さぁさ異常、さぁ異常!


もう一つの伝説を 信じて消えた彫刻家の妻


事故によって失われた村で
ただ一人生き延びた少女


妻の失踪を哀しみ、少女との出会いを糧に
苦悶を続ける二十六代目を


採石場にて見かけた彼女の背後にいたのは?


そして、血相を変えた末弟子を追い

道化師が向かった先は―








工房の作業場に転がっていた椅子へ腰かけ


弟子の一人が、しかめ面を外へと向けつつ呟く





「ったくロイコのヤツ、ガキ同士で
こんな時間にどこに行きやがったんだか…」


「二人とも 仲がよろしいようでしたからね」


「まあ…アイツも話し相手が師匠ぐらいしか
いないっスからねー退屈してんでしょ」





どこか他人事のような彼の口調に


同じように腰かけていたヨハンは
整った面立ちを、悲しげに歪めてこう返す





「そのお言葉から考えるに、アナタ方は
ロイコさんの世界と己の世界を繋げようとは
なさらなかったようですね…」





空気が 何とも言えない重さを増した





「きっと慣れぬ土地にて寂しい思いをされていた筈
…向き合おうとはなさらなかったのですか?」





通りのいい低い声で 諭すように訊ねられ


弟子は視線を左右に泳がせながら

場を取り繕うように、口を動かし始めた





「可哀そうだとはオレも思うっスけど…
やっぱ、事故を起こすヤツと仲良くすんのって
コワいじゃないスか、それにヨソモンだし」


「私やカフィルさん達も余所者ですよ?」


「ヨハンさんは別っスよ!」





言い切る事で、フィグマの弟子の一人は

村の大勢と…ひいては自らの態度を正当化するが


吟遊詩人には ロイコと自分達と村の者達に
横たわる差など 無いに等しいように思えて





黙って見つめ返す眼差しに


責められているような心持になった弟子は
再び視線を、外の方へと逸らした





「ま、まあ道化師の兄ちゃんが責任もって
ガキ二人を連れ戻しに来るっスから!

オレらはそろそろ寝ときましょうか、ねっ!





