ご都合?時期ズレ?言いっこナシ!
舞台と相手に合ったイタズラこそ私の「正義」









〜Just watch seas〜








青い海!眩しい砂浜!爽やかな海風!


これぞ海の醍醐味だよね〜





塩辛い水だまり、鉄板のようにくそ暑い足場、
生臭いベタつく風、
の間違いじゃねぇのか?」


「いきなしフンイキぶち壊しなコト言わないでよ」


「うるせぇよ、大体 塩水は機械鎧にとっちゃ
天敵なんだよ ウィンリィに文句つけられたら
お前のせいにすっからな?」





渋い顔したエドを、パラソルとシートの
準備終わったアルがなだめにかかる





「まぁまぁ兄さん、せっかく皆で海に来たんだし」


そーだよ、ワザワザ日差しの厳しさ考慮して
時期までずらしてあげたんだから〜





「それとも、ウィンリィが来られないのが不満?」


ばっ、そんなんじゃねぇよっ!!」


おー顔真っ赤、分かりやす


更にからかってやろうかなーと口を開いて





いいじゃねぇか、来れねぇ女は残念だが
美女が二人もいんだから我慢しとけよ」





横からシレッと表れた糸目君…いや、今は
セクハラ親父


ともかくオイシイとこ持ってかれた





「っていつの間に変わったんだよグリリン」


「グリードだっつの、何
着替えてる間にちょっとな」


「お呼びじゃないから糸目君に戻っててよ
今ならタライ十六連は勘弁したげるけど?」


「あいっかわらず扱いヒデぇな、直々
ここへ誘われたんだぜオレぁよ」





白々しいヤツ…"糸目君が"対象でしょ?







こっちの白い目に、けれどアイツは意にも介さず
堂々と私の隣まで歩み寄る





「不機嫌なツラすんなよ、オレと
お前の仲だr…イダッ!





肩組みついでに胸に伸びた手には

しっかりと、"釘"を刺しときます♪





「なんつーモン胸に仕込んでんだお前は」


「だってジョーカー身につけれないし
このカッコ」





それにイタズラ好きたるもの、場所に応じた
備えも万全でないとねっ!





「おー痛ぇ、油断もスキもねぇ女だな」


「それに関しては同感」


「自衛に出ただけでひどい言いぐさ〜
そう思わない?アルフォンスくーん」


言いながらアルの片腕に引っ付いて甘えかかる





「えっ、僕!?





