「ちゃん…ちゃん」
と一緒にケーキ屋に寄った帰り道
を呼ぶ声で俺は我に帰った
「おい 誰か呼んでるぞ」
俺―六花のは 前を進むを呼び止める
が ケーキの事で頭が一杯なのかは
俺の声に気付かない
「すいません ちょっと待っていただけ…ああっ!」
〜「罠作動中」〜
振り向いた俺が見た人物は…
の憧れの闘神士 ヤクモ!!
耳にタコが出来るほど聞いた特徴や 毎度のように見せられる
デジカメのデータとまったく一緒のその姿を
目の前で見るのは初めてだった
こいつの姿を見たとき 俺の脳裏に浮かんだのは―
『絶対コイツに文句言ってやる』 の一言だった
奴が口を開くより早く 俺は一気に間合いを詰めた
「あんたに恨みは無いけれど…の事を
知ってるみたいだから、少し愚痴らせてもらおうか」
「えっ?どういうことだ?」
「どうもこうも無いっ がアンタに憧れてるせいで
俺は散々な目に遭ったんだっ!」
困り顔になるヤクモに向かい 一気にまくし立てる
「アンタのせいで 図書館や街中をさんざ引きずりまわされたり
伏魔殿や名落宮に迷いこんだり 耳にタコが出来るほど
アンタの武勇伝聞かされたりっっ!!!!!」
「あの ちょっとまっ」
「その度に突き合わされにゃならん俺の気持ちがわかるかっ
アイツと契約したばっかりにいいように利用されて
無理難題吹っかけられてっ…」
そこで感極まって 思わず
「俺にばっかり頼ってないで
自分で話し掛けるくらいしろ
のバカヤロ――――
――――――――――っ!」
ひとしきり叫んで 息を整えながら気付く
…最終的にあいつの批判じゃん
てゆうか 初対面でイキナリ愚痴を溢すのは
かなり失礼だよな……(ヘコみ)
「…あー、いきなり悪かった 本当にスマナイ」
流石にやり過ぎたと思い、謝る
謝って 許してもらえないかもしれないけど…;
けれど、苦笑交じりの笑みで 相手は許してくれた
「あ いいよオレは気にしてないから」
「アンタ結構いい人だな」
「それより…ちゃんがオレに憧れてるって…」
しまった! つい勢いで喋っちまった
にばれたら…ひいいいいいいいいいいいい
「いや そのっ頼む!俺がその事を言ったって事は
秘密にしといてくれっ!!」
「…わかった 秘密にしておくよ ちゃん」
そのときのヤクモの笑みが 俺には聖人のように見えた
思わず俺は彼の両手を掴み
「ありがとうっ!本当にありがとうっ!」
そういいながら握り締めていた
「痛たたた…」
「あっ すまん」
慌てて俺は手を放す
「…そういえば、何で俺の名前も知ってるんだ?
ひょっとして と知り合いか?」
「ああ、そんな所かな…所で
ちゃんを追いかけなくていいのか?」
その一言で
「ああああああああああああああああっ!」
とケーキ屋寄った帰りだったことを思い出し
「俺帰らなきゃっ じゃあまたっ!」
ヤクモをその場に残して 家までダッシュで向かった
―――――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)
狐狗狸:完成〜
ヤクモ:オレ出てきた意味あったのか?
狐狗狸:無きゃ書いてないよ(キッパリ)
ヤクモ:にしては…ちゃんの愚痴だけ聞いてその場に
置き去りのラストなんだが
狐狗狸:う!(驚) そんな事は無い 現に作中でいい人扱いだし!
ヤクモ:………(黙って源流神操機を構える)
狐狗狸:ギャ――串刺しの刑はイヤ―っ!!(逃亡)