「何故俺がこんな目に!?」





今 俺は(何故か)スーツ姿のオニシバから
必死で逃げ回り…


物陰に隠れて、小さく毒づいている







事の発端はつい2時間前





に言われて 買ってきたトマト一箱
部屋に運ぶよう言われ


重さやら不安定さやらで嫌な予感はしてたが


…なんていうか、予測通り俺は

階段で足滑らせて箱ごと落ちた





式神だからか俺は無傷だったが……


ふと隣を見るとトマトまみれで倒れた





とりあえず安否を確認しようとしてに近づくと

窓の外のソーマと目が合った


…間髪入れず悲鳴があがる





"とにかく逃げなくては"





事態についてけない


てーか色々メンドくなった俺は、咄嗟に浮かんだ
この言葉の通り動いた





そしたら、何故か知らんがオニシバに追いかけられ現在に…

って、見つかった!





有無を言わさず 再び逃走劇が始まる










〜「危ない刑事・腹黒編」〜











「止まらねぇと、撃ちやすよさん」


「…そんな脅し誰がのるか、撃てるもんなら撃て!
無関係なヤツを巻き込みたいならな!!





俺や関係ない連中に当たるかもしれんから
無暗に撃たんだろうと予測してるが


…一応、挑発がてら釘を刺す







「逃げ続けると、嬢ちゃん殺人の罪が重くなりますぜぃ」


「ちょっ待て、勝手に殺すな!多分まだ死んでねぇ!!
つか本当にあれ 俺のせい!?






あの時、は階段から少し離れた所にいたはず…


だから別の原因で倒れていたかもしれない


というかその可能性が高いと思う、思いたい





しかし確かめる前にああいう展開になったから

つい慌てて逃げちまった





今となっちゃ、早計だったと反省しているし
出来るなら戻って確かめたい…が





「知りたいなら 大人しく捕まりなせぇ」


「………出来るか阿呆!!


ただでさえ怪しいのに 5割増で怪しさ倍増された
お前に捕まってたまるか!!







あ、あそこにキバチヨが!


しめた、事情話して助けてもらおう!





助けてくれー!キバ」


声をかけようとした瞬間





"ズガーン!"…バタッ





「本当に撃ちやがった!」


「おっと手元が狂っちまった」


絶対ぇ嘘だ…!目据わってるし





…これじゃ助けが呼べない 被害者増えちまう


てか予測が外れた以前に、無関係のヤツを
ためらいなく撃つなよな!









やむなく孤独に逃げつづけるが


さっきのを皮切りに オニシバが銃を乱射してくる





わざと狙いを外しちゃいるが


弾丸や、破壊されてできた遮蔽物が
嫌な具合に俺の行く手を阻む







誘導されてる…と理解し、横道に逃げようとした刹那





そこまでだ…もう逃げられんぞ」





緑髪のスーツ男が目の前に立ち塞がった





「流石相棒、手筈通りですねぃ」





スーツ姿の男二人に挟み撃ちされ


逃げ場をなくした俺は、あっという間に
路地に追い詰められた





「これまでか…つかお前ら何なんだよ?
何でスーツ姿なんだよ?」





これまでずっと気になってた疑問を投げかけりゃ


二人は懐から警察手帳(だと思う、多分)を出した





「あっしはダンディーオニシバ」


…キッパリ言うな、何だダンディーて





「私は…セ、セクシータイザン


だから何だよセクシーって
つか恥ずいんかい!





『何処からどう見ても刑事だ』


「嘘吐けぇっ!!」





思わず俺はハリセンで二人の頭をどついた







「…公務執行妨害傷害も追加しとくか」


「そうですねぇ、旦那」


しまった罪増えた!!





「よし…連行して取り調べだ」


「吐かすのは任せなせぇ」





何かを言う間もなく、スーツ二人組が
俺の両肩をガッチリとつかむ





「ちちちょっと待て!何をする気だ!?


「取調べに決まっていよう…クックック」


「楽しみだねぇ…色々」





野郎二人の黒い笑みに


嫌な"予測"が 軒並みで起こった





「嫌゛だああぁっ放せぇぇっ!!」





もがくが、逃げられはせず


俺の叫びは虚しく響いた…











その後、復活したが自分でコケて頭打って
気絶しただけだった
と証言し


その間抜けな事実が判明されるとともに俺は


トマト台無しにした罰を受けるため

アイツに強制送還されることで


恐怖の尋問から…逃れる事が出来た





野郎二人は残念そうにしてたが









[今回の被害]


・トマト一箱


・軽いトラウマ一名(ソーマ)


・重傷一名(キバチヨ)


・看板や公共物破損…etc


・そして半殺し一名(








―――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:伏義さまに以前メールで捧げさせて頂いたあぶデカ
風味
の駄文です…相変わらずワンパでスイマセン


オニシバ:それより何であっしと旦那がこんな服着てるんで?


狐狗狸:スーツなのはあぶデカだからです


タイザン:どうせならの殺人事件とかましなものを
考えぬかこの愚脳め(腕組み)


狐狗狸:そっちが死んでると犯人丸わかりだから!!


二人:そういう問題か?