―さぁさ奇抜 さぁ奇抜!


造船由来の製造技術で国の名を世界へ馳せた
城下町スエンサに


ゴブガでの問題解決を期待し姉妹都市の"科学の都"より
直属機関のチームが訪れていた


そんな彼ら科学者達と思わぬきっかけで雇われた
少女と道化を巻き込み事態は廻りだすのだが


ひと癖もふた癖も強い者達が集う中


更に思わぬ、出会いもあって―








機関からの重要任務とはいえ城に籠り切りで
根を詰めて作業を続けていると心身ともに疲弊してくる


最年少の発明家と言われた彼女とて息抜きは必要である





「街の発明 ほとんど 見てる 機械 なんでも聞け」


「いや今日は機械のこから神ちょっとでもはなれるために
街に出て来てんでから、それやったら意味ねーだろ」





と指摘しつつ並んで街を歩く少女もまた


護衛としての任務にかこつけ

城の書庫にある資料を睨んでの式刻法術の勉強から
一時的に抜け出している





「…二人とも、くれぐれも面倒は起こさないように」





監視する対象が増えた事で眉間のシワを深める道化師は


彼女らの言動に注意を払いながらも

情報収集に努める方向で、現状を割り切っていた





「やったらよくしゃべる人でねぇ、ええよく覚えてるよ
ちょうどその子みたいな髪の色の弟さん連れててねぇ」


弟?!コジじじゃねーのか?」


「ああいや、弟みたいな助手さんだって言ってたねぇ」





陸路・海路共にクワロからゴブガへ向かう交通での要点となる
スエンサで、著名な冒険作家の目撃談がないはずもなく


ちらほらとその姿を見たという話を聞く





「港 やはり うるさい!」


「それだけ著しく活気にあふれているのでしょうね」


「よく あの二人 町 うろつけるな」





不機嫌そうにするルシロは、今は城内で仕事を片づける
同僚二人に対して少しばかり毒づく





「誰しも息抜きは必要なのでしょう」


「酒場 常連 なるのがか?」


「どんりで神ヘンなニオイがすると思った
てゆうか仕事しろよなおっさんパチ」





ギャイギャイと盛り上がる二人を見下ろし


いかがわしい酒場で、本国で元の研究をしたいと
日々愚痴をこぼす彼らの実態を知っている道化師が


ため息を一つ 口の中で転がした直後





「誰かぁっ!それ、捕まえてー!」





どこか聞き覚えのある、木綿を裂くような少し低めの
叫び声が通りへ響くと同時に


三人の前方にいたまばらな人垣が





「いやぁっ蛇!?」


「そっちにツボヘビが逃げたぞ!!」


短い悲鳴と共にどんどん左右へと避けていく





うげっ!神すびゃばい蛇がこっち来る!!」


「任せろ これこそ 科学 出番!」





生理的に身を引いた少女と対照的に、気合十分で
前へ乗り出した発明家は


常時携帯している自作の銃の、筒の後ろ側部分を取り外し


薄青い液体の入った密閉容器の見える部品へ付け替え

噴射口らしき部分を蛇へと向けて引き金を引く











〜幕間5 探究者達ト大食ライ達ノ宴〜











吹き出された薄青い水煙の流れが鎌首を持ち上げた蛇へ直撃し


ものの数秒も立たぬうちに蛇はぐたりと地へ倒れ伏した





「蛇が倒れたぞ?何にしたっだ」


麻酔薬 吹き付けた!これ 大型獣 イチコロ 強いやつ」





誇らしげにルシロが銃を両手で構えた所で


蛇が現れた方向から、遅れて一人の男が駆け付ける





ごめんなさーい!大丈夫だった?
その蛇毒があるから噛まれたりしたなら…あら!」





白シャツに黒ズボン 首に赤いスカーフを巻き
長身でどこか爬虫類に似た、薄青い髪の男は


とても嬉しそうな笑みを浮かべて 合わせた両手を
片頬へ寄せながら黄色い声でこう言った


きゃーん!カフィルさんにグラウじゃない
こんなトコで会えるなんて奇遇ねぇ〜」


「うぉひょっ!だれかと思いやロズリーじゃん!」





懐かしげに意気投合する二人を色違いの瞳で見て
不思議そうにルシロが訊ねる





