それは 普段どおりのの一言から始まった―





「ねぇねぇ 今日もヤクモ様グッズを探しに行ってよ〜」


「…お前またそれか?いい加減にしろよ」


「いいじゃーん ね、お願いお願〜い


「大体なんでグッズなんか探しに行くんだよ! そいつが
好きなら直接会いに行けっ!!







すると はもじもじしながら








「だぁって 直接会いに行くの恥ずかしいもん
と一緒ならいいけど」


巫戯んな 何で俺まで一緒にっ…
もしかしてお前が闘神士になったのは…」


「もちろんヤクモ様にふさわしい女になるためよv





満面の笑顔でそう言う相棒に
は呆れながらため息をつく






「じゃあ式神は俺じゃなくてもよかったってか?」


彼女は冗談半分 本気半分で問い掛ける






―そしての口からある意味 予想通りの言葉が出た










「そんな事ないわよ?
じゃなきゃ こき使ったり
お仕置きできないじゃない〜













"堪忍袋の緒が切れた"












…俺は、お前にパシられるために
契約したんじゃなーいぃぃっ!






そう吐き捨てて の元から飛び出した













〜「今更家出白書」〜













闘神士の元を飛び出したが向かった先は公園


公園に着くまでに何度か後ろを振り返ったが
自分を追ってくる気配はなし





その事に深いため息をつきつつ 彼女はブランコに腰掛ける








すると目の端に仲のよさげな闘神士と式神が
歩いている姿が映った








「あれ?さん どうしてこんな所に?


また買い物の途中で迷子になったのか?





リクとコゲンタがを見つけて声をかける







しかし 今の彼女にとってこの二人の姿は不快に映った





「うるせぇ…関係ねえだろバカップルが


オレ様が心配してやってるのにバカとは何だぁ〜





の言葉に気分を害した式神は威嚇するような口調である


しかし 彼女は怯むことなく相手を睨みつける







「俺が不幸のどん底の気分なのに
幸せそうなオーラ出しやがって!燃やすぞコラァ!!」


なんだとやるかこの!


「いいとも テメェなんざ
俺の白凪を使うことなくボコボコにして…






「まあまあ 止めなよ二人とも」


流石にマズイと思ったのか慌ててリクが静止する
二匹の視線は彼のほうに向いた






「リク コイツはオレ様の厚意を無駄にしたんだぞ!


そもそもこんな所で式神を降神しているお前が悪い!





二匹の式神から苦情を言われたリクは困惑しながらも
二匹をなだめようとする







「とりあえず落ち着いて二人とも どうしてこうなったの?」





リクは彼女の虫の居所の原因を探った







「別に アイツに嫌気がさしたんだよ
「アイツって…」


俺の宿主に決まってるだろ?」







の言葉に彼らは顔を見合わせる







「確かにアイツは闘神士としては最悪だが…何故今更?





コゲンタにしてみれば
己の闘神士にはなって欲しくない部類だが


とは上手くやっていたように見受けられた






「まあ今更ながら アイツの性格にウンザリしたんだ
ハッ、俺は何の為に…」







珍しくウツに入ったの様子に
かける言葉の見つからない二人







「…まあ さんに悪気は無いだろうから
そんな落ち込まなくてもいいと思うよ」


「そ そうそうどうせアイツだって…





そう言いかけたコゲンタの脳裏に いつもこき使われている
の姿が浮かんだ











結局かける言葉が無いので二人はそのまま去る事にした





「まあ…早いとこ仲直りしろよ」


さん またね」







はぼんやりと二人の姿を見送っていた












一人残された彼女は虚ろな目を空に向ける





といた頃は 喧嘩した事無かったのに…」









殿、どうかなさいましたか?





彼女に話し掛けてきたのは買い物帰りのナズナであった







「ナズナ…」


「何かお悩みみたいですね」





「実は…」






はこれまでのいきさつを話した











「つうわけで 帰るに帰れないんだ






ナズナは 深いため息をつくと静かに言った





「それでは 私の部屋に来ますか?」







彼女の言葉には無言で頷いた













そしてナズナの案内で部屋にやってきたを迎えたのは…
















静かに居間に座っていただった





…何処にいたのよ?


「公園に…っていうか 何でここにいるんだ?」


決まってるでしょう?連れ戻しに来たの







ばつが悪そうに言う





「じゃあ何で追いかけてこなかったんだよ


「追いかけても迷子になっちゃうだろうから
ここでが来るのを待ってたのよ…
ナヅナちゃん ありがとう」


「いえいえ」





は戸惑いながらに言った







何で今更?





「あたし言ったよ?
"じゃなきゃこき使えない"って」


さんと仲直りがしたいんですよ
さん」







ナヅナの言葉に やがてため息を吐きつつ







「はぁ〜家出したのが馬鹿らしくなったよ…ゴメンな


「いいよ じゃあ帰ろうか


「ああ」












は握手をして 家路へと帰っていった…








――――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:書き終えた――――――――――――っ長かったっ!!


リク:長いですねさんのお話
コゲンタ:しかもオチがしょぼい!!


狐狗狸:それは言うな!!急いで書いたんだから!!!


ナヅナ:さん、さんと仲直りできたのは
良かったですけど私の家は迷子センターではありませんよ?


狐狗狸:グフラ!ガフゴファッ!!




―マエストロ狐狗狸 吐血による大量出血により死亡(笑)