「…げ 丼星人





買い物帰りの路上で もんの凄い嫌な顔をした







「いい加減 名前で呼んで欲しいもんだね」





溜息つきながら、その顔を向けられたマサオミが呟く









「また性懲りもなくに会いに行くのか
そんなヒマあんなら働けプータロー


「オレはちゃんとやる事やってるんだよ、
使いっ走り式神ちゃんと違ってさ」


「ほぉう…今ここで再起不能にしてやろうか?
この腹黒エセ天流丼が」


「技もろくに使えないのにかい 小狐ちゃん?





お互いがどす黒いオーラを出し合いながら
言葉攻めの応酬をしている







この辺の掛け合いは もうお互いの日常茶飯事である














の事を気に入っているマサオミは
何かと会いに行ったり誘ったりまめな行動をするのだが…





彼にとっての障害の一つ
彼女の式神である、六花のの存在だ







闘神士を守る事に対して 敏感になってるにとっても、
マサオミは邪魔者以外の何者でもない









故に 二人が会うと割とこういう会話を繰り広げる












〜「五分五分」〜













「それにしても未だに迷子になるんだ〜
今度キバチヨをお供させてあげようか?


「ご心配どうも、ストーカー野郎


「…いい加減、オレを邪険に扱うのやめてほしいなぁ
お互いそんな浅い交流じゃないじゃん」


「るっさい お前は近寄んな丼臭が移る





意気揚々との家を目指すマサオミと


どうしても彼を追い払いたくて仕方ない





そんな二人が道を早歩きしていると







反対側から一組の男女が お互いケンカしながら近づいてきた











思わず二人が足をとめ、少し物陰に身を隠す









「何でちゃんまで、隠れてるわけ?」


「…腑に落ちないがお前と一緒、今 あの二人に近寄ったら
多分とんでもない事になるから」





おそらく二人は やってくる二人が普通でない事
何となく気付いた上での行動だろう










ケンカするカップルの声は大きいため
嫌でも内容が聞き取れた








「ほんっとにサイテー エロ魔神!


「悪かったって そんなつもりじゃなかったんだ」





かなり不機嫌に怒鳴る少女に 少年はただひたすら
謝り倒しているばかり





「本当にゴメン、この通りだっ キョウカ!許してくれ!!







必死で謝り倒す少年を見ていて 憐れに思ったのか
少女は人差し指を口に当てつつ考え―





「…越野屋の牛丼おごってくれるなら
覗いた事はチャラにしてあげる」





手を後ろに回し、悪戯っぽく少年に微笑んだ…しかし







はぁ?…何で毎回丼ものおごらにゃならないんだよ」







少年の言葉に、少女が顔を険しくする





「何よ もともとはリョウがあたしの着替えを
覗いたのがいけないんでしょっ!!



「…だから あれはわざとじゃねーって、お前がイキナリ叫ぶから」


「何よ あたしのせいだって言うの!?」


「あーもういいよ おごりゃいいんだろおごりゃ!!」





少年が観念したように叫ぶと、少女に笑顔が戻る





「最初っからそう言えばいいのよ さ、いきましょ♪







そのまま少年は少女に牛丼屋へと引きずられていった













物陰から出てきて、マサオミがふと呟く





「聞いてたら牛丼食べたくなってきたな〜 よし、
夕飯は越野屋の牛丼にしよう


「って お前昼に食っただろ!!







思わず反応したの裏手ツッコミをものともせず
マサオミは笑顔で言い放つ





「わかってないな〜お子様は、同じ牛丼でも
ちゃんと一緒に食べれば格別なのさ♪」


「ほぉ…俺がそういう事をむざむざ許すと思ってんのか?」


「それを決めるのは君じゃなく ちゃんだろ?」







二人の間で 激しく火花が散る







それから、とマサオミの間で戦いのゴングが鳴り響いた


"の家につく"までの戦いが…















「オイオイ ちゃん、こっちがちゃんの家だろう?


「おっと悪ぃ ついまた間違えてな」





戦い といっても単にがマサオミをの家に
辿りつかせないよう
 できるだけの妨害を仕組んでいるだけだが









自分の方向音痴を利用して、わざと別の場所に迷い込む





それを分かっていても の所に導かなきゃいけないから
連れて行くしかないマサオミ









「ったく…どうしても君はオレが嫌いみたいだな」


「当たり前だろ しつこいんだよ丼星人が!
とっとと帰って寂しく牛丼食ってろ!!


ちゃんの式神だからって いい加減口を慎みなよ
でないとその内、皮を剥がれちゃうかもよ?


やってみろよ…その前に俺がお前の化けの皮剥ぎ取ってやるよ」








お互いに口ゲンカなどしつつも、





二人は長い時間をかけて ようやくの家にたどり着いた









…その間 異次元に数回入り込んだ事は言うまでもない











「ふふん、残念だったね狐ちゃん
どうやら運はオレに味方してたみたいだよ?





ニヤリと勝ち誇った笑みを浮かべるマサオミ


しかしは 不敵な笑みで返す







「…いや 残念なのはテメーだ





その言葉が終わるや否や、が玄関から飛び出してきて





Σ!やっと帰ってきたのね!







そのままの元へと駆け寄り―









帰ってくるの遅すぎんのよ、


どこまで迷ってたのよー!!



どこからともなく闘神符を出し 真っ先にその場で制裁を加えた







悲鳴をあげてが動かなくなると、
今度はマサオミに鋭い視線を向ける





「マサオミさん と一緒に来たのなら
なんでもっと早く連れて来るとかしなかったんですか!!


「ごっごめんよちゃん!…
そうだ、お詫びに牛丼おごるよ!!


牛丼なんかいりません!
あなたにも罰として 家の掃除やってもらいます!!」






そのまま 有無を言わさずマサオミはに引きずられていった











結局 言われるがまま、マサオミは
の家の掃除をさせられる羽目になったのだった














ちゃんの家には入れたけど…一緒に牛丼食べて
楽しく話をするって雰囲気
じゃないよなぁ;」



マサオミさん!サボっちゃだめですよ!!





ボソボソと愚痴っていた所に、のお叱りを受けたため
マサオミはあわてて掃除機を動かした









「……やっぱりあの狐 どうにかしないとな」





忌々しげに マサオミはそう吐き捨てるのだった









―――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:久々にMからもらったネタ&固定夢主
話かいてみました、かなりレアなオミさんとの掛け合い(笑)


マサオミ:てゆうか本当にちゃんってお邪魔虫だな〜
いっそオニシバにノシ付贈呈しようかな?(黒笑み)


狐狗狸:…速攻で目論見バレるからやめときなよ(苦笑)


マサオミ:それはそうと…途中出てきた二人のカップルって
別の版権キャラだよね?




狐狗狸:うん…Mが持ってる某PCゲーム(18禁)
キャラらしくて、ネタ提供されたときに
二人の掛け合いを間に入れてって頼まれたのさ(苦笑)




マサオミ:…実名出しちゃって大丈夫なの?
ってかさ、他の版権の影響受けたりしすぎなんだよね
もうちょっと陰陽らしさを大事にしてよ(スッパリ)


狐狗狸:……ゴメンなさい