「ハァ…何でこう毎度毎度俺は道に迷うんだ…
何とか買い物ルートには戻れたけど…道は何処だ?」















突然名前を呼ばれ 思わず振り向いて構える
そこにいたのは…

















2年前に別れたはずの闘神士  だった













〜「破天荒仮結婚式」〜













会いたかったよ 


元気だったか?


「うん ありがとう




懐かしさと嬉しさが 胸の中でこみ上げる


色々あったけれど、会えて 本当に嬉しかった








「でね…今から一緒にきて欲しいところが
あるんだけど」


「あーゴメン それは無理なんだ…
今買い物の途中で…」





そんなのいいからいいから!







そういいながら有無を言わさず俺を引っ張っていった





ちょっ…〜!?
















そして ついた場所は…





 俺にはここが結婚式場に見えるんだが」


「そうよ ミカヅチグループが新たに建設した結婚式場なの」


「そして 俺のこの格好…」





いつもに着せられたドレスよりも ゴージャス度アップ


しかも眩しいほどに純白…







どっからどー見てもウェディングドレスじゃん!








「実はね 私この式場の視察に来たんだけどね…
ここを見てるうちにの花嫁姿が見たくなっちゃって」


「…それで俺をここに連れてきたのか」


「うん いきなりゴメンね





「いいよ じゃあ用が済んだからかえっていい?」







いいよ とがいうと予測していたが…











駄目 もう少し付き合って


えぇ?何に?


「折角の式場に花嫁だけはちょっと寂しいから…
お婿さんも呼んだの







予測外な台詞に 俺は慌てて





ちょいまて!俺結婚するの!?


そんなことさせないわよ!







そうだよな…他ならぬ親バカのそんなことしないわな





「じゃあなんで?」







「どうせ式場で 花嫁姿のがいるなら一回くらい
結婚式ごっこをしてみたくて…







ああ そういうことか


は昔から 乙女チックなものが好きだったっけ





…だからドレスを着せたりさせられてたんで
俺はそういうのは好きになれそうもなかったが;








ようやく会う事が出来たんだから
今日くらいはあいつの希望に添ってやるか













いいよ


「本当?ありがとう


「それでお婿さん役って誰だよ?」





あっしですが?


…後ろを振り向くとお手製のタキシード
身を包んだオニシバがいた





それなりに似合ってはいるのだが 妙に違和感がある










「… お前伏魔殿でお婿さん役探したのか?


「うん そしたらこの人が引き受けてくれるってまあ当然よね!


が花嫁なんだから!!








絶対こいつがよからん事考えてるって
気付いてないな





まあ 気付いてたらここまで連れてこないな








「というわけで よろしくお願いしやすぜ?
さん



「…よろしく」





……ニヤニヤしてるこいつに、一瞬だろうと
隙を見せらんねぇな;












神父の役はがやるという事になり
誓いの言葉のみの 結婚式ごっこが始まった








六花の 汝は病める時も健やかなる時も
この者を愛する事を誓いますか?



「…はい 誓います」







霜花のオニシバ 汝は死が二人を分かつときまで
この者を愛しつづける事を誓いますか?




「はい 誓いますとも」









…真似事とはいえ こうして口に出すと まんざら
悪くも無いような気がしてくるから不思議だ






心配していたけれども 思ってたよりもオニシバは大人しく
何事もなく、真似事の結婚式は終わった









はい お終い…うん 二人とも雰囲気でてるし良かったわよ?





ニコニコと満足そうに言う


これで何事も無く帰れる…とか思って気を抜いたのがまずかった








止める間もなく の前で口付けさせられた








結婚式なら誓いの口付けが基本でしょう?





ニヤリと笑うオニシバ


…こいつ 自分がどれだけ恐ろしい事したか
わかってんのか?








…オニシバ 逃げるぞ


へい?









二人での顔を見ると 予測した通り
仁王のようなの顔








「よくも私のに…滅ぼしてやるわ!!





逃げるぞ!服持ったか?


了解ですぜ!





お待ちなさ―――――――い!!







札を持って追いかけるから 俺達は急いで逃げ出した








――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき(と言うか楽屋裏)


狐狗狸:完成!急いでたせいでさんの複雑な心境は
書ききれなかったけど花嫁姿が書けたから結果オーライ!


オニシバ:別にあっしとしては このままさんと
夫婦になってもよかったんですがね?



狐狗狸:いや…そのためにはまずさんを
何とかしないと(汗)



オニシバ:な…なるほど


狐狗狸:さしずめオニシバさんの天敵はさんかな(笑)
オニシバ:むぅ…こりゃ手ごわいですね


狐狗狸:それじゃ私は用事があるので〜(退場)


オニシバ:…今回は機嫌がいいので見逃してやりますぜ