お日様に暖められた鎧の熱さと引き換えにするに
十分なうろたえぶりを楽しんでたところで





「なんだ、仲がいいなお前達」


「あ、姉さん!ちょうどいいトコに…」







支度を終えて登場したさんに
男三人と私の目が、冗談抜きで釘付けになり


次の瞬間、私以外は揃って顔を背けました





…あ、糸目君の顔も赤い


どうやらセクハラ親父を気合いで
内側に引っ込めたようです





どうしたんだお前達?
人の姿を見るなりいきなり失礼じゃないか」


「いやあノ、だ、大胆すぎてビックリしたゾ…」


「そうか?ちゃんと大差ないと思うけど
ついでになったけど、その水着カワイイよ」


「ニャハハ〜美人なオネーさんに
褒められちゃったv」


笑みを浮かべるけど、まだちょっとドキドキしてる







必要な荷物も込みらしいアタッシュケースを
パラソルの下へ置いた彼女を、改めて眺めてみる


赤と白のツートンなビキニパンツから伸びた
すらりとした脚は健康的な肌色で まさに美脚


ヒップまである黒髪はジャマにならないように
セットした形でまとまってて


同デザインのパレオを巻いた、魅惑的な
腰のラインから上はキレイにくびれ

さらに上は豊満な胸が惜しげもなくさらされている







…そう


普通なら着けているハズのビキニの上もない





真っ赤な顔を両手で覆いながら、ようやく
向き直ったエドが必死に叫ぶ





「あっああああ姉貴!
なんつーカッコしてんだアンタ!!」



「トップレスが今年の流行だと
聞いていたからだが」


「誰から!?」


「彼女から」





スッとしなやかな指が私を指した、その直後





「「ーーっ!!」」





二人が声を限りに怒鳴りながら詰め寄ってきた





「まあ落ち着いて聞いてよ二人とも」


がらみでそれは無理じゃないかナ?」


「糸目君の意見もっとも、でも
ジョークのつもりで言っただけなんだよね私」





…一応弁解しておくけど


確かに私は先日、さんにさっきの話をした


けどそれは"引っ掛かったらラッキー"くらいの
ほんのかるーいジョークのつもりだった





「なのに本気でトップレスするとは…恐れ入ったよ」


「人も少ないし、身内も別にお前達と
彼女だけだから隠す必要もないと思ってな」


あるから!もっと恥じらいもって姉さん!!」





しれっと答えられたら、そりゃー
気が気じゃないよねアルも…





うーん、初っ端からいきなり予想外だったけど

三人がいい感じに戸惑ってるのは悪くない



         ここは場の流れに乗じて更に行動起こしてみますか!





「けど、そのプロポーションは女の私から見ても
うらやましいな〜ちょっと触らせて?」


「構わないけど…私なんか触って楽しいのか?」


「まーそんなトコかなっ?」





許可ももらったので、遠慮なくかつこれ見よがしに

さんの肩とか太ももとかに触ったり、
胸をつかんだりしてみる






…予想通り、男性陣はかなり動揺し始めてます☆





てめぇ、なにしてんだお前!!」


「ニャハハ いーじゃん女同士なんだし
これくらいのスキンシップは、ねぇ?


「そうそう、別に減るモンでもないしな」


「うーんうらやましイ…痛っ、殴るなよ」


「殴らいでか!!」





個人的にはもーちょい乱闘を促したいとこだけど


アルの視線がシャレにならない感じ
なってきてるので流石にそろそろ自重した







、とりあえず着てるパーカーを
姉さんに貸してあげて」


「別に私はこのままでも」


「頼むから隠してくれ!」





あまりにも必死な二人に説得されて


私のパーカーを羽織るさん





けど…ナイスバディのおかげか
前が全く閉じられないみたいです





「姉さん…僕らここで待ってるから
ビキニの上 着けてきなよ」


心配しすぎだって、私なんかで勃つ奴なんか」


、それはアルの言う通りにした方が
いイ、絶対ニ


「リンまでそう言うんじゃ仕方ないな…楽なのに」





残念そうな顔してたから、気になったので聞いてみた





「サイズ合わなかったの?ひょっとして」


「胸に合わせると下が合わなくなるからな…」


うーん、なんとなく納得





―と 私の脳裏に、最近作った
イタズラ用アイテムの存在が浮かんだ





「ちょっと待ってて!」







四人へ告げ、自分のナップザックを漁り


取り出したモノをつかんで再び戻った





「ニャハハっお待たせ〜


「ん?もしかしてコレを貸してくれるのか?」


「その通り!変な仕掛けは無いから安心して〜」





さんは、渡した貝ビキニ(上だけ)
手触りをしげしげと確認している





表面は本物使ってるけど 身体に当たる部分は
さすがに布とかで防御されるよーにしてます

縁もあらかじめ削って丸くしてるから安全!





待て待て待てぇぇ!
あんなモン人の姉貴に付けさす気か!!」



「アレ…ちゃんの手作リ?まさカ」


「そもそも何で持ってたのあんなの!?」





私はにっこり笑って一言





「ノーコメントv









肝心の当人の決断は、早くそして迷いがなかった





「それっ!」


「わぷっ、冷た!」


「ハハハ〜それくらい避けられないなんテ
まだまだ甘いなエド…うわっ


「油断は禁物だぞリン?」


やったナ〜二人でやり返すゾ手伝エ」


何でだよ!やだよガキくせぇ」





弟分二人と波打ち際での水かけ合戦に戯れる
さんの貝ビキニ姿は色んな意味で眩しい


さっきまで私と散々遠泳競争してたのが
ウソみたいなハシャギよーでビックリです





楽しそうだな…僕も生身だったら
あそこに混ざって思い切り遊べるのに」


「もーちょっとして上がってきたらさ
皆を砂遊びに誘ったらいいじゃん」


「そだね…したら一緒に兄さんとリン埋めちゃう?」


「おっ、意外とノリいいじゃないアルったら〜」





パラソルの下で お互い腰かけたまま海辺を眺め


冗談と本気半々のセリフに軽口で答えつつ笑い合う


フリーサイズ仕様も幸いしてか、ビキニが
外れる様子も無いみたいで一安心





…こっそりヒモを外してみるのも面白そうだけど


簡単じゃなさそうだし二人を敵に回しちゃうのも
よくな ―ん?