「知り合いか?」


おう!ゲテモノばっかり探し回ってる
流れのオカマりょりっ、料理人だじぇ!」


「んもう失礼しちゃうわねー新たな食材の可能性
味覚の探求って言ってちょうだい!」





小さなツボを括りつけた腰を軽く折り、人差し指を
突き出したポーズで否定する彼の姿は


どこからどう見ても乙女である





「相変わらずですね、色々と」


「そっちも元気そうで安心したわ〜所でアナタ達も
また何か探して旅してるの?」


ジニア 言う 作家 追ってる 言ってた」





その一言でルシロに気づいたロズリーが彼女の白衣の襟に
縫い付けられた紋章に目をやり、口元に手を当て驚く





「あら?アナタは…ひょっとして"ディア"の方?」


「そう 蛇 無力化 オレ様 発明 おかげ」


まぁ!そうだったのね〜ありがとう
それにしてもこんなに若いのにすっごいのねアナタ!」


「お前 中々 話 分かる」





普段言われ慣れない賛辞により、気を良くして


発明家が料理人へ自らの発明の説明を始めようとしたのを
見て取った道化が 路上に転がる蛇を拾い上げて告げる





理由(わけ)あってディアの方々に傭兵として雇われまして
それでロズリー様、こちらの蛇は食材ですか?」


「ああ!そうそうありがとう」





ひょいとツボヘビを持ち上げて、腰に下げていたカゴへ
放り込んだ料理人は





そうだ!また助けてもらっちゃったお礼もあるしアナタ達に
また頼みたい事があるから、ついて来てもらえるかしら?」





手の平を叩き、三人へそう訊ねたのだった









…流れの料理人を自称するだけあり


土地から土地へ渡り歩く合間、どこかの食堂や屋敷で
"真っ当な料理"を振る舞い路銀を稼ぐ事もある


そうしてスエンサの北側に屋敷を構えるメオル家の
一人娘・ソニアに見初められたロズリーは


"新たな創作料理"を作る機会に恵まれたのだとか





「で アタシが今働いてるお屋敷のお嬢様が
少し前に、そのジニアって人と話してたから
その人との話の内容を聞かせてもらえるよう頼んでみるわ」


「私(わたくし)どものような輩がいきなり訪れて
屋敷へ踏み入れさせていただけますかね?」


「ルシロさんもいるし、貿易商だけあって人との交流が
好きな人達ばかりだからきっと歓迎されるわよ」







自信に満ちたその発言は真実で


三人はあっさりと屋敷の主であるソニアとの目通りが叶った





「へぇ〜アナタが城にいるディアの人なのね
何か作ったりしてるのかしら?」


気になるなら 見せる 私 発明 驚かないように」





当人なりに弁えた対応で銃の解説を始めるルシロを


ソニアは細い糸目をきらめかせながら見つめ

応接間のふかふかな椅子に、仕立てのいい赤いドレスに包まれた
ほっそりとした肢体を沈めたまま楽しげに質問を続ける





ロズリーづてに紹介を済ませたカフィルは


現状の確認と"頼み"とを聞き出す一方
ルシロやグラウンディが妙な事をしないか目を光らせる





しかしグラウンディは退屈そうに

"金持ちの屋敷名物 お高そうなツボ"を眺めていた





「まあ、大体話は分かったわ
この人達にあの冒険作家の話をしてほしいワケね」


「ええ そうしていただけると助かりますわ」





ぺこりと頭を下げる料理人へニッコリと頷き


開いているかどうか分かりづらい瞳でぐるりと
四人の顔を見回して 彼女は答える





「別に構わないけどお腹が空いたわ
…続きは、アナタのデザートを食べてからにしましょ?」


「話ぐらいしくくれてもいいだろ?」


「話は減らないけどワタシのお腹は減るの
あまりこちらの機嫌を損ねるなら他のモノも減るかもね」





くすくすと笑みをこぼすソニアだが、その言葉の端々に
育ちの違いからなる傲慢さが滲んでいる





「逆にワタシを満足させてくれたなら
このステリア産アウク鉱石のペンダントをオマケにつけるわよ?」





言いつつソニアは身に付けている見事な細工を施された