自分達が工房へ戻る、ほんの少し前に


そう告げて出て行ったカフィルの姿を思い出し





「いえ…私は、もう少しだけ宵闇の空間で
思案を重ねながら 皆様が戻るのを待ちましょう


不安を隠してヨハンは、柔らかく微笑む











〜二十九幕 嘆カレシ事故〜











…不気味なほどに赤い 静謐な湖は
夜の帳を吸い込んだかのように黒く変わっていて





その昏い水面に浮かぶ小島のほとりで


先程まで、バシャバシャとうるさいくらいに
響いていた水音がピタリとやんだ





加工用の石を一カ所へまとめる為の 金属製の桶


その桶に満たされた赤い水の中へ

頭をつけられたグラウンディはもはや
ぐったりとして…身動き一つしない


いや、意識があったとしても


身体に幾重にもまかれて姿勢を固定している
縄のせいで


ロクに抵抗など出来はしなかっただろう





草色の後頭部から、僅かに滲む赤い色は


呪われた湖の飛沫ではなく…少女自身の血液である





「後は…後、一息で…」





荒い息をついてひざまずく初老の彫刻家は

軍手をつけた両手で、息の根を止めた
少女の肩へ手をやり


すぐ側の木立から近づく足音に気づいて


足元に置いてあった鈍器を片手に
握って顔を向けた、その姿勢で…固まった







やっぱり…いつかこうなる気がしたんですよ」





そこには、青い顔をした愛弟子が
息を切らして佇んでいた





ロイコ!どうして」


「こうならないように努力してたのに…
本当 僕は役立たずで疫病神だ」





動揺し続けるフィグマの肩越し


もう動かなくなったグラウンディ
今にも泣きだしそうな顔で見て


ぐっ、と言葉を飲みこんでから





「ねぇ師匠、その子は僕のせいで死んだんです
だからその手を放してあげてください」



ロイコは…不自然に笑いかける





桶に顔をうずめ続けている少女の肩からも


幾重にも布を巻きつけた金槌からも





手を離す事なく、彼は声を絞り出す





「何を言っている…私は自らの手で
芸術を作り上げているだけだ」


「僕が師匠から教わった芸術は、石や岩へ
命の息吹を与えるモノですよ」


「…ふがいない私の手では、こうするしか
もはや理想の芸術は出来ない」


「今ならまだ踏みとどまれます

僕が、代わりに全部引き受けるから
事故のまま終わらせてください」


何を言う、最後の神と同じ形の耳を持つ
この少女ならコッフェも喜ぶだろう」


「そんな恐ろしい事、奥さんは望んでないハズだわ」





直後、平行線のまま会話を続けていた彫刻家が


鬼のような形相で一喝する


「お前に私の何が分かる!!」





一喝にびくりと身を竦め


末弟子は、それでも諦めず説得を試みる





「分かりません…僕だって
グラウじゃなきゃ きっと黙って」





けれど皆まで言葉を待たず


グラウンディの頭を金属の桶から引きはがして


フィグマは、桶の中にたまった水を
自らの周囲へと振りかける






呪われた水の飛沫を恐れ 身を引いたロイコを睨み





「邪魔をしないでくれ 私はただ
美しく完璧な石像を、島に納めたいだけなんだ


足下に転がる少女の骸を両手でつかんで

彼は、湖へと思い切り







「笑わせるな」





低い一声を浴びせられて


師弟二人の動きが、止まる





「死体で芸術など作れるものか」





言いながら…ロイコの更に後ろから
近づいてくるカフィルを目にして


思わず死体を放り出し、フィグマは再度
動揺を露わにした





「そんな…アンタ、どうして!?


「著しく顔色を変えた、そこの娘を追ったまで」





ちらりと色違いの双眸に射すくめられ


ロイコは ハッと顔色を変える


「あの時…っ!」


「まさか、採石のための洞窟に
この島への地下道が隠されていたとはな」





言いながら、道化は弟子を追い越し彫刻家へ迫る





「その子供を…返してもらおうか





返事の代わりに 金属製の桶を頭に投げつけられ


赤い飛沫を浴び、異臭と目を刺す痛み
顔をしかめたカフィルを無視してフィグマは


グラウンディの死体を抱えて逃げ出す





「…逃げ切れはしない」


不快そうに服の袖で顔を拭って


カフィルは、逃げだした相手を追う





少し遅れて、ロイコもその背へついていった







木立を縫って、駆ける前方の師匠を追いながら


少女は青い瞳を 少し先にいる
派手な衣装の道化師の頭へと向けた





「ねぇアンタ 水被ってたけど大丈夫なの?」


「さして被害はない…ついてくるな
面倒は見きれんぞ」


「足手まといになるつもりは無いけど
このまま、帰るつもりも無いのよ」


「お前は、全て知っていたな?」





確信めいた道化師の問いかけに


弟子は…ため息を落として
ただ自虐的に笑い、こう答える





「だから…湖に人が近づかないよう
事故を起こしてたのよ、こうならない為に


「だが、止められなかった」


「そうね、それもこれも…そもそもこの島への
通路だって 僕が採石場に行かなきゃ、ずっと」


岩の下に埋まって、と続けた彼女の言葉は


乾いた地面からボロボロの石畳へと
足を踏み入れると同時に 勢いを無くした







小島の中央へ位置していた


朽ちた祠のすぐ側で、彫刻家はようやく
足を止めて彼等へと向き直る





「見るがいい…コッフェは、私の妻は
今もなお美しい姿だろう?」






死体を小脇に抱えて、誇らしげに
フィグマが指し示した祠の横のモノ


両者の視線は釘付けとなっていた









祠の横にあったのは


まさに…生きていた人間がそっくり
石化してしまったかのような精巧さを持った


今にも動き出さんばかりに生々しい 女の石像だった








「そ、んな…師匠、ウソでしょう?


