それはの提案だった





"だるまさんが転んだ"でもやろうか?」





両手を合わせてニッコリと言う





「イキナリ何でまた?」


と訝しげにが聞き返す





今、伏魔殿の一本の木の前にいるのは


と オニシバの3人





…今回は、迷い込んだとかではなく


を連れて伏魔殿にやって来て


木の近くで たまたまオニシバに会った訳である





「そこの木を見てたらやりたくなったの〜♪」


「ガキかお前は…」





宿主の様子に溜息着きつつ呆れるとは反対に





「たまにはそういう遊びも、悪くないねぇ」


オニシバは、何故か妙に気乗りしていた





「へ?」


「でしょ〜Vじゃー決まり!じゃ鬼決めよ♪





賛同の言葉に、我が意を得たり!と
嬉しげな顔をした


いつの間にか木の側へ移動して
即座に二人を手招きする





「ちょっ、マヂでやるの!?


「もう決まった事ですぜ?今更逃げんなぁ
無理そうでさぁ、腹括りやしょう?」





ニヤリと笑うオニシバの様子に 彼女は半分本気で
目の前の二人と縁を切りたくなっていた


三人が一定の距離まで近寄り 拳を振り上げながら叫ぶ





『ジャンケン…!!』











〜「だるまさんが転んだ」〜










「いいかー、数えるからな?」





結局参加&鬼になってしまった
不満げに後ろを向いた





「(速攻で終わらせてやる…)だるまさんが…転んだっ」


振り向いた彼女は何故かそこで固まった





「…どうしたんですかぃ?」


「何でまで固まるの?」





固まった体勢を維持しながらも

二人は 不思議そうに問いかける


するとは二人の間を指差して





「な、なななナニ隠れてんだ!?


「「え!?」」





ポーズを維持していたハズの二人も


そのセリフに、思わず後ろを向きかけた







彼女の金色の目線の先には


確かに岩陰に隠れてこちらを伺う
の姿
があった





「あーあ見つかっちゃった」





観念したように


笑顔で影から出て 二人の目の前までやって来る





「偶然の姿を見かけたから
楽しそうだなって思って 見守ってたのよ


もはや立派な親バカストーカーである


そこへ何をトチ狂ったのか





「どうせならさんもやります?





その場を動かず が誘いをかけた





「「え?」」


式神二人から 同時に驚いた声が漏れる





「そうね…参加させていただくわ」





驚く二人を余所に、ニコリとしたまま


は間髪入れず答えた







ともあれ…色々ごたついたものの


再び、遊びは始まった





は二人の後ろに混ざる事になった







「だるまさんが…転んだっ」





振り向いたは青筋を立てる





「オニシバ…後ろに隠してるのは何だ?


「何でもありやせんぜ?」





引きつった顔をするに対し

平然とした笑みを浮かべるオニシバ


しかし後ろにあるのはどう見ても麻袋と荒縄


彼の背中へ視線を送りながら、何とも
微妙な顔をする少女二人だが


一応はルールなので動けずにいるようだ





「さ、気にせず続けてくだせぇ」


「…わかった」





どうやら上手い具合に後ろのブツが見えなかったらしく


不満げながらもは後ろを向いた





間を置かず、背後での動きが


やたらと活発になっていた





それに伴う"物騒な空気"に感づいて眉をしかめ







「だるまさんが…転んだっっておい!!


振り向いた彼女は思わず叫んだ





「何故下がる
つか、何故符を出す!?」






そう が2回目からどんどん後ろに下がり


はオニシバ睨みつつ


両手一杯に符を用意していた







「「気のせいよ」」





二人同時にハモられて その笑顔(&威圧感)

更なるツッコミを封じられる





「そ…それならいいが」


後ろで何をやってたんだ?とか思いつつ

恐る恐る彼女は木の方を向いた





段々、自分に近づく気配が怖くなりつつある






「だるまさんが、転ん」


振り向こうとした 正にその時







"チュド―ン"とかいう爆発音がすぐ後ろで響いた





「だ―――!!?」





振り向けば 真後ろに麻袋と荒縄を握り締めた
オニシバがコゲて倒れていて


すぐ後ろには満足げなとへらへら笑った
の姿が並んでいた





「お前ら一体、何がしたいんだよ!?」








―――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:某お方に送った小説第一弾でございます…捧げモノと
一話短編とどちらに置こうか迷いましたが、捧げモノに(笑)


オニシバ:捧げモノや絵なんか描いてるヒマがあるなら
小説の一つでも書き上げましょうや


狐狗狸:それは禁句だぁぁっ!
しょうがないでしょ 私の部屋は極寒の地なんだから!!


オニシバ:…(うっすら哀れみの視線)まぁ、とりあえず今年からは
締め切りが間に合うようにしてくだせぇ


狐狗狸:そ そりゃ勿論!(親指ビシィっ/コラ)


オニシバ:しっかし嬢に邪魔されなきゃ
さんを持ち帰って色々と…
(以下一人呟き ご想像にお任せします)


狐狗狸:…触らぬ神に祟りなし(ボソリと呟き退室/ぇ)