黒に近い薄紫の首飾りを四人へ強調してみせた





硬度・靭性が高く加工が難しい その鉱石は


法術を使う者にとっても高い価値を誇る…のだが





「別にいらにぇね」


「私も いらん」


彼ら四人の興味をそそる程ではないようだ





「欲のない人達ねーまあいいわ、とにかくワタシのお腹を
満たしてちょうだい?話はそれからよ」





やや不満げな女性陣二人を抑えて彼らは一礼し


一旦、部屋を退出して廊下へと移動する







ごめんなさいね、悪い人ではないのよ彼女」





苦笑交じりに謝るロズリーへ

似たような表情でカフィルが返す





「構いませんよ…頼みというのは食材調達への助力
お間違いはございませんね?」


「ええそうよ お願いできるかしら?」


「またガケとっか行ったりするのか?」


「ああ、食材自体はこの街で買えるから大丈夫よ
ただちょーっと場所が…」





言いづらそうに言葉を濁してはいたものの


要点を言ってしまえば、彼の求める残りの食材は

南側のスラム街の奥まった場所にある店
取り扱いをしているらしい





「最近見かけない他所の人が入り込んで好き勝手してて
ちょっと争い事が多いみたいだし 一人で行くの怖くって」





安全な市場ではツボヘビ同様にほとんど出回る事が無く

入手に時間がかかってしまうようだ





「資金はお嬢様からちょっと多めにもらってるから
少しふっかけられても何とかなると思うわ」


うひゃー!金持ちって神ヘンなトコにぐぁ金かけるな」


「ああ、でも無理なら無理って言ってちょうだいね?
二人とも 今はルシロさんと一緒に行動してるんだし」


「オレ様 別に 構わない」





ずい、と一歩距離を詰めて
彼女は色違いの瞳を料理人へ向ける


「料理 興味ない けど 新たな味 探してるお前 面白い」





科学の発展と可能性の為に新たな発明を試みる彼女にとって


道すがら聞いた、常人が敬遠する素材すらも料理へ
取り入れようと試みる彼の姿勢は好意的に映ったらしい





「そう言ってもらえると嬉しいわ〜
じゃあ、お願いしてもいいかしら?


任せとけ!オレ達がちょちょちょやっと材料取って来てやるぜ!」









と、自信たっぷりに言っていた少女は思いもしなかったろう







まさか目当てのその店でルナルーに遭うなどと





「なむでお前がいるんだよ!?」


「ソレハ私ノ言葉ダ」





建物に挟まれた路地と日差し避けの屋根のせいで
薄暗さと怪しさが増している店先で


店主へ威圧感タップリに詰め寄り


まさに因縁つけてる真っ最中、と言わんばかりの
彼らの目は物騒な輝きを宿している





「アネさん、コイツらもやっちまいますかね?」





己よりも頭一つ高い男が進み出るのを
金色の瞳で一旦は制するも





待テ 主ノ命ナク殺セナイ…ガ手足一二本ナラ構ワン」


「著しく適当だな」


「モガレテモ貴様ラハ死ナン、ソレニ
ココノ連中ノモ見セシメデ一本モゴウカト思ッテタトコロダ」





ギラリと鋭い犬歯を口の端から覗かせたルナルーに続き

側に立つ男二人も、グルグルと低い唸りを上げ始め


周囲に剣呑な空気が流れる…のだが







「オヤジ マメチュウ 尻尾 フレシアル 粘液 あるだけ」


へっ?!え、あはい毎度」





お構いなしにルシロは店主へと歩み寄り、貨幣を渡して
目的の品をあっさりと注文していた





オイ、ソコノ雌ハナゼ勝手ニ買イ物ヲシテイル」


貴様ら 事情 知らん、オレ様 頼み 果たすだけ」





身もフタもない事を言い放ちながら彼女は
震える手で出された品物をカフィルへと手渡す





「おいおいおいネェちゃん、オレらが何してるか
分かってるワケ?その気になればアンタなんか」


二秒で挽き肉、と言いかけた男のニヤケ面に


ルシロは迷いなくペッパー弾をぶっ放す





にぎゃああぁぁ!?目が!目があぁぁぁぁ!!」


「テメェ一体何しやがんだ、ぶっ殺す!マジ殺す!!


