「あれ さんこんにちは」


また迷子か?





リクは 同じ天流のの式神―
六花のに声をかけた







「リクとコゲンタか、ちょうどよかった
帰り道ってどっちだ?





どうやら彼女は 買い物帰りにまた迷子になっていたようだ












〜「この手で守りつづける」〜











「僕達 ちょうどこっちに用事があるから…
ついでに送りましょうか?


そうか じゃあ頼むぜ





そう言って はリクの側まで近づいてきた












「お前って本当に方向音痴だな 普通ありえないだろ?
通いなれた道で伏魔殿や名落宮に迷うって


「うるさい 俺だって迷いたいわけじゃねーよ





「その上 ストーカーだの追っかけだのがいるだとか」


コゲンタのその言葉に は拳を振るわせながら







お前らだってマサオミにストーキングされてる
ようなもんだろ!






何だと!?あれはあいつが勝手にやってんだよ!!








いつもの様に始まった口ゲンカに もう諦めているのか
リクは止めようともしない










しかし リクはふとその時気になった事があった









さん 聞いていいですか?」


なんだよ リク





口ゲンカを止めて が彼のほうを向く







さんはどうしてコゲンタと同じように
マサオミさんを疑っているんですか?





すると は顔を伏せながら呟いた









「あいつは…あの男に似ているんだよ…






あの男?誰だよ それ」


コゲンタの言葉に 彼女は顔を上げながら苦笑する





「そう言えば、お前等に話したこと 無かったな
どうせだから 話してやるよ







そう言って 彼女は話を始めた










「忘れもしない 2年前のあの日…」



















その日 伏魔殿にいたと、
以前の彼女の闘神士だった


面をつけた和服の男と 一体の式神に出会った







「…あなた達が 噂に聞く闘神士狩りね?





実はこの当時 地流の実力者が謎の闘神士に
襲われる事が度々あり、


はその者の素性の調査と討伐を命じらていた







そうだと言ったら…どうする





聞こえてきたのは意外に若い男の声









「あなた達に恨みは無いけど…成敗させていただきます!


行くぞ 






駆け出すに答えるように は印を切り始めた














激しい攻防が続くが 未だに決着がつかない





「くそっ これだけやって俺の予測が追いつかない…!?







果敢に攻撃を繰り返してはいるが 徐々に
ダメージが蓄積されていく











「意外にやるな、あの六花族と闘神士…仕方がない





その時 仮面の男が闘神符を放った







闘神符は真っ直ぐへと向かい―





 危ない!







をかばったに 闘神符 "痺"が発動した!





ぐぅっ












そこへ襲いかかる式神の攻撃を はまともに受けた





彼女の頭部から血が噴き出す









っ 血が!





心配するな…俺はこんな奴に負けない!」







の静止を振り切って 式神へと向かっていく







だが 麻痺と先程のダメージのせいか
彼女の動きが鈍っている










彼女の銀髪が 徐々に赤く染まっていく…













「くそっ ここまでか…」


そして、彼女のひざが崩れたその時だった










闘神符"煙"を投げ あたりが煙に包まれる







「なっ…煙幕だと?





の姿を見失い 慌てる仮面の男









「…悪ぃ、助かったよ ここはいったん逃げるぞ…」





しっかりして 







煙に紛れて はその場から逃げ出した



















「その時 頭を打たれたせいもあって
戦った記憶が曖昧になってるが…


仮面の男の雰囲気がマサオミにそっくりだった事だけは
何となく覚えてる」





「そうだったのか…」


語り終えたの話に 深刻な顔をする二人





「でっでも まだマサオミさんだって決まったわけじゃ…」







リクの言葉に しかしは首を横に振りつつ







「確信は無いけど俺はあいつがあの男だと思ってる…」





そこで言葉をとぎらせた












そのとき彼女が思い出していたのは


泣きながら自分を見るの顔





…闘った後の時と そして別れた時の














に会ってから 俺は決めたんだ…強くなる、
今度こそあんな思いをさせない 


あいつからを守るんだ
って」







彼女の金色の瞳が 強い光を帯びた













「でも…僕はマサオミさんが
そんな事をする人だと思えない」


「リク お前まだそんな事言ってんのか?


「だって…」







コゲンタとリクが言い争いを始める
そこにが静かに言った







「二人ともありがとな…の家に着いたみたいだ」








気が付くと そこはの家の前だったようだ








「今の話は には内緒にしといてくれ…
ついでにあがれよ お茶出すからさ」









そう言いながら は二人を招きつつ玄関へ向かった





…二人もの家にお邪魔する事にしたようだ








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あとがき(と言うか楽屋裏)


狐狗狸:地流過去話完成〜
こうして書いてみるとどちらもわりかし重めな話だなぁ…
相変わらず展開があれだけど(しみじみ)


リク:でもさんにこんな過去があったなんて
意外ですよ


狐狗狸:私もそう思うだってヒロイン決めた時は
こんなの全然考えてなかったもん(笑)


コゲンタ:そうなのか?


狐狗狸:うん Mとネタのアイディアとか話し合ってるうちに
ドンドンヒロインたちの性格や過去が変わってきたんだ〜


リク:じゃあ この過去話も?


狐狗狸:そう Mのアイディアから始まったのさ!


コゲンタ:って それじゃあお前何も考えてねぇのか?


狐狗狸:はっ! そうかもしれない…


二人:オイ(ダブルツッコミ)




補足としては 二人とも過去の時、神流の存在を知らないです


そして、仮面男(マサオミ)は昔に手ごわくなりそうな闘神士を
ちょっかい出したりしてた
〜みたいな役割です(適当な…/汗)