まさかいきなりフィールドが崩れるとは 思ってもみなかった
ひょっとしたら誰かが闘神石をとったのかもしれない
「しっかし驚いたね〜マサオミ」
幽体のまま いつもの調子で問い掛けるキバチヨ
「全くだ…とりあえずこの辺の様子を調べてきてくれるか?」
「オッケー いいよ!」
キバチヨは降神されるとすぐに 辺りを探索しに行った
「ちゃん 大丈夫かな…」
いきなり出来た裂け目に飲み込まれた彼女が気にかかり
オレは彼女を探していた
「…はどこへいったのかしら?」
その時聞こえた呟き声で オレはちゃんと再会出来た
〜「薄汚い嘘」〜
「ちゃん 大丈夫だったかい?」
「マサオミさん!よかった〜心配してたんですよ?」
とりあえずお互い会えて安心している
「そういえば見ませんでしたか?」
「え、いや〜見てないけど?」
そう言えば ちゃんは確か降神されていたから
あの裂け目に飲み込まれた時 離れ離れになったに違いない
「なら一緒に探してくれますか?」
おねだりポーズの準備をしながら上目遣いに問い掛ける彼女
「いつもならそうするけど…今回はなるべくこの場を
動かない方がいいと思うな」
オレのその言葉に納得したように
「じゃあ…ここで待ってましょうかv」
オレとちゃんは お互いの式神が来るまで
その場を動かずに待っていた
「それにしても…さっきどうして闘神石
取らせてくれなかったんですか?」
しばらくの沈黙に耐え切れなかったのか ちゃんが
上目遣いに問い掛ける
「……どうしても 知りたいのか?」
真剣な顔をして聞くと 彼女はコクリと頷いた
もうそろそろ こっちに誘ってもよさそうな時期だし…話すとするか
「ちゃん オレ実は神流なんだよ」
「そうだったんですか〜」
あまりにも普段どおりの返答に 少し調子が狂う
「え?もうちょっと驚かない普通?」
「いやあたし何となく、マサオミさん神流かな〜って思ってたんですよ」
繕ってるのか本気なのか 相変わらず分からない笑顔で言う
…しかし、それならそれで話は早い
「君は確か 流派は関係ないって言ってたよな?
だったら オレと一緒に来ない?」
「嫌です」
考える素振りすら無くあっさり断られる
「もう少し考えようよ…ここで断ればオレとちゃん、敵だよ?」
「いいですよ別に あたしはヤクモ様だけの味方ですv」
彼女の"ヤクモ様"発言に少し 苛立ちを覚える
「何それ オレに対する挑発?余裕?」
「いいえ〜ヤクモ様の敵に回りたくないだけですよ?」
また、本心のわからない笑顔を向ける彼女
どうしてオレには その笑顔しか見せてくれない?
君が持っている筈の喜怒哀楽の表情は
全部あの ヤクモにしか見せてくれないのか?
「そんなにオレよりアイツがいいのか?」
一歩近づくと 彼女はビクっとしてあとずさる
「いえ 別にそういうわけじゃ…」
始めてみる彼女の戸惑いの表情
「珍しい…ちゃんもそういう顔、するんだ?」
更に近づきながら 笑みを浮かべて、
「一緒にくれば 俺が守ってあげるからさ…」
その場から動かなくなったちゃんに ゆっくりと手を伸ばす
すると 困り果てた彼女の前に―
「!!大丈夫か!」
ちゃんが割って入った
「何処行ってたのよっ…ってその血、怪我でもしたの?」
涙目になりながらも 安心したように問い掛けるちゃん
「…こんなもの 何でもない、それより…」
ちゃんがこちらを睨む…その目に敵意と殺意を乗せて
「よくもウチの宿主に 手を出そうとしたな!」
そんなつもりは 無かったんだけどな…
「…今日のところはここで引き下がっておくよ、でも」
オレは溜息交じりに彼女を見据えて 言った
「オレは絶対 諦めないからな?」
それだけ告げて 二人を残して歩き出した
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
あとがき(というか楽屋裏)
狐狗狸:ダークサイドネタ無事両方完成したよ…(汗)
マサオミ:っていうかなんでオレこんなに黒いのさ!?
これじゃ〜ちゃんに誤解されちまうじゃないか!(怒)
狐狗狸:元からこのくらい黒いくせに今更誤解も何も(酷)
マサオミ:……極の威力見せてやるか キバチヨ(殺気)
キバチヨ:そうだね オレの出番少なかったし(頷き)
狐狗狸:ギャーーー!腹黒がタッグ組んだっ!!(大脱走)
ブルース・リーヌンチャク(違)により 狐狗狸死亡(コラ)
展開が少し早い上に、妙にあっさりマサオミ引き下がってますが
これは今はまだ戦うのが早いと判断したから引いたんだと思います
あと、闘神石はリクが取った設定です、一応
…こんな場所で語ってしまってスイマセン