オレ様 発明 最強!食らうの 嫌なら 出てけ」


「ちょっとお客さん何してんだアンタあぁぁ!?」





たちまち阿鼻叫喚の地獄絵図と化し ルナルーと部下二人が
飛びかかろうと鋭い牙を見せるものの





「何をしている!」





騒ぎを聞きつけた、ルーカス一家の人間と思われる
見覚えのある悪人ヅラが近づいて来るのを見て


狼達がそちらに気を取られた隙にカフィルが呟く





「面倒だ、引き上げるぞ」


おっおう!任せちょおけっ」





万が一の時の為、グラウンディがあらかじめ持たされていた
ビンの水を法術で"濃い霧の煙幕"へと変え


視界が塞がれたドサクサに紛れて 三人はその場を離れた









…それでひとまず諍いは回避された ハズだったのだが







「見ツケタゾ!貴様ラヨクモヤッテクレタナ!!」





ソニアが出されたデザート皿のクロッシュが開かれる
まさにそのタイミングで


応接間のドアを開けルナルー達が乗り込んできた





「追って来たのか…面倒な」


「アネさんは鼻が利くんだよ、そこの白衣のネーちゃん
すっげぇ油臭いし体臭濃いからいい目印になったぜ」


「お前まだ風呂ふぁ入ってなかったのかよ!?」


てことで逃げられねぇぞ覚悟しろテメェら!
まずはオレに変なモンぶつけたそこのネーちゃんからだ!」


「なら来い オレ様 科学 分からせてやる!」





避けようのない戦闘の空気にロズリーはうろたえ
残る二人は即座に身構える、が





「喧しい人達ね、暴れるならまずワタシが
デザートを食べてからにしてちょうだい」



うるせぇ!あそこまでコケにされてて
こちとら引き下がれるか!邪魔すんなら「ま、待ってちょうだい」


動じぬソニアに戸惑いながらも気炎を上げる男へ

おどおどしながらもロズリーが問いかける





「な、何があったのか知らないけど争いはよくないわ?
きっとお腹が空いてるからイライラしてるんじゃない?

ねぇ、よかったらアナタ達もアタシの新作食べてかない?


はぁ?おい何言ってんだテメ」


構わないわよ、ワタシの分が減らなければ
仕事柄色んな人と食卓を囲むのは慣れているし」





さらりと肯定され ロズリーが厨房へ引っ込んだのを見て

男達がルナルーへ困ったような視線を向ける





「ど、どうしますアネさん」


「…クダラン、全テコノ場デ噛ミ砕イテ」


が物騒なセリフが当人の腹の虫に中断され


今度こそ、彼らの目が点になった





「神腹へってんだじゃねーか」


黙レ 貴様ラ噛ミ砕クタラメシ食イニユク」


私(わたくし)どもとの決着ならば後でも出来ましょう

今は屋敷の主人であるソニア様のご厚意に預かり
御空腹を満たされてはいかがでしょうか?」





視線で牽制をしつつ、相手が食欲へ傾く事に賭けて
道化師が言葉を投げかける





金色の瞳がしばし彼の顔とソニアの目の前に出された一皿を見やり


ルナルーが黙ったまま着席した





「ちょっ!?アネさん本気で食うんですか?」


「…マズカッタラ皆殺シニスレバイイ」







彼女が座った以上

残る二人の男も席につかぬわけには行かず





一挙一動を道化師達に見つめられる中


招かれざる三人の前にも、ロズリーが
新作デザートを運んできた





はぁいお待たせ、じゃあどうぞ召し上がれ?」


クロッシュが順繰りに開けられ…







ルシロと男二人が奇妙な叫び声をあげた





何だアレ お前 式刻法術 失敗物か?」


「ロズリーのジシャク料理はあんな感じで見た目が神ザンネン
…おい待てルシロ、それどっきゅ意味だ」





皿の上に乗せられたソレは 新たに生命を宿して
動き出しそうな躍動感に満ちた…モザイク必須の物体である


漂うニオイが甘さと気品に満ちていなければ

即座に料理を出した彼の顔面へ投げつけられて
殺し合いが再開されてもおかしくない代物だ





「おい、マジで待ってくれコレ本当に食うのか!?
いやそもそも食えんのか!?ニオイはやたらいいけど!!?