「貴様はその石像が、呪いによって人間
石に変わったものだと言うつもりか?」





二人の否定へ反論する形で





「その通り…カルートの呪いは今も生きている
アンタだって見たハズだ、湖から打ち上げられた
いくつもの"石化"した動物の死骸を」


初老の彫刻家は 油断なく身構えながら
彼等へ、過去を語りかける





「昔からフィグマを継ぐ者には、この島へ続く
隠し通路が伝えられていた」





元々それは石像を祠へ納めて呪いを鎮めるべく


石像を作った者が、安全に祠まで
行き来できるよう作られたものであり


その存在を知る者は…村長とフィグマの名を
継ぐ者だけだったという





しかしていつからか、通路は落石により塞がれ


口伝もすっかりと忘れ去られ


二十六代目のフィグマ自身も
その話を、昔話として記憶の片隅に押し込んでいた







だが…弟子にしたロイコをはじめて
採石場へ連れて来た日


軽い地震が起こり、ちょうど石を掘っていた
弟子の一人が怪我を負った


その手当をしている最中に





「崩れた岩場の陰から…入口らしき戸板が
見えた時、私はあの話が本当だったと知った」





一旦 弟子達と共に工房へ戻り


皆が寝静まるのを待ち…彼は深夜に
その通路を使い、島へと渡り





そうして島を歩き回っていた
フィグマの目の前に





湖から、眠るように穏やかな死に顔の


妻の死体の石像が浮き上がり 岸へと
流れてきたのだと言う





「流れ着いた妻の、完璧な美の前では
私の生み出した芸術など…無為に等しかった


その時の喜びに打ち震えている、彼の声と
表情を見て取って





「それで、わざと噂を流したか」


侮蔑の混じった、こげ茶と鈍色の瞳が眇められる





「よそ者をおびき寄せ…自らの作品にするため」


「その通り、だがずっと上手くいかんかった」





グラウンディの身体を祠の後ろへと放り


いつの間にか両手に、黒い液体の入った茶色のビンと
布を巻いた槌を携えて





「だから今度こそ成功させる…邪魔をす







叫ぼうとしたフィグマは、目と鼻の先に
間合いを詰めたカフィルに驚き


反射的に金槌を相手の胴へと打ちこんだ


だが金物を叩いたような手ごたえに

戸惑った彫刻家が 次の行動を起こすよりも早く


両腕をつかんで捻り上げられ


軍手に握られた獲物が、二つとも滑り落ちる





「ぐっ…!?」





石畳へと落ちた瓶は割れ


大きなガラス片から流れ出した赤い水は
たちまち石に吸われ、濃い異臭を辺りへ漂わせる


残った槌を足で遠くへと蹴り飛ばすと


左側へと突き飛ばして へたり込んだ
フィグマを見下ろしたカフィルが





左耳のピアスから…赫い鎌を引き出した





「面倒な事情も、動機も興味はない…だが」





あまりにも理解を超えた展開と


振り上げられる鎌の刃に





「人の連れ合いを手にかけた報いは
身をもって受けてもらおう」



道化の怒りに直面し…初老の彫刻家は
恐怖に打ち震え、息を止めた





その まさに修羅場となった空気の中







「待ちなよお兄さん」





怯える師匠と、道化の間に弟子が割って入った





「そんな物騒なモノ持ちだして威勢がいいのは
結構だけど、アンタに師匠を罰する権利あるの?


