今日は年に一度の夏祭り





あたしは普段よりかは気合の入った格好をして
お祭りの会場へとやって来た







「今年も会場は賑やかね ちゃん


「そうですね〜さん





浴衣姿のさんと一緒に











〜「ざらめのニオイ」〜











さんは2年前 地流の闘神士でのパートナーだった





でも 戦いとが傷つくのが嫌だった彼女は
ある事をきっかけに 契約と闘神士を辞めたらしい







でも 離れてからものことが心配





それ以来ずっと あの子の事を見守っていたみたい













…実はが迷子になった時 探してる途中で
さんを偶然見つけちゃって


あたしの友達だった地流の男の子の お姉さんってこともあって
それから、何となく仲良くなったのだ















一通り会場を回った後 さんがこう言った





ちゃん 私のお土産探してくるね?」


「わかりました〜 帰りに合流しましょうねさん」





さんといったん別れ あたしものお土産にするため
綿菓子屋さんへと寄った…そしたら








綿菓子のお店の前には 恐ろしいくらい人が並んでいた








なんでお祭りのカキ氷と綿菓子の屋台は列出来まくるのっ!!













も〜これじゃあ待ってる間にお祭りが終わっちゃう〜!





この会場にもしかしたらヤクモ様が居るかもしれないのに〜


そう思っていた時だった














「おや ちゃん、君もお祭り来てたんだ





綿菓子の列から出てきたマサオミさんが声をかけてきた


手には綿菓子が3本も握られていた







「マサオミさんも 誰かと来たんですか?」


「まあ そんな所だ、ちゃんはまた迷子?」






は家に置いてきたんですよ〜人込みの中で神操機
落としちゃうと再起不能なまでにボロボロになっちゃうから」






マサオミさんは 納得したような顔をする







「まあ…その方がちゃんの為になるね」


「その代わり伏魔殿に置いて来ましたけど」





その台詞に マサオミさんは驚いた表情で聞いてきた







「…確か彼女方向音痴だったよね 大丈夫なの?」


保護者(オニシバ)さんがいるから大丈夫ですよ








ちなみにさんには 一人で留守番させてると言ってある





でないと 親バカのさんは
彼をこの世から消しかねない















「でも お祭り行けなくて可哀想だから
綿菓子をお土産にしようと思って〜」


「…気持ちはわかるけど 綿菓子をお土産にしない方がいいよ?」





苦笑交じりのマサオミさんにあたしは笑顔で答える







「いいんですよ どうせ食べるのだし…それに
ヨーヨーでもつけとけば大丈夫ですよ♪」










「そうか…どうせならオレと一緒に お土産買わないか?」


「う〜ん どうしようかなぁ…」





悩んでいると マサオミさんが笑みを浮かべて










「そうだ、一緒に行くならこの綿菓子をあげるよ?





とか言って 綿菓子を一つ差し出す














…それって 危ないお兄さんが口にする台詞じゃないかなぁ?







まぁいっか知り合いだし、それに嫌いじゃないしv












「じゃあ お土産買うの付き合ってくださいね?」


「オッケー!任せといてくれ…はい」





あたしは綿菓子を受け取った…ざらめの甘い匂いがふわりと香る





「それじゃあ ヨーヨー釣りに行きましょうか?







そういうと 腕を組んで一緒に出店回りをした



















お祭りの終わりごろまで あたしとマサオミさんは出店を回っていた





「あ〜 楽しかった♪」


「オレもちゃんと一緒で楽しかったよw





あたしもですよ♪





実際 買うつもりが無かった出店の品まで
マサオミさんの"似合う"の一言でつい、買っちゃってたもん












「それじゃ また会おうな?」





ニッコリと笑ってマサオミさんは スタスタと去っていった







「ありがとうございますマサオミさん お気をつけて〜」





あたしの声に 彼は背中越しで手を振っていた












大分しぼんだ綿菓子からは ざらめの匂いがかすかに匂った








――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:夏祭り一話目終了〜!


マサオミ:結局締め切りぶち破っちゃってるじゃないか
しかもシリーズから短編と隠しにそれぞれ移すし…(呆)


狐狗狸:それは言うなっ!!(泣)もうホント限界なんだから!


マサオミ:自業自得だろ?てゆうかもう一寸ちゃんとの
掛け合いを増やしてくんないと夢の意味が無いじゃん


狐狗狸:出番多いくせにワガママ言うな シスコン!!


マサオミ:…本気でオレを怒らせたいみたいだな?(どす黒オーラ)


狐狗狸:やべっ!言い過ぎたー!!(B-DASH!/マテ)