「……何だこれは?」


ミカヅチビルの 天流討伐部部長、タイザンの部屋で





部屋の主であるタイザンが 自分の机に置かれたものを
疑わしげに凝視していた





その目線にあるのは やや大きめのバスケット


上には赤い字で紙に「私を食べて」と書いてある









「………オニシバ」


「何ですかぃ 旦那」
タイザンの呟きと同時に 彼の隣に幽体のオニシバが現れる





「今から降神する、このバスケットを開けろ」


「…あの 用はそれだけなんで?」


「つべこべ言わずに 言われたとおりにしろ」





へい、と彼は呟いて 降神されて間を置かずに
机の上のバスケットを開ける







途端 二人の顔が思い切り引きつって





―――――――!!」





タイザンの怒鳴り声が 部屋中に響いた











〜「事実はゲームよりもコワイ」〜











「怒っちゃってどうしたの〜部長〜」


呼び出されたと言う少女は タイザンの怒りのオーラ
目の当たりにしても へらへらとしていた





「どうしただと?こんな悪趣味な嫌がらせをするのは
貴様以外にいないだろうが!!」


そう言って タイザンがバスケットの中身をに見せる







「え〜せっかく部長のために作った自信作なのに
ヒドイ言い方」


やかましい!こんなものを作るくらいなら
仕事の能率を上げんか!!」





タイザン部長は青筋を立てつつ バスケットの中の子供の腕


いや、子供の腕を模して作られた
ストロベリージャムパン
を指差した







「気に入ってくれると思ったのに〜最近ハマったゲームに出ててさ〜
指とか味とか忠実に再現したんだよ?それ





「ああ凝ってたな 懲りすぎててオニシバがいなければ
危うく警察に貴様を殺人犯として通報してたところだ!!





「やだな〜こんなのホラーじゃジョークの一部だよ?
笑って受け流せないようじゃね〜」





うるさい!大体貴様は事あるごとに悪趣味な悪戯を
仕掛けおって 私に恨みがあるのか!!





「いや〜疲れてるだろう上司への心配りだよ ほら、タイザン
地流と神流の二束のわらじで忙しいでしょ…それに疲れてる時は
甘いものが一番
って言うし で、甘いものを」


「こんなものを誰が食うかっ!!





バスケットを指差すを タイザンは勢いよく叩く


しかし はそんな事を意に介さず続ける







「そっか やっぱ和風にあんぱんの方がよかったのか〜
でもつぶこしとで悩むから、一番無難なストロベリージャム
チョイスしたんだよね〜」


頭をさすりながらアハハと笑う





その様子に呆れて溜め息をつくタイザン







「… 貴様もガシンと同じように西洋かぶれしている様だな
しかも、かなりくだらない方向に









「……饅頭の具にされて ウツホ様に差し出されたい?


途端 笑顔を顔に貼り付けたままがニッコリと宣言した







あたりの空気が ホラー映画さながらに凍りつく













「………二人とも その辺で喧嘩はやめにしやせんか?」


しばらくタイザンとのやり取りを見守っていたオニシバが
ようやく口を開いた





「オニシバ 別に喧嘩してないよ?ワザワザ甘いもの作ったのに
タイザンが食べてくれないって言うだけの話だもん」


「そうとも、喧嘩などしておらん!悪趣味な悪戯に
説教をくれてやっている
だけのことだ!!」





笑顔のとしかめっ面のタイザンが
同時にオニシバにそう告げる







「悪趣味じゃないもん その証拠に美味しいんだから
このストロベリージャムパン」


「いくら味が美味かろうと こんな気味の悪い形のもの
到底食う気にならん!オニシバにくれてやるわ!!





「え!ちょっ ちょっと旦那!!


とんでもないタイザンの発言に オニシバの顔色がまともに変わる







「そういやオニシバも タイザンに付き合って疲れてるよね〜
オニシバが食べるのも悪くないなぁ


までも へらへら笑いながらタイザンに同意する







しかし、いくらモノがパンだとはいえ こんな奇妙な形をした
物体を食べたい
と言う者など 滅多にいないのではなかろうか?


それは オニシバとて例外ではない










「…元は旦那に差し出されたものですし あっしは
遠慮させていただきやす!






それだけ言うと オニシバは神操機へとすばやく引っ込んだ







「Σこら!オニシバ 逃げるな!!」


タイザンは神操機をいじるが オニシバは返答をしなかった










「オニシバもああ言った事だし、食べるよね タイザン?







タイザンが振り向くと バスケットの腕を持ちながら
ニッコリと微笑むがいた…





BAD END
笑顔の刺客







――――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:前々からやって見たくて とうとうやってしまいました
初!名前変換のみの夢小説です〜


いや うちの固定キャラとかでも書けたんですけど
ネタが制限されちゃうのが悩みだったので
(あと キャラに制限もかかるし…いや好きで書いてますけどね?




タイザン:とか言った割には 散々長引いたな


狐狗狸:ごめんね部長 実は本館の改装とかで忙しくて…(泣)


オニシバ:騙されちゃいけやせんぜ こいつぁ気分がのらねぇとか
裏が書けねぇとかいって話進めなかったんですぜ?


狐狗狸:Σ言っちゃだめーーーーーーー!!


タイザン:ほほう…固定夢主の話も書くとかほざいておいて
ずいぶん余裕ではないか(黒オーラ)


狐狗狸:ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさい!!
(謝)




ちなみにさんがハマったゲームと元ネタは 実際にあります


「歪みの国のアリス」と言う ホラーの携帯ゲーム
私がハマってるモノです(聞いてないよ/謝)


さん そして読者様、ここまで読んでいただいて
ありがとうございました!