「退いていろ…手元が狂う」


「そう、手元が狂って自滅する事が
あるかもしれないから気をつけないとだわね」





痘痕の残る顔に、脂汗を流しながらも


ロイコは青い瞳を一瞬たりとも
相手から逸らそうとせず軽口を叩く





「その男は罪人だ」


「分かってるわ それでもこの人は
僕の師匠で、大事な人なのよ」


「…庇うのは、拾われた恩か?
それとも罪滅ぼしの「どうだろうね?」





淡々と揶揄する道化師の言葉を、敢えて否定せず


呪われた少女は不自然な笑みで応える





「自分の気持ちなんてさ…自分にも他人にも
神様にだって分かんないわよ」





その手には、先程カフィルが
蹴り飛ばした槌が握りしめられていた





「分かったなら…それは神様とやらが
与えてくださりやがった事故って事よ!」



「神なら…こきょにいんぜ!」





一際高い声が 古びた祠の後ろから発せられた





「…え」


「あーもー頭殴るわぐりゅるぐる巻きで
しばるわ、神をなんだと思ってんだよ


噛みまくりな舌足らずの言葉で不平を吐き出し


縛られたまま、器用にぴょこりと
起き上がったグラウンディの顔を見て





さしもの彫刻家師弟も仰天した





「う、そ…グラウ、なんで、生きてるの!?


「死んだって生ききゃえれるんだよ
なぜならオレは神だからだ!!


堂々と宣言し、ごほごほとむせた少女は


口から湖の水を吐き出してから

さも何事も無かったかのように続ける





「事故がふぉきるから何だってんだ?バーカ

神でもねーお前が不幸やジーさんの罪を
しぇおおうなんて百億兆年早いぜ!!



"背負う"な、あとそんな年数は無い」


「ひっひとろ決めゼリフの腰折んな!
あとこのナワほどけっての!!」






顔を赤らめながら、千鳥足で歩み寄ってきた
グラウンディの縄を切ろうと


カフィルは具現化していた鎌を納め
袖口から小さな投げナイフを





取り出した、その隙をついて


立ち上がった彫刻家が少女の身体を
無理やり引っ張り 片腕で抱え込んだ





「うごぎょうがうあっ!?」





その勢いで彼は、道化師から距離を取る





「貴様…面倒な真似を」


動くな!私は…私は!!」


「師匠!もう止めてっ、きゃあ!!


すがりつこうとした弟子は突き飛ばされ
祠へと身体を打ち付けられる





その衝撃で…隣に佇んでいた石像が傾いで


石畳へ横たわるような格好になっていた
ロイコへ向かって 大きく倒れこんで来た






「…ロイコ!!





瞬間、それまで人質代わりに
抱え込んでいた少女を放り出し


急いで半身を起こすも間に合わない事を悟ってか

固まったまま石像を見上げていた弟子を
体当たりで突き飛ばし







彼は落ちてきた石像の下敷きとなった







「し…師匠!!


必死の面持ちで駆け寄ろうとするロイコを
カフィルが押し留める





「近寄るな!危険だ」


「けど、けど師匠がっ」


「待ってろジーしゃん今助けんぞ!!」







大急ぎで石像は取り除かれたが


下敷きになった位置が悪かったのか、フィグマの
身体はあちこち折れ曲がり


身を突き破った骨と 散らばっていた
ガラス瓶の破片が胸を裂いて



彼の口と胸から…血を止めどなく溢れさせていた





あまりの惨状に口元を抑えてから


こみ上げる吐き気をぐっとこらえて


法術を唱えるべくグラウンディが
彼にすがるロイコの隣に並んだのを見て


虚ろな瞳でフィグマが…小さく首を横に振る





「もういい…すまなかった
私はこのままでいい…もう、助からん」


「そべっ、そんなコド…でぎるきゃよ!





