会いに行こう 大好きな君に













は何処にいるんだろう?」







伏魔殿の風景に視線を走らせる











チラシで遠目のスーパーに、アジの開きと
牛乳が安売りしていたため





が買い物に出かけ(させられ)たのだが







また迷子になっちゃったらしく、探していた
偶然会ったマサオミくんに押し付…頼んだ









だから僕が率先して探させてもらえるよう頼み込み







降神してもらい、ここにいる











「…もう少し 迷う確率が下がって欲しいもんだな」







ふと 僕の耳に聞き覚えのある声が聞こえた





不機嫌ながらも凛とした鈴のようなこの声は
間違えるはずもない







「しかし、どこだここ?伏魔殿って事はわかるが…」







プラチナブロンドの髪が揺れる後ろから そっと近づいて







「ハロー 迎えに来たよ♪


「お、キバチヨ」









振り向いたは少しほっとしたように見えた












〜「会いに行こう」〜













帰り着けるルートまで案内しながら、
僕は に話しかける







「…この間の返事 考えといてくれた?」


「んー何の事だっけか?」


「オゥ 惚けないでよ、僕の事が嫌いじゃないなら
付き合って欲しいって事だよ」







スマイルしながら迫ったら、
やや気まずげに目を逸らす







「え、あー そうだっけか?」


「忘れたとは言わせないよ〜それとも
コゲンタみたいに頭がカラッポとか?







わざとからかうように言うと、
キッと目を吊り上げて怒鳴る







「別に忘れてねぇよ!あいつと一緒にするな!」


「じゃあ 嫌いじゃないって事で
今度デートしてよ、デート〜









は照れくさそうな顔をしながらも







「う…わ、わかったよ すりゃいいんだろ」







デートの約束をオーケーしてくれた















その次の日、







「ってことで 二時間後にはここに集合ね♪」


「わかったよキバチヨくん、じゃあ気をつけて
デート楽しんできてね


「お、おう お前もそいつに気をつけて
待ってろよ


「ひどいなー オレのこと信用してよ」







僕と マサオミくんと
二人に分かれて





二時間後にお互い落ち合う約束をして





僕達はデート、その間マサオミくんと
適当に時間を潰すということになった









これは前日に僕がマサオミくんに提案したことで







ぶっちゃけると、ダブルデートの口実











「マサオミくん 上手くやりなよ」


「ふっふーオレはいつだってやる気さ
キバチヨこそがんばれよ」


「オッケー デートコースはバッチリさ!」







お互いの健闘をささやきあい、僕は
の手を取って歩き出した











「ところでデートって 何処行くんだよ?」


「僕らがフツーにデートするなら、やっぱり
伏魔殿なんじゃないかな?」


「…大丈夫なのか?」


ドントウォーリー!僕がエスコートしてあげるから
心配しないでよ







トン と胸を叩いて自信たっぷりに言い切った







「まー お前と一緒なら何とかなるか」


「イエース、まっかせてよ!」













それから伏魔殿について、色々な所を
と一緒に見て回った









キレーな花畑のある草原で





花の冠を作っての頭に載せてみたり







ものすごく大きな滝壷にレインボーがかかって





二人で驚いてみたり









殺風景な所を一気に駆け回り、たまに
出てくる妖怪をやり過ごしたり











時々 がふらふらと迷子になりかけて





ちょっとヒヤヒヤしたけれど ずいぶん色々と楽しんだ













「あー疲れた、伏魔殿ってこんなに
色々面白い風景があったんだな」







岩場の手ごろな岩に腰掛けて、
楽しそうにスマイルを浮かべる







「でしょ?楽しんでもらえて僕も嬉しいよ」







僕も同じように の側に腰掛ける







「ああ、ありがとなキバチヨ」









キュートな笑顔で言われて、ドキッとした





けど僕は なんでもないフリをして言う







「ここで少し休憩したら、そろそろ
マサオミくんとの所へリターンしよっか」


「そうだな ほっとくとアイツが何か
しでかしかねんしな」









流石に少しムッときて、僕は言い返す







 何もそんなにマサオミくんを
邪険にしなくてもいいと思うけど?」


「ああ悪ぃ、そういうつもりじゃなかったんだ」







すまなさそうに謝る









こういうたまに見せる素直な所も
キュートで大好きだけど…







とマサオミくんってよく口ゲンカするよね
一体どうして?







聞くと は首を傾げて唸りながら







「……何つーかさ、お前とマサオミを見てると
何か頭に引っかかる感じがするから それでついな」







その何気ない一言に 僕のハートがちくり、痛む







「まぁ、気のせいだと思うけど」







くったくのないスマイルを見せる











もし僕…オレがだと知ったら、
彼女はどんな顔をするんだろうか?







ためらいもなく オレを倒せるのか







それとも…











「…はさ もし僕が凄く悪い敵だったら
どうする?」


「別に 俺はを守るだけだ」







迷いのないの目に、オレはため息をつく









けど 彼女の言葉はそこで終わってなかった







「なるべくなら、お前と戦いたくはないけどな」


「ホワィ、どうして?」


「どうしてって…まあ お前も
認めたくねぇけどマサオミも、結構強そうだし…」







視線を逸らしながらのその言葉は
そこで終わったかのように見えたけど







よく目を 耳をに向けていると







微かに唇が動いて









「お前の事 嫌いじゃねぇから」









とても小さな声だったけど







はっきりと、そう呟いていて







「イエース 僕もだよ!」





嬉しくて オレは思わずに抱きついていた





Σ聞いてたのかよ!てか抱き着くなよ恥ずかしい!!」







顔を赤くして腕をバタバタさせても





ガッチリとホールドしてるし、放してあげないよ













例え、この想いが気付かれず オレの中で
密かにフエードアウトしていくのだとしても







オレはが大好きだから









会いに行こう これからも








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:「ライクorラブ?」の続きも兼ねて、キバチヨの話を
書いてみました〜


キバチヨ:イェーイ とデートできて
嬉しいよ〜ヤッフーウ!


狐狗狸:テンション高いねキバチヨ


キバチヨ:当然!だってアイツを出し抜けたんだもん♪


狐狗狸:…それでも話は二丁の方が多いし
展開もあっちの方が大分進んで


キバチヨ:……僕の方も 出番増やして色々
やってくれるよね?(逆鱗牙を構えて笑顔)


狐狗狸:え、ま まぁ話はまだも一個くらい
ネタはあるけど、君の望んでる展開は…


キバチヨ:色々サプライズを用意してくれてるよね?


狐狗狸:いやだから逆鱗牙を突きつけられても
それに答えることは…ちょっ痛い痛い痛痛痛痛痛




(花の絵が出て)そのまま、しばらくお待ちください




キバチヨ:(顔にちょっと赤い飛沫をつけ)
管理人が急用があるって言って何処かへ行ったから
僕があとがき担当するね♪


この次の話では と僕はついに
キスする事になるかも?


それじゃ、期待して待っててね〜




(※注:嘘です