私は生まれつき、霊感と言うものが強かった
物心ついてから大抵のものは見えたし 死んだ父も
父の祖父もそういう体質だったみたいだ
(あと 母の実家が神社という、出来過ぎな位の三点セット)
…だからといって 便利かといわれるとそうでもない
見えるせいで友達少なかったし、
その手のものが寄ってきたりするから
そっち系の勉強とかを必然的にしなきゃならなくなったし…
まぁ お陰で、その知識と霊力を利用して
呪術代行サイトの管理人やってます
評判が結構良いから 一日のアクセスも多く
小遣い稼ぎにはもってこい…だけども
やっぱり呪術代行をやってると よくないものが溜まりやすいから
憑き物とかを落としたり祓ったりする事も当たり前になった
前置きが長くなってしまったが、ほぼ霊能少女な私は
太刀花リクという男が気になっている
〜「間違いな標的」〜
初めに入学した時は アイツは普通の同級生だった
訂正、普通よりかなり雰囲気が違ってた
何ていうか 平安時代の人みたいなおっとりした感じって言うか……
それに妙に女っぽい顔してるし、髪型変だし…
話を戻そう とにかく、気がつけば太刀花の側に
半透明の人のような奴がいた
青い虎模様の白猫と人を混ぜたようなそいつは
明らかに人じゃない
おそらく、悪霊か妖怪の一種だ
しかも 気になって太刀花を(可能な限り)見ている内に
色々ととんでもない事が判明
1.半透明の奴と喋ってた
2.その半透明の奴が時々実体を持つ
3.似たような仲間が他にもいる
…今のところこれだけしか分からないのは
太刀花が何処かに外出するのが多いのと、
基本的に"仕事"とかのせいで私の自由な活動時間が短いからだ
だけど、その事柄のすべては 何かとんでもない事が
起こっていると私に告げている気がした
……とりあえず 太刀花の後ろの奴を倒せば
何かが分かるかもしれない
「太刀花君…君の背後にいるヤツ、退治してあげようか?」
帰宅路にて 一人で歩いている太刀花に声をかけ
単刀直入に切り出した
「え?さん あなたもコゲンタ見えるんですか?」
驚いたように目を見開いて 私を見つめる太刀花
あの白っぽいのはコゲンタというのか…
いや、名前なんかどうでもいい!
とにかく肝心なことは 後ろのを倒すことだ
「見えるとも 安心して…こう見えても私
その手のものを倒すのに慣れてるから」
「え 倒すって…ええっ!?」
慌てふためく太刀花に構わず 私は札を用意した
するといつもの白猫がどこからともなく現れる
「オレを悪霊扱いする気か!!」
でたー こういうのに限って自分が悪霊じゃないって
自覚ゼロでほざくんだよな〜
確かに悪霊の禍々しい邪気は そいつからは無いけど…
中には邪気とか断てる悪霊もいるから油断できない
「扱いも何も悪霊みたいなものだろうが!!」
「何おーっ!悪霊と式神を一緒にすんなぁっ!!」
コブシを震わせてそいつは叫ぶ
てゆうか お前みたいなのが式神だとう、ふざけんな!
「うるさい!!私はお前を必ず倒す!!!」
言いつつ札を用意すると 太刀花が慌てて私にしがみついてきた
「やっ 止めてくださいさん!」
「太刀花 目を覚ませ!お前は操られてるんだ!!」
何とか腕を引き離そうとするけど 意外としつこく
捕まれている…やっぱこいつ男か
「この白虎のコゲンタ様を直接狙うなんて
闘神士の風上にも置けない奴だぜ!」
私と太刀花が揉めていると 白猫が吠えてこっちを睨んだ
「はぁ?トウジンシ?何だよそれ」
私がそういった瞬間に―
即座に 場の空気が白けた
さっきまでしがみついてた太刀花の腕が するりと離れた
……お前ら何さその眼は まるで私が悪いみたいじゃないか
「え……さんは闘神士じゃないんですか?」
「だから何 闘神士って?」
私のその言葉に 太刀花が戸惑いながらも説明を始めた
「闘神士って言うのは 式神を降神して戦う人たちの事で、
僕たち天流は陰陽大戦を終わらせるために
地流の人と戦ったりしてます」
降神?陰陽大戦??地流???
聞きなれない単語が 太刀花の口から飛び出す
しかし、話の雰囲気から何となく 何か複雑そうな事情が
絡んだ大きい戦いをしているらしいと分かった
そして 隣の白い奴も、本人が言っていた通り
悪霊じゃなく式神の しかも白虎だと言う事も
おそらく事実
…気に食わない
私だって霊感が強いのに、何故そんなのが現れない
どうしてこんな 一番闘いに向いてなさそうな
この男にそんなものがいる
そしてなにより―あんなへんちくりんが
伝説の聖獣"白虎"だってことが納得いかない
そんな不満を抱えつつ 私は疑問を投げつけてみる
「大体事情は分かったが…何故、太刀花みたいなのが
そんな戦いを続けてるんだ?」
太刀花は苦笑しながら コリコリ頭を掻きつつ答えた
「う〜ん…最初は僕も戦うことが好きじゃなかったんですけど
コゲンタが僕を信頼してくれているから 頑張ろうかなって」
「当ったり前だろ?オレ様は信頼の式神だからな!」
自信満々の"自称"白虎と 頬をピンクに染めた太刀花が
並んでいるその状態は…何ていうか……
イチャイチャベタベタしてるカップルみたいに見えて
思わず吐き気が催してきた
(自慢じゃないが私は恋人とかそう言うのが嫌いだ)
やべ、スッゲェうざい つか離れないとこのままじゃ
私、この二人を襲撃しそうだわ(汗)
「…そんなへんちくりんな猫を味方にしてるからって
いい気になるなよ 太刀花リク!!」
攻撃衝動を必死に押さえ、それだけ言うと
きびすを返して歩き出した
「えっ ぼ、僕ですか あの、さん!?」
「猫じゃねーっ!白虎だ 白虎!!」
二人分の叫び声を無視して 私は出来るだけ遠く離れた
…今回はその場の雰囲気に流されて何も出来なかったけどっ
次に会った時には 必ず"参った"って言わせてやる!
今に見てろよ 太刀花リクと白猫コゲンタ!!
歩きながら 私は新たな誓いをぶち立てたのだった
――――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)
狐狗狸:名前変換で リク君との絡みっぽいのを書いてみたんですが
絡みっつか…完全ギャグ しかも意味不明だよ(滝汗)
コゲンタ:相変わらずグダグダな駄文書きやがって
狐狗狸:うるちゃい 駄文言うなー(駄文だけどっ)
つか 闘神士とか大戦に関わってそうなの以外の視点なら
どうなんだろうなーって考えて書いた物でもあるのあれは!
リク:あの…さんに何で恨みを持たれなきゃいけないんですか?
狐狗狸:いまさら勘違いでした って言えないからだと思うけど(笑)
コゲンタ:本気で適当だな(ジト目)
さん そして読者様、ここまで読んでいただいて
ありがとうございました!