なおも式刻法術を発動させようとする少女だが


死と呪いを振り払ったばかりの身体と
乱れきった精神(こころ)では


死へ誘われつつある彼を癒す事など到底出来ず





簡単な文言さえも、間違えた彼女は


道化に肩を叩かれて…ようやく諦めた







「ロイコ、お前を引き取った時から
私は…お前を、この手で湖へ


「僕はそれでもよかった、もしかしたら」


それこそを望んでいたのかもしれない、


あの日の孤児は 師の歪な殺意を肯定する





「けどな…共に暮らすうち、楽しかった
コッフェとの日々が、よみがえったようで」


「師匠 もう、それ以上は」


「すまない 頼む
私を、妻と共に…眠らせて…





後の言葉は、もはや声にはならず


うな垂れるようにして目を閉じた
フィグマに覆いかぶさるようにして


彼の愛弟子は…嗚咽を漏らした









落下の際に 砕けていくつかの破片となった
彫刻家の妻と、二十六代目の天才



両者の骸は通路から秘密裏に採石場へ運ばれ


法術で、完全に通路の入口を
周囲と同じ材質へと変えて塞いでから





道化師は…彼の一番弟子を呼びだした







「そ、そんな、ウソだろ…師匠が


「残念ながら 私(わたくし)どもが
見つけた時にはこの有様で…」





三人が口裏を合わせた為


フィグマの事故死と、直前まで彫っていただろう
"愛妻の像"の話は工房づてで村中に広まり





稀代の彫刻家は…最期の望み通り


愛する妻と共に、葬られたのであった











「師匠が僕を拾った事と 育ててくれた事…

それぞれ感謝はしてるけど、やっぱりそれは
出会っちゃいけない事故だったのかもね」





"ラント=リオン、愛する妻コッフェの像と
共にここへ眠る"
と刻まれた墓碑を見下ろして


ロイコが旅芸人一同へ振り返ったのは


葬儀も済んだ、その翌日だった





「ロイコさん…本当に 村を出るのですか?」


「それ、そっくりアンタらに返すわよ
特に詩人のお兄さんは 兄弟子らに好かれてたでしょ」


「私としても名残惜しくはありますが
"伝説"を追って世界を詠うのが、我が道ですので」


「じゃ僕は 工房に愛想尽かしたって事で」


「工房は、一番弟子の方が継いだそうですが?」


「先代の器をあっさり継げるほど
"フィグマ"の名は軽くは無いと思うけど?」



手厳しいですな、とカフィルが笑う







赤き湖から漂う異臭に包まれた 村の昼下がり


四人が去るのを望んではいても


見送ろうと思う者は、村の中には
ただの一人もいない





彫刻家の墓とイレン村を後にして


街道の分かれ道で グラウンディが
ロイコへと誘いをかけた





「どーせキラわりゃ者同士なんだから
オレらの旅についてかにぇーか?


「それも悪くないけど…つまらない事故に
遭う危険は 少ない方がお得じゃない?」


「…面倒な道連れが増えた所で
今と大して変わりませんよ」





渋面の道化師に触発され


賑やかな方が楽しい、と吟遊詩人が


誰が面倒な道連れだ、と少女が交互に口にするも





何か縁さえあったなら僕に会えるでしょ
そん時までには、考えとくよ」


稀代な彫刻家の愛弟子は、いたずらっ子
ような顔で笑うと手を振り


三人から離れて ただ一人街道を歩み去って行った








――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:お待たせしたのもあって、今回は
大容量にて完結させていただきました!


カフィル:単に回収しきれず詰め込んだと言


狐狗狸:大容量でお届けしましたぁっ!!


グラウ:あきゅまで言い張るのか…つーか
フィギュマのジーさん、なんでハンマー持ってんだ


ロイコ:ああ、アレ外での採掘用
布で巻いてあるのは危険防止のためなんだけど


狐狗狸:散歩の際の獲物探しでも持ち歩いてた、と


グラウ:神おっかなきゃえぇ…


カフィル:島に渡ったのは"石化伝説"
確かめたかったか、己の妻を探すためだったか…


ロイコ:師匠が切羽詰まってるのは気づいてたけど
…まさか、呪いが実在したなんてね


狐狗狸:さすがにそこまでは分からなかったわけか
それにしても すっかり君も二人の旅仲間だねぇ


ヨハン:光栄です、ただ工房での日々は
とても素晴らしく弟子の方々も熱心に留まるよう
仰ってくれていましたから少々心苦しかったですね


グラウ:好かきゃれてたの、ヨハンだけだけどな




初代フィグマの苗字と、二十六代目の姓は
同じですが…血縁か単なる同姓かは不明です


彼等の行く手を阻むは、頑強なる国境…!?