「食わず嫌いは良くないわよ?見た目がひどくても
食べればおいしいって事はよくある事だもの」


うわあの女食ってやがる!いいトコのお嬢様じゃねぇのかよ」


「ワタシは見た目だけで食べ物の対応を変えたりはしないわ

心理描写とかして悩むヒマがあれば、出来立てをさっさと
食べてしまえばいいのよ 彼女みたいにね





臆せずデザートを口に運ぶソニアの視線を追ってみれば


そこには野性的にデザートへがっつくルナルーの姿


「アネさぁぁぁん!?男らしすぎませんか!!」


「ど、どうかしら 今回のは自信作なんだけど」


おいしいわよ?見た目は際物だけどやるじゃない」





簡潔ながらも細い糸目を僅かに開眼させたソニアから
笑顔の評価をもらい、喜ぶロズリーを横目に


男達二人もおっかなびっくりデザートへ手を付け始め


ルシロは、彼らの表情が変化した事をも含めて
現状へ大いに驚いているようだった





「料理 奥深いな」


そうなのよ、まだまだ挑戦しがいがある世界だわ
よければアナタ達の分も出せるかお願いしてみましょうか?」







…丁重に断った道化を除き


急遽、屋敷の応接間にて開かれたお茶会は
デザートの見た目と反して好評の内につつがなく終了し





「…まだ暴れる心積もりはあるか?」


「ど、どうしますアネさん」





成り行きながらも食事を振る舞われた事で毒気を抜かれ

殺し合う空気で無くなったと理解したようで





苦々しい顔をしながらも、立ち上がったルナルーは言う





「主ノ命令ハナイ、ココハ貴様ノ食イ物ニ免ジテ
退イテヤル…ダガ次ハナイ


「えっ いやいいんすかアネさん!」





不満はあれど配下の彼らもこんな状況で殺し合いをするのは
どうにも気分が乗らないらしく


渋々と彼女の後を追って屋敷から退散していった





「あの人達は何だったのかしら?」


「最近 南側で騒ぎを起こしていた者達ですよ
食材調達の際に少し揉めまして」


そうだったの!?何だか悪い事しちゃったかしら…
ごめんなさいね大変な事頼んじゃって」





申し訳なさそうに謝るロズリーとは対照的に





「起きた事 仕方ない 悪いの アイツら そうだろ?」


「でょそーいうこった!むしろロズリーの料理のおかげで
アイツら追っ払えらんだからいいじゃねぇか」



いっそ誇らしげに女二人が無い胸を張っていたので


屋敷の女主人は殊更楽し気かつ上品に笑いを転がし


道化はただただ彼女らの図太さに呆れて肩を竦めたのだった








――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:クリスマス企画ネタでも書きましたがルナルーは
各地を巡って配下を増やしつつ 色々悪事働いたりしてます


配下1:人間どもの様子を探るついでにな
しっかしそこのネーちゃんマジでくせぇ鼻曲がりそう


グラウ:だからフフォ入れっつったじゃねぇか
てゆうか今から入るぞ!神についてきょい!!


ルシロ:明日にしろ オレ様 まだ 機械 調整…
術 使うな!こら!!


ロズリー:女の子なんだから乱暴なコトしないの
それにしても、アナタ達 どうやって屋敷に入って来たの?


配下2:オレらの身体能力ならアレぐらいの警備簡単に
出し抜けるしな、いざとなりゃ殺っちまえばいい


配下1:それよかメシの話だってのにアネさんも
そこの糸目女も反応薄くね?フレシアルなんてグロい花の
粘液が使われてんだぜアレ


グラウ:それだオレも神思う


ソニア:おいしいモノを食べた感想に長ったらしい御託や
大げさすぎる表現なんかいらないでしょう?


ルナルー:ソウダ、人間ハスグ味ガドウコウウルサイ
食イ物ハ食エテウマケレバイイ


カフィル:著しく身も蓋もありませんね




アウク鉱石と作家が"神来光"を見に行く情報は
ここでソニアから入手し、本編と繋がります


読んでいただき、ありがとうございました〜