「嫌だっ このモカケーキは俺が食うんだ――――っ!」
「ずっりぃ一口くらい寄越せよケチっ」
「ケチで結構だこのアホウドリっ」
「アっ アホウドリじゃなく隼だバカ狐!」
さっきからあたしの式神 六花のとソーマ君の式神
雷火のフサノシンくんがケーキをめぐって喧嘩していた
〜「束の間の幸せ」〜
あたしとはケーキ屋さんで目当てのケーキを買ったから
早速帰って食べるつもり満々だった
「わーい 久しぶりのケーキv」
「一度 この黒っぽいケーキを食べてみたかったんだ〜」
「のモカケーキも美味しそうだよね でもあたしの
フルーツタルトは分けてあげないよ〜ん」
やがて食べるケーキの味を想像しつつ 道端を歩いていたら
バッタリと神社帰りのソーマ君たちに出会ったの
「さん こんにちは」
「ソーマくんもこんにちは〜」
「フォンミディールのケーキですか?
あそこの美味しいんですよね いいな〜」
「じゃあの分のケーキ ソーマくんにあげようか?」
「こらっ!勝手に決めるなっ!!」
そう言って があたしの持ってた
ケーキ箱を取り上げたら…
「おっ!うまそうなモカケーキのニオイがするな!
一口くれよ!!」
フサノシンくんが言ったこの一言が引き金になって
売り言葉に買い言葉…そんな感じで
との喧嘩が始まったわけ
たかだかケーキの事で も大人気ないなぁ〜
でもあたしが同じ立場だったら譲らないな
だってここのケーキ美味しいし それに
ケーキなんて滅多に食べないもん
「そういえば…ソーマ君はどうして神社に行ったの?」
「実は…最近、伏魔殿に修行に出かけてるんです」
「そうなんだ」
「皆なんだかんだ言って強くなってるから
オレ達も強くならなきゃって」
あたしの頭の中に一瞬 2年前の日々が甦る
「強くなる事に意味なんてあるの?」
あたしは思わずそう聞いた―彼の答えが知りたくて
「オレは、最初は兄さんを止める為に戦ってたけど
今は…みんなの為に戦いたいと思ってるんです
そのために強くなりたい って」
「みんなの 為に?」
「リクさん達やフサノシンや兄さん…それに
さん達の為に」
そう言って ソーマ君はニッコリと笑っていた
「そっか…」
そこで 二人でしみじみとしていたときだった
「喰らえっケチ狐!!」
「うわっ!」
"ベチャッ"
すぐ側での声と絶望的な音が同時に聞こえた
振り向くと…ケーキの箱が地面に落ちてつぶれていた
もちろん中のケーキごと
「…覚悟は出来てるんでしょうね?」
「ちちち違うんだ 誤解だ許してくれっ!!」
「うるさーーーーい!!」
「ギャ――――――――っ!!」
あたしは怒りのあまり にその場で制裁を加えた
ソーマくんとフサノシンくんは いつの間にか帰っていたけど
あたしはしばらくその場でをシバキ続けていた…
―――――――――――――――――――――――――――――
あとがき(というか楽屋裏)
狐狗狸:書き終えて解いて補足ですがさんはフサノシンに
蹴り入れられて その衝撃でケーキ箱落としました(笑)
ソーマ:そういう補足って 普通やっちゃいけないんじゃ?
狐狗狸:ギクッ
フサノシン:しかも微妙に説明不足っぽいとこあるし
狐狗狸:急いで書いたんだから文句いわないの!!(汗)
二人:(さん)の話を手抜きで書くな!!
狐狗狸:グフラ(吐血)