それは 数週間前のの言葉から始まる







「オニシバちゃん…最近女の匂いしない?」





鼻を引くつかせながら言う





「気のせいでさ…というより譲ちゃん
その台詞は嫁さんの言う台詞では?」







多少引きつった顔をしながら返すオニシバに


はおもむろに眉を吊り上げると





「そんな事はどうでもいいのよ!」


と怒鳴って 相手にズイッと詰め寄る









「最近タイザンちゃんとちゃんとイチャイチャしてるの!?」


Σイチャ…なんつうこと言うんですかぃいきなり;」


「だぁって二人の信頼とかがさめてないか心配で〜」





両手を組みながらわざとらしいポーズをかます
苦笑しながらオニシバが









「心配しなくても 旦那とあっしの信頼関係は
そんなにやわじゃ」


と 返そうとするその言葉を遮り







「いつそれが崩れるかわからないじゃない!
いいから愛情を深めにいきましょ行きましょ!!


「Σいっ ちょちょっと…!」









は言いたい事を言うと 陰陽リボンで
オニシバを縛り付け 無理やり強制連行していった…











これよりしばらく、似たようなやりとりが二人の間で起こる











〜「ちぐはぐ」〜











…また いないのか





伏魔殿で迷子になった俺は呟く







ここしばらく 何でか知らんがオニシバの姿を見かけていない











初めは、
襲われたりる事もなくてせいせいする と思ってた





…でも 段々会えない事に張り合いのなさを感じていた










この所、戦いが終わったわけでは無いが


妖怪の出現や闘神士同士の戦いとかが減って、
割と落ち着いている





神流の活動もとりあえずは落ち着いてるみたいだし


アイツも相変わらず暇そうにしているのしか見たことない







「まさか…他の女といちゃついて?





いや あいつに限ってそれはない…と思いたい;











嫌われたんだろうか…





でも何も言わずにいなくなるのは腑に落ちない











考えていても仕方ない


俺はオニシバに会いに行く事にした















それからしばらくして ようやくあいつを見つけた





いた!!!





あいつはこっちに気付いて 嬉しそうに手を上げていた







「オニシバ!!」


俺は堪えきれなくなり 思わず駆け寄って―







「歯ぁ食いしばれええええええっ!!」







渾身の力を込めた右ストレートで顔ぶん殴って張り倒した





「いっ…イキナリ何するんですかぃ!?


「るっさい!」





頬を抑えて非難する 相手の胸倉を掴んで一括








「なーに何事も無かったかのように笑顔で手ぇ振ってんだ!
最近姿くらましやがってどんだけ俺が道に迷ったか!!







…オニシバを探す内 頭の中で渦巻いていた不安
勝手に強くなっていたみたいで、


顔を見た途端条件反射も含めてムカついた









「いや それはあっしの方にも色々野暮用が…」





俺にガクガクと揺さぶられながらも こいつは反論してくる


それを無視して 俺は言いたいだけ言う





「いつも前触れ無く出て来て追いかけるくせに勝手に
いなくなりやがって!俺がどれだけっ…」







そこで少し怒りが収まって 揺さぶるのをやめて、低く呟く









「どれだけ…寂しかったと思ってる」











勝手な言い草かもしれない でも、









むかついてるなら俺に愚痴れよ 縁切りたいならそう言えよ











黙ってまた、俺の前から……いなくならないでくれよ…













それ以上口を開けず俯いた俺の顔に 暖かい手が触れる





「あっしは 黙ってさんを
置き去りになんかしねぇさ」








顔を上げると 優しく微笑んだオニシバの顔があった





そのまま柔らかく唇が塞がれてゆく…











どれくらいの時間 そうしていただろうか





口付けが終わり あいつの手が頬から下ヘ、
ゆっくりと滑り始める


いつもなら咎めるその行為も 今は振り解きたくなくて…













「オーニシーバちゃん♪」





突然聞こえたその声で 胸に触れた手が止まる


声の主は オニシバの後ろにいた春灯族だった







…譲ちゃん 何でここに?





「オニシバちゃんを迎えにきたのよv
それより こんなつり眼女狐とどうして一緒にいるの〜?」







現れたその春灯族は イキナリ人の事をけなし


オニシバの腕に引っ付きながら
馴れ馴れしい感じでしゃべりつづける





ってゆうか誰だよコイツ お前の知り合いか?







「ねぇ、こんな女ほっといて と一緒に行きましょうよ〜」


Σまたですかぃ 勘弁してくだせぇ;」







"また"?"一緒に"?





ひょっとしてこいつ、この春灯族と
一緒になんかしてたから 最近見かけなかったのか?









急にさっきまでの気持ちが やり切れないムカつきに変わる







俺は後ろを向いて





「……帰る」


「Σちょっ 待ってくだせぇさん!!





アイツが止めるのも無視して その場を後にした









―しばらく顔合わせてやるもんか









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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:いつだったか…Mとだべってる時に
狐がやきもち妬いてみるネタはと言われ、
書いてみました(苦笑)


ちなみに元夢主キャラ(BL担当)式神
彼女の闘神士(夢主)も神流に所属してるという設定です


オニシバ:駄文な所にゃ目を瞑るとして
今回はさんと甘めな雰囲気
なれやしたねぇ(嬉しそう)


狐狗狸:でも 話が終わってみれば得してんのは
結局(笑)


オニシバ:…あそこで邪魔が入らなきゃなぁ(もっそい残念気に)


狐狗狸:表で報われっぽいのになると思うんですか?


オニシバ:…その発言は宣戦布告ですかぃ?(ジト目)


狐狗狸:スンマセン 調子乗りました(謝)