「あれ、マサオミさんも伏魔殿に来てたんですね」





伏魔殿の中を歩いていた
(自称)同じ流派のマサオミを見つけて笑顔を見せる







「奇遇だな、ちゃんはどうして伏魔殿に?





すると、その質問には笑顔をくもらせる












〜「大丈夫」〜













「決まってるじゃないですか
またが帰ってこないんですみかけなかったですか?
まったく何やってんのかしら?」





"見つけたらお仕置きね"と
小さな声で呟くにマサオミは苦笑する






「相変わらずちゃんは迷子か〜
ちゃんも大変だな」


「まあ半分はあたしがわるいんですけどね」





と笑いながら答えるとはいつもの、
そしてお得意のおねだりポーズをとる







「マサオミさん、あたしききたいことがあるんですけど…





すると 次の言葉を予測したマサオミは
の口を手で塞ぐ










「わるいけど、今日は情報はないぜ…それに会うたびに
ヤクモ様を連発されると
オレも傷つくんだけど?」








顔を真っ赤にして手を振りほどいた
睨みつけるようにマサオミを見た











「それくらいで傷ついてたらの精神とっくにぼろぼろです
…それにあたし、人から触られるの苦手なんです」





そう言ったの言葉に ばつが悪そうに謝るマサオミ







「そうなのか…ごめん いつもちゃんと
スキンシップをとってるみたいだから
つい」






あれは自分から触ってるから平気なんです
他人から触れられるとつい身体が強張るような感じなんです」








彼女は心の中で"ヤクモ様とのふれあいは別だけど"と付け足す








以前彼女は 偶然ヤクモの手に触れたとき
一生手を洗わないと言い張っていた


―それほどまでに彼女にとってヤクモは
特別な地位にいるのだ














「でも、マサオミさんに悪気がなかったことは
わかってます それにもともと そういうことを言わなかった
あたしも悪いですし今回のところは許してあげます


ってなんか偉そうですね、ごめんなさ〜い」





先程の怒った顔からいつもの笑顔に戻ると









「それじゃあ別のこと聞きま〜す
マサオミさんは神流についてなにか情報つかめました?」








マサオミの顔が一瞬穏やかでないものになる


しかしすぐにいつもの表情にもどる









「いや…でもどうしていきなり
神流について知ろうとおもったんだい?」





すると はほんのりほほ染めながら








「だってこの前リクくん言ってたじゃないですか
ヤクモ様が伏魔殿を旅してるのは
神流について調査するためだ
って


だからあたしも神流について調べれば
少しでもヤクモ様のお役にたてるかな
なんて思ったんです」








「また、ヤクモか…」








に聞き取れない位の小声で 思わずマサオミは呟いた












「えっ、なんかいいました?」





するとマサオミが を見つめながら言った







ちゃん、オレじゃだめか?










「なっ、なにいってるんですか?





言葉の大部分を聞き違えたのかと思い
は大慌てで聞き返す








もしオレが神流だっていったら
ちゃんは俺のこと嫌いになる?






続けて出された質問に は少し考えてから答えを出した








嫌いにはなりませんよ?
マサオミさんは天流だって信じてますけど
あたしは流派を拘る方ではないんで


たとえあなたが神流だとしても
あたしはマサオミさんが大好きです」





「…そう言ってもらえるとありがたいよ でも、どうして?」


「…だって新米闘神士だったころから
優しくしてくれたじゃないですか」






は顔をまっかにしてその場を去ろうとする






そっ、そういえば探してたんだった
…でももしかしたらもう家にかえってるかも〜
なのであたし一旦かえります


…何時ものことながら変なこと聞いてごめんなさい」







が軽く頭を下げると マサオミは頭をかきながら





「いや、俺こそ変なこと言って悪かった…
でも 女の子の一人歩きは危ないから、送ろうか?」


結構です







そういって彼女は闘神符で道を開く―繋げた先は家のすぐ前








「それじゃ またヤクモ様情報はいったら教えてくださいね♪


がそう言い終えると同時に障子が閉まった













障子が完全に消えたのを確認すると
は自分の神操機に闘神符を翳す





「どう?これで満足?







は神操機から現れた式神、
六花のに問いかける









実は が常日頃からマサオミを疑っている為





がその疑いを晴らそうと嘘をついて
マサオミに接近したわけである








「…悪かったよ あいつはお前に
危害を加えるつもり無いんだな


「そうよ 疑ってばっかりじゃ駄目よ?」


「そうだな…まだ頭から信用は出来ないけれど、
俺はもう少しあいつを信じてやる事にする」





がそう言うと も笑顔でこう答えた








よろしい








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あとがき(と言うか楽屋裏)


狐狗狸:この話は Mが書いたものを
私が手直ししました…ありがとう M〜


マサオミ:それだけなのにだいぶ時間かかったね


狐狗狸:それは言わない方がいいよ
Mが怒るかもしれんから


マサオミ:ハハハ…それにしてもちゃんに
信じてもらえるのは嬉しいけど
たまにはオレも意識して欲しいな


狐狗狸:恐らく無理でしょう ヤクモ様バカだから(ドキッパリ)


マサオミ:…今日こそ本当に滅ぼそうかな(どす黒オーラ)
狐狗狸:逃げろっ!(必死こいて逃走)