ノリの悪いエドに絡む彼女を


離れて様子見してる糸目君の会話が
風に乗って微かに、耳に届いてくる





「いや、それ流石に怒るだロ…」


「…大丈夫オメーなら笑って許してくれるって…」





どうやら、考える事は同じらしい ムカつくことに





全くあのセクハラ親父…大人しく中に引っ込んだと
思ったらスグこれだ


ワザワザお年頃な糸目君をたぶらかす辺り
本気でいやらしいヤツ







「照れなくてもいいだろう、可愛い奴だなエドは」


「ちょっ近い!
くっつき過ぎだから、離れろって姉貴!!」





楽しげにエドと戯れるさんへ、こっそり
忍び寄った糸目君が背中へ手を





伸ばす直前で駆け寄り様に
スライディング足払い&ボディープレス!





「おや、やんちゃだな二人とも」


「まあ そーいう年頃ですから〜」


「ぐ…ちゃん、いつかラ…?!


「ニャハハ〜悪事の相談は
50キロくらい離れたトコでやろうね♪」





波の音も鳥の鳴き声も、私の耳には
大した障害にならないし〜


かくして尊い犠牲と共に悪のセクハラ親父は海に





「甘いぜ」


「っウニャ?!





逆に海中へ引き倒され、立ち上がったアイツの手が


さんと私のビキニ(上)をつかむ





ガハハ!残念だが
これでオレの勝t「だまらっしゃい変態」


もぎ取られる寸前に、エドが発動させた
砂拳アッパーにより


グリードは股間を押さえてうずくまった





ナイスパンチ!ありがとエドっ」


「え、あ、おうよ!」





直後に駆けつけたアルに引きずられ、今度こそ


尊い犠牲と共に悪は砂埋めになりました…めでたしっ







ついでにも一つオマケの話





「ねぇ姉さん、兄さん、二人ペアで組んでさ
どっちが先に砂のお城作るか競争しない?」


「なるほど面白そうだな」


「へんオレにかかればそんなもんチョチョイの
チョイだz「言っとくけど錬金術禁止ね」な!?





限定のルールに乗っ取ったこの競争で







やった!姉さんのおかげで勝てたよ」


アルががんばったからだ、私は
ただ手助けしたまでさ」





アルとさんは姉弟ならでは
チームワークを発揮して立派なお城を作り





「お前がジャマするから負けたじゃねーか」


「いや、センス重視でバランス考えなきゃ
崩れるでしょーに普通」





エドと私は他人ならではのアンバランスさを
発揮してお城を何度も壊しました


…これもまた、めでたし?








――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:勝手にテロした分際で本編&双方
夢主(様)の設定ぶっち無視したパラレル話を
展開しててスイマセン…


エド:短編でもやってたのにまーた海の話かよ


アル:しかもオチまで迷子だし、どうせなら
せめて夏に間に合わせないと…ねぇ?


狐狗狸:う゛っ…思いついた段階では本気で
間に合わせるつもりだったんです!


リン:結局できずに残暑になってるっテ
本気で立場がないよナ


グリード:それとお前の話、本気でオレに
うまみが少ねぇじゃねぇか


狐狗狸:本編じゃありえない奇跡の掛け合いが
出来たんだからゼイタク言わんといてくださいな


エド:しっかしもう少し恥じらい持てよ姉貴…
あ、ついでに聞くけどアイツのあの貝ビキニ
誰に使う予定だったんだよ…?


狐狗狸:少なくとも女子じゃー…ゲフンゲフフン


アル:…え?!




美人なさんとウチの子の掛け合いを
もー少し書きたかったです(元気美女的な意味で)


こちら、斑鳩 仇夢様へ捧げさせていただきます
読んでくださったら嬉しいです…!(謝)