あたしの式神 六花のが風邪をひいた


式神が風邪をひくなんて思わなかったし 考えもしなかった








「式神が風邪ひくなんて信じらんなーい!


勘弁じでぐれ…好ぎでひいだんじゃない…





その時は そんなに重い風邪でもなさそうだったから
彼女の事なんか気にも留めていなかった







どうでもいいけど うつさないでね?
「お前なぁ…」





けれど だんだん悪化していくの様子を見ていて
あたしは 何とかしなきゃいけないことを悟った












〜「いつもと違う顔」〜













が風邪をひいて3日目の今日





あたしは 知り合いに風邪に聞く治療法を聞く事にして


…で とりあえず初めにリュージ君にあたってみる事にした





(なんか民間療法とか無駄に詳しそうだし)










でも こんな時に限ってリュージ君は留守だった


…肝心なときに役に立たない人ね





仕方が無いのでナヅナちゃんを尋ねる事にした








「たしか…ここだよね ナヅナちゃんの住んでる神社」





あたしは玄関の前に立った


「スミマセーン ナヅナちゃんはいますでしょうかー?





扉の奥から ナヅナちゃんかホリンちゃんの声が
聞こえてくるのを待っていた、でも














はい…少々お待ちください





聞こえてきたのは 予想していなかった人の声


嘘っ…でも、でもまさか





戸惑っていると 玄関の扉が開いて―







「おや…ちゃんじゃないか、こんにちは





ニッコリしながら出てきたのは まごうことなきヤクモ様!!









…でも 今日はいつものマントを着けていなくて
代わりに口には白いマスクが装着されていた






「こんにちはっ…あのぅ 風邪、大丈夫ですか?


「ああ ちょっと油断してね」





照れくさそうに頭を掻くヤクモ様







「じ、実はあたしの式神も風邪をひいたんです


「へぇ…それは奇遇だね」


「それで…風邪に効きそうな方法を聞こうと思いまして」


「う〜ん そうだなぁ…





ああ…ヤクモ様があたしの為に頭を悩ませてくれている…!







出来ればもう少しヤクモ様のお側に居たい!どうすれば…










「よく 首にネギを巻くとか玉子酒がいいって聞くよね」


「そうですね あの…よかったら…
「何かな?」





「よかったらっ 玉子酒の造り方を実際に教えてくださいっ!







きゃーっ言っちゃったっ あたしのバカバカバカぁ!!





そんないきなりなお願いをヤクモ様がいいって言ってくれるわけ…





「いいよ じゃあウチに上がるかい?」





!いいいいいいんですか!?


「実は…これから玉子酒を造ろうと思ってたんだ
ちょうどいい、手伝ってくれるかな?







あたしは幸せすぎて気絶しそうになるのを堪えた








はい!喜んで!!















玉子酒をヤクモ様と一緒に作りながら
あたしは思わず心の中で叫んでいた







―今年の風邪 万歳!―








――――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)


狐狗狸:風邪ネタこれで完結―――!あーたるかった


ヤクモ:本当に本音を即座に口に出すなーアンタ


狐狗狸:それが私の性格ですから 残念!(某芸人の真似)


ヤクモ:いや それは別にいいんだけど…


狐狗狸:でも本当にこういうネタを考えるのに苦労しまくりで
締め切りブッチですよ


ヤクモ:読んでくれたちゃんの為にも
締め切りは守ろうな(ニコリ)


狐狗狸:…そうですね(この人は 怒らせたら串刺しだもんな)


ヤクモ:何か言ったか?


狐狗狸:いえ何も(苦笑い)