特別指導室の中央で 椅子を傾けすぎて
「ふんぎゃ!」
ひっくり返り、したたかに頭を打った
シュタインが痛そうに顔を歪めて起き上がる
「痛てててて…ネジが緩んできてるのかな…
アレ?いつ来たの君」
「少し前からいたんですけど…あとコレ
貸していただいてありがとうございます」
下からの視線に、閉めたドアの側で
少年は曖昧に笑いながらケージを覆う布を外す
視界が開けた妖精は 立ち上がる白衣の男を
蒼い瞳で上から下までジロジロ眺めてこう言った
「この男がアンタの言ってた頼れる相手なワケ?」
「しー!そんな大きい声でしゃべったら
他の人にバレるってば!!静かにっ」
「はぁ?何よ全く、あのボロい住処だけじゃ
飽き足らずここでも静かにしろだのしゃべるなだの
強制するなんてアンタ本当に人でなしねアタシを何だと」
べらべらと忙しく口を動かす妖精を
じっくり見つめて、メガネを光らせ彼は訊ねる
「ヘラヘラ、こいつは面白そうな素体だね♪
バラしても構わないのかな?君」
「…やるなら本人の合意を取ってくださいね」
さらりと諦め混じりに言いつつ少年は
嬉々とした様子のシュタインへとケージを
渡そうとして、当然中にいるリーフェルが暴れだす
Il secondo episodio 実地訓練
「ちょっとおぉぉ!明らか危険人物ってーか
まともな男じゃないじゃん!騙したのねっ!?」
「ウソじゃないさ、博士は頼りになる人だよ…多分」
「今 多分て言った!絶対分かっててやってる