「さぁ 今日も張り切って伏魔殿にいくわよ!」


「…気をつけてな 俺は買い物行く;」





気合十分のあたしに向かい やる気なくそう呟く







神流の動きが活発になってるらしいので ヤクモ様に
会える確率が高くなったと聞き あたしは彼を探して
伏魔殿に通いつめていた









…実際お姿をたまに見かける位なので
憂さ晴らしにを虐めているけれども


それでもめげずに頑張っています!





まぁ 最近は疲れ気味のちょっぴり可哀想かな
とか思ったりもするけれども(笑)












「さて 早速出かけるわよ!!


そう言って あたしは符を出して―





「ちょっ 来い!!


玄関の方から必死そうなの声が聞こえた







「一体何?妖怪でもやってきたの〜!?」







イライラしながらそっちの方に足を進めると―









「や……ヤクモ様!?


入り口の方にボロボロの姿で ドアに寄りかかるヤクモ様がいた










〜「安心感」〜











「それじゃあ行ってくる…」





そう言っては 玄関から外へと出た











ありがとうちゃん…」


「いえ 平気ですよ…それより、どうしてあんなに怪我を?





あたしは壁に寄りかかっているヤクモ様に質問した







ヤクモ様のお身体はあちこち怪我だらけだったから


に手伝ってもらって 傷口の消毒と包帯
巻いたりした(ちょっと大変だったけど…:)











「ああ いつものように伏魔殿を探索していたら
イキナリ奇襲攻撃されてね…」


「Σええっ それってじ、神流ですか!?」


「かもしれない、とにかくやたらと数が多かったから
流石のオレも捌ききれずに一時退いたんだ」







あたしは正直言葉が出なかった





伝説の闘神士と言われるヤクモ様が苦戦するなんて
考えたこともなかったからだ














ちゃん今 オレが負けるなんて信じられないって
思っただろ?」


不意にかけられた声で ハッと我に返った





「Σままま負けるだなんて そんな事ないですよ!!


「本当にそう?」





「勿論です!今日はたまたまヤクモさんの調子が
悪かったから苦戦しただけ
ですよ!!」








必死になってフォローをしていると 彼はクスクス笑った





「わっ笑うなんて酷いです〜;」


「ゴメン あんまり一生懸命だからつい…」





苦笑しつつ ヤクモ様があたしの方に近づいてきた





「Σヤクモさん 怪我してるんですから
身体休めないと駄目ですよ!!



慌てて側により 制止をかけるあたし







すると、





「…そうだな」







ヤクモ様はそういうなり あたしにふっと抱きついた











「えっ あああああああのっ…」


ちゃんは温かいな…少しこのまま
休ませてもらぉ…」





そういうなり ヤクモ様は眠りについてしまった







あの…ちょっとこの状況は……///















今、この家にはあたし一人





は買い物へ行っているから まだ帰ってこない
ヤクモ様も 深い眠りに落ちている…







普通なら ハッキリ言って大チャンスなのだけれども





恥ずかしがりやなあたしには 刺激が強すぎて……











でも、キスぐらいなら………いいよね?













あたしは誰も見ていない事を確認すると
ヤクモ様の額に そっと…触れるだけのキスをした














「アナタがいけないんですよ?こんなに近くに居るから…」





静かに呟いた その時だった









 顔真っ赤だぞ〜トマトみたいだな





くっくっく…とやな感じで笑う
あたしの目の前に佇んでいた







「Σいつの間に帰ってきてたのよ!?





声を抑えて問い詰めると


「実はさっきから…入ろうかどうしようか迷ったんだけどな」







恥ずかしさと怒りで顔が赤くなる、怒鳴りたくても声が出てこない









「いや〜意外に大胆だったんだなぁ
奥手そうに見えるけど やるときゃやるんだ♪





イタズラっぽく笑う物凄くムカついたから


「いっ言い過ぎよ の馬鹿っ!!







ようやく声を出して あたしはに向かって
闘神符"痺"を投げた





「ぐあっ…」


見事に命中して 倒れ伏す





その音が大きかったから あたしは慌ててヤクモ様に視線を戻す







…良かった まだ眠ってた、起きたらどうしようかと思った;











起きるまでの少しの間だけ…このままでいられる幸せを願った








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:ようやくヤクモ夢の単体甘系書けた〜
…相変わらず遅&ヘタレ展開は目をつぶろう(苦笑)


ヤクモ:今回は珍しくちゃんといい感じに
なれてるじゃないか


狐狗狸:うん、最初は抱き枕代わりにされてるだけだったけど
ついでなんでもう少し手を加えてみました(笑)


ヤクモ:これで一歩前進かな?彼女と合える機会が中々無いから
やっぱりこういうのは嬉しいね(満足げに微笑み)


狐狗狸:…それは伏魔殿に入り浸ってる自業自得じゃ?


ヤクモ:………言ってはいけない事を(睨みつ神操機構え)


狐狗狸:刹管相輪串刺だけはご勘弁を!!(土下座謝)