見慣れた町並みを あたしは早足で歩いた


自分の式神である 六花のの姿を求めて





確か彼女はスーパーに買い物に出たはずじゃなかっただろうか?









でも いつまでたっても帰ってこない





…間違いなく 迷ってるわね












〜「うちの式神知りませんか?」〜











"俺は方向音痴だから 地図か何か持たせてくれよ"








ホッペを膨らましてエコバックを手にしていた
の言葉を今更ながら納得する







…とりあえず迷いこみそうだと
予想する所をうろついてみた すると見知った顔を見かけた―





「あーっ マサオミさーん!」


「おや ちゃんじゃないか」










同じ天流の闘神士であるマサオミさんとは
2年前位に出会った…のかな?





まあ その時連れていたのはじゃなかったけど










「こんな所で会うとは奇遇だね どうしたんだい?」





どうやらまた 丼モノ屋に寄った帰りらしい袋を持って
彼は相変わらずの笑顔で あたしの方に寄って来た






「実はあたしの式神が 迷子になっちゃったんですよ」


「そうなのか…確か光明族の子 だったっけ?」


「いえ 今あたしが連れてるのは六花族の子で
って言うんです
とっても可愛いからあたし心配で心配で〜!


「そっそうなんだ なあキバチヨ…って キバチヨ?あれ?」







そういうなりマサオミさんは キョロキョロと
あたりを見回していたけど


頭を掻きながら ばつが悪そうに呟いた





「…どうやら オレも式神置いて来ちゃったみたい」


「だったら一緒に捜しに行きましょう そうしましょう!」


「えっ…そうだな〜」





困惑する彼に向かってあたしは一気に詰め寄った







「ね いいですよね?いいですよね〜?





「…じゃあ そうしようか」


やったぁ!










こうして あたしとマサオミさんの二人による式神探しが始まった





―ぶっちゃけると あたしが彼に頼み込んだのは
単に一人より二人の方が見つけやすいし


指示に従うフリしてめんどくさい手順を
全部マサオミさんに押し付ける事が出来るから

だったりする(外道?)










「しかし 予測の式神のはずの六花族
方向音痴だなんて珍しいねぇ…
どんな子なんだい ちゃんって」





「銀色の毛並みがキレイで黙ってれば可愛いのに
怒りっぽくて口悪くて 頑固で


…でも思った事をハッキリ言うし
あたしの頼み何でも聞いてくれるんですよ♪





「へぇ…ちゃんにピッタリの式神だね」







「そうなんですよ は頼めば
こき使えるから大好きなんですv」





にっこりと言ったあたしに返すように マサオミさんもにっこりと





ちゃんらしいね…そこが可愛くもあるけど」


「いやだな〜もうマサオミさんったら〜」





あたしはとりあえず彼の言葉を無視した


正直マサオミさんはこういう時 何考えてるか
わからないからである









―しばらく彼はあたしの方を見てニコニコしていた











…キバチヨ君とすっかり打ち解けたを捕まえたのは
その もう少し後の話









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あとがき(と言うか楽屋裏)


狐狗狸:2作目出来たーーーー!
マサオミ:はい おつかれさん
狐狗狸:おや 差し入れの丼ですかそれ?
ありがとー(手を伸ばす)


マサオミ:(ひょいっと持ち上げて) 次回オレの出番
増やしてくれるよな?


狐狗狸:え゛ ひょっとして買収する気ですか?
マサオミ:いいや 脅迫(黒い人オーラ)


狐狗狸:………それでは〜(すたこら逃げる)


マサオミ:あ!待てっ!
…そうそう、ちゃん 読んでくれてありがとう!
それじゃっ!(狐狗狸を追いかける)