消える。









・・・・俺の責任だ。





俺が海に行こうなんていったから・・・・・









ザンジバーランド、ママが作り上げた人工大陸。





恐らく密林に覆われたジャングルがほとんどだろう。
俺が訓練したことのない場所だった。







だが、すぐにでもそこへ行くつもりだ。









通信をいれたままの無線から 声が聞こえる。







・・・いやジャック。
ザンジバーランドに行くのか?


当たり前だ。これは俺の問題だ。俺だけで行く。」


「しかし、ビッグ・ママがどれだけ戦力があるかは
分からないんだぞ!そんな状況でどうやって・・・・」


それでも行かなきゃならないんだ!
これは俺が起こした・・・」


「問題だと思ったか?





驚いて通信を中断し、後を向いた。









そこに立っていたのは 別室の窓から
上がりこんだらしい、銀色の天然パーマ姿。





「銀さん、何で・・・・」


「新八の姉ちゃんがさらわれた時点で
もうお前だけの問題じゃなくなってんだよ。」





確かにそうだ。新八君も心配しているだろう。





「しかし、これは俺が・・・・」


守りきれなかったから、とでも言うつもりか?」


そうだ。俺が弱かったからこうなったんだ。
だから俺一人で乗り込んでケリを・・・」


「ざけたことぬかしてんじゃねぇぞ!!」







急に怒鳴りだした彼に 俺は気圧された。





こちらを睨むその両の瞳は死んでなく、何故か
恐怖を覚えるくらいだ。







一人でしょいこんで満足すんじゃねぇ!
カッコつけてっけどお前のそれは、
人を頼ることを面倒臭がってるだけじゃねーか!」


「・・・・・・・・・・・・」





言葉も出ない





「一人で出来ねぇことも 何人かで組みゃ
解決すっかもしれねーだろ?


俺達がやられっ放しで人任せにする奴等だと
思ってたのかテメーはよぉ!








そんなことはなかった。







俺は 幾度か銀時の戦いを見たことがある。





木刀一本と己の身のこなしだけで巨大なエイリアンに
太刀打ちしていたその姿は、FOXにも引けを取らない







それによ、手遅れだぜ?
もう呼んじまったんだよ。あいつらを。」


「え?」


「外、出てみろよ。」





彼が戸口を指し示し、言われるがまま外へ出てみる。









そこには、新八君と新撰組局長『近藤勲』、
副長の土方、一番隊の沖田君、


柳生家の剣客『柳生九兵衛』、そして桂さんが立っていた。





桂さんが『キャプテン・カツーラ』の格好なのは
恐らく近藤さんがいるからだろう。







お妙さんのピンチと聞いて、いてもたっても
いられなくてな!加勢するぞ 君!


「テメェに死なれちゃ困るからな。」


「素直になりなせぇ土方さん。
俺ぁ合法的にサボれっからついてきやした。」


「妙ちゃんに借りを返す時がきたんでな。」


「先日のことは俺にも責任がある。俺も行くぞ。


僕も行きますさん!足手まといかもしれませんけど
姉上の危機にじっとしてられませんよ!!」


「姉御を助けるついでにあのアマに一泡吹かせてやるネ!」









俺は、嬉しかった。







頼んでもないのに 皆が
ここまで協力してくれるのだから・・・・









顔がくしゃりと歪むが・・・涙は零れなかった







あれ?ここ泣く場面じゃね?
何で涙出ないんだよ おかしいだろ?」


「すまない、昔事故で涙腺機能がいかれてしまってな。
悲しくても涙が流れないんだ。」





被爆時に放射線の影響
涙腺が壊れてしまったのだと思われる。


だが普通に生活するには問題はなかった。





「ふぅん あっそ・・・で、頭数は揃ったけど
この後どうするんだ?何か作戦とかねぇの?


「ああ、一つだけ方法があるんだ。
皆 俺の部屋に来てくれ・・・作戦会議だ。」









俺は全員を家の中に呼び込み 潜入方法を説明した。





手短に話を終えて、実行に移すことを報告する。







大佐もそれを了承してくれ 支援も
出してくれる運びとなった。







作戦名も大佐が出してくれた。







その名も・・・・





『マザーキル作戦』である。







続く








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後書き(退助様サイド)


???「というわけでシリアスに向かって
行ってるわけですが・・・」


銀時「良いわけねーだろうがぁぁぁ!!
色々はしょりすぎだろうが!!」


新八「それに僕の紹介文ヒドすぎでしょ!!
どんだけ扱いひどいんだ!!


桂「俺達、攘夷志士を何だと思っている!
こう易々とヴァカンスなど行ってたまるか!!」


銀時「テメーが一番ノリノリだったじゃねぇか
ヅラぁ!何だよヴァカンスって!」



「ヅラじゃない!桂だ!」


神楽「私こんな弱くないネ!!
てんめぇ、ナメてんのかあぁん!?


???「いいじゃない。一度負けて強くなって
倒せるようになるから。ジャンプシステムだから」


新八「あれ?でも、この流れだとさんが
最後戦うような感じですけど?」


???「あ、そっか。ごめんね神楽ちゃ・・・」


神楽「ホアター!!!!」




ボコ!!




???「ヒデブー!!!