それは 2年前のある日、
地流闘神士の の家の中での光景―












〜「両手に花?」〜










「ねぇ あなたに似合いそうなウェディングドレスを
2着作ってみたの 両方とも着てみてくれる?





にこやかな笑顔で 両手に携えたドレスを
に差し出す…しかし彼女はドレスを押しとどめながら







「… 今日は断る


「どうして?」







すると はげんなりしながら





「いつもいつも こんな窮屈な服着るの嫌なんだよ」


「でも すっごく似合うのに〜






キラキラした顔をすると対照的に
は頑として譲らない様子で









嫌ったら嫌だ どうしてもって言うなら自分で着てくれ」










その言葉に はう〜んと腕を組みながらうなり





…そうだ!







ぽんと手を打ってから にこう言った







「じゃあ あたしも一緒に着るから ウェディングドレス着て?














はい?





質問の意味が飲み込めず 思わず聞き返す










「いつも一人で着るから寂しいのよね?
だったら私も着てあげる


「いや…そういう意味じゃ…」





その言葉を聞いた途端 は寂しそうに





やっぱり嫌なんだね…わかった そこまで言うなら諦めるよ」





そう言いながら しょんぼりとドレスをしまいに行こうとした












「そこまで落ち込むなよ…
わかった…着るよ 着させてください











ため息交じりにが言うと は目を輝かせて





本当!ありがとう!!


「…その代わり も着るんだぞ?


「ええ 嬉しい」





ニッコリと微笑むの横で 苦笑いをする
















「やっぱりこのドレス によく似合ってるわv


「…も結構似合うぞ そのドレス」





ご満悦そうなに 照れながらそっけなく呟く










そこにいたのは 黒髪と銀髪の花嫁







純白の優雅なドレスに身を包んでいると
ハッキリ言って お持ち帰りしたくなるほど可愛い二人だ







この姿だと 二人が地流の中でも実力者だとは到底思えない












「こういうのもたまにはいいかも」





身に纏ったドレスを見回しながら言う





「出来れば俺に着せるのもたまに、にして欲しいな」


「駄目よ、はいつも綺麗でいなきゃv
そのためにドレスは必要なのよ!


「何でそこでドレスなんだよ」





のツッコミに は指を振りつつ








「決まってるでしょ にドレスが


一番似合うからよ!!











「…将来親バカで破産しても 知らんぞ俺は」





ため息つきつつがそう言った時だった














「うわぁ…凄く綺麗…









その言葉にビックリした二人が声のほうを見ると
そこには 窓にはりついて二人に見惚れたソーマがいた










「…なんだ お前かソーマ


「ソーマくんこんにちは どうしてこっちから?」





相手が同じ流派の知りあいだとわかり 二人は警戒心を解く





さんに会いに来たんだけど ノックしても
返事が無かったからいないのかなって」


「そうなんだ ゴメンね気が付かなくて」







謝るに ソーマは慌てて手を振り







「いいよ ボクは気にしてないです


「優しいのねソーマくん ありがとう







が笑顔でそう言うと ソーマも赤くなりながら笑った










「どうせならあがってけよソーマ 茶ぐらいなら振舞うからさ」


「そうね 折角会いに来てくれたんだからあがってって?





二人は窓を開けて ソーマを手招きした







それじゃ お邪魔しまーす







ソーマは窓から靴を脱いで 家の中へと入った








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あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:余談ですが ↑の後はドレスを脱ぎます


ソーマ:どうして?も結構ドレス似合うのに


狐狗狸:理由はズバリ"料理を作るのに大変邪魔(&危険)"
だからです(笑)


ソーマ:ふ〜ん まあオレはさんが
ドレス姿なら別にいいけど
(笑)


狐狗狸:ああそっちは大丈夫 本人案外気に入ってるので
その日1日はずっと着てますから



ソーマ:そっか〜(満足そう) もし着替えたとか言ったら
フサノシンをけしかける所だったよ(笑顔で)


狐狗狸:何ですと!? あ…危なかった…(汗/何ぃ)