まったく やっぱり迷子になってたのね?





伏魔殿について早々に あたしは自分の式神の
六花のにそう言った






「ご…ゴメン


「お買い物行かせるとすぐこれだもん〜本当に
迷子札つけようかしら?






そう呟くと 嫌そうな顔をして





それだけは勘弁してくれ







とキッパリ言い切った












〜「もう一つの仮結婚式」〜










「まあいいけど…さっきから気になってたんだけど


「何だよ?」


「そのドレスどうしたの〜?」


「し…親切な人に もらったんだ」







慌ててる所からすると さんからもらったんだろうな〜







「ふ〜ん…まぁいいけど ホイホイ物くれたりする人に
うっかりついてっちゃ駄目だよ?





軽い冗談で流してみたけど
はこの言葉を真に受けたみたいで





「お前と一緒にするな 歳幾つだと思ってんだ」


「失礼ね そんな事言うならお仕置きよ?


ゴメンなさい







お仕置きが嫌だったのか即座に謝る








それにしても とても綺麗なドレスだなぁ





…ちょっと借りてみよっと










そのドレス貸〜して!


「いいけど…着るのか?」


「ううん 上から当ててみるだけv」







の手からドレスをもらうと 身体の上に当ててみる










よく見ると 細かい刺繍が丁寧にされている







少し派手目だけど とても素敵なドレス





あたしもやっぱり女の子だから、こういうのすごい憧れるなぁ〜









「どう?似合う?





あたしはに向かって聞いてみた














とても似合うよ ちゃん







不意に聞こえてきた声に思わず振り返ると…や ヤクモ様!?





慌ててあたしはドレスを隠す







「あ こんにちはヤクモさん


「君は…ちゃん、だっけ こんにちは」







とヤクモ様が挨拶を交わす








「ところでちゃん さっきの服は…
ひょっとして花嫁衣裳?


「はっはい がもらった物なんですけど…
似合うかな〜なんて……」





そう言うと ヤクモ様はにっこり笑ってこう言った







「どうせだったら 着てみてもらえるか?







ええっ!?そ、それは…


「嫌かな?」


「いえ 嫌じゃないんですけど…その、あたしだけ
ドレスを着るの恥ずかしくて…







思わず目を伏せながら あたしが口篭もっていると








「それならヤクモさんにも着てもらえよ、ー?」





が意地悪そうにニヤついて言う







「別にいいけど 何を着るんだ?」


「ご心配なく、実は花婿の衣装も持ってるんだ







 何でそんなもの持ってるのよ!?







「そうか なら貸してくれるか?


「後で返してくれよ?ある人に返さなきゃならないから」





そう言いながら は何処からとも無く白いタキシード
出して ヤクモ様へと手渡す








「オレも着るから ちゃんも着てくれるか?」











ヤクモ様が笑顔であたしに頼み込んでくださってる…!







「はい!よ、喜んでvV





あたしは真っ赤になりながら即答していた


















どうやらこのドレスは の身体に合わせてあるせいか
ちょっと着心地が悪かった…







けれどもそんな事、気にならなかった









だって隣には 花婿姿のヤクモ様がいるんだもん!








凄く恥ずかしいけど…あたし 今最高に幸せです!!













「こうして並んでみると 結構良く似合うぞ二人とも」


ちゃんはお世辞が上手いな」





ニッコリと笑いながら言うヤクモ様





「いや 俺は嘘も世辞もつけないんでね







ニヤリと笑いながら あたしの携帯カメラを用意して







「くっついて笑えよお二人さん 記念撮影してやるから」







が言い出し あたしは慌てて









「ちょっ…デジカメに撮るの!?


当たり前だろ?滅多に無いんだから
それともは記念写真 欲しくないのかー?








明らかに楽しんでるわね…後でお仕置きしようかしら?








「ハイ 笑って笑って、チーズ





"カシャッ"っと音を立てて 携帯のライトが光った














まぁ 今日のところは許しておいてやるか





そしてありがとう 








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:ようやくドレス話完結〜予定では「破天荒仮結婚式」
のみのはずだったのに Mのヤツゥ…(ため息)


ヤクモ:お疲れ様…しかしちゃんのドレス姿
本当に良かったな(しみじみ)


狐狗狸:そう言ってもらえてると さん喜びますよv
無論、私も


ヤクモ:しかし タキシードが少し着心地悪かったな


狐狗狸:ああ それはタキシードはさんがとりあえず
人間サイズなら誰でも合うように作ったからです
の花婿は決めてなかったし/笑)


ヤクモ:成る程…まぁちゃんとのツーショットもできたし
服を作ったさんやちゃんにも感謝しよう(微笑)