まず、最初に状況を
ハアクしたのはカフィルだった




「…何故いる?」


『そう邪険にすんなよぉ』


「うう…って、カフィルさんにグラウが
何でここに…って、ここドコだ!?


『起きたぁ?
今から楽しいゲームが始まるよぉ〜』


「がんだよコレ!
どうなってだだん!答えろテメェ!」





ドアを背にしたオレへ
みんなが詰めよったトコで




『落ち着きなよ』




別室のルーデメラから現状説明が







〜部屋ニテ探ル者達〜







実験したいアイツ遊びたいオレ
利害が一致して


あの男を乗り気にさして、この三人を


ゲームのコマとして部屋に運ばせた




もちろん内容は、仕掛けありの
部屋からの脱出だ!







「顔合わせる度にロクなことしかしやがらねぇな
こっちは忙しいっつーの!


『いーじゃん、修復も進んで会える回数
減ってってるんだし これくらいはさ』




しかめっ面のザクロを見て、きっと
笑ってんだろうなールーデメラ




『まー今回は比較的ユルめだから
安心しなよぉ?』


「「信用できん」」




ハモる二人へ、更にシェイルサードが
こう答え返す




『エブがしないよう見張ってるから
俺、悪さ大丈夫』





…あの冴えねぇ神さえいなきゃ
もっとハデな仕掛けができるのに、マジ残念




「ならちっとはマシだが」




不満げなザクロをヨソに




「神をこんなキンケな場所に
閉じこめられるかよ!」




近くの床へ手をつきグラウンディは
高らかに吠える


「"すべての意思はここにあり(レェサニサ)!"」







…けど何にも起きなかった




『壁やドア壊せないから
無駄な労力使わないようにね?』


「しゃきに言えテメェ!」


「ルデの考えそうなこったから
予想はしてたがな」


「チッ、にしてもこの部屋なんもねー
うぃ!?


「何だよグラウ変な声だし…
ってえぇぇぇ!?




三人が振り返ってみれば




がらんどうだった部屋に


いろんなモンが、並んでいた




ホコリだらけの本棚・古びた柱時計
子供ほどの丈のタンス
が三方の壁に


そして中央にはデカいテーブルと
三つのイスがあり


ホカホカと湯気の立つスープ、香ばしい
コゲ目のついた肉やつやつやしたパイに
彩りゆたかなサラダと


豪華なメシが並んでいる




みすぼらしい部屋にデーブル上の料理は
余計に目立つ




カフィルたちも気にはしてるみたいだけど


怪しんで手をつけようとしてない




「さっきまで無かったろこんなモン!
いつの間に」


『間に運んだんだ〜俺が、貼り紙
見てる君らが』



「…納得した」




隅っこに移動したオレに注意を払いつつ


三人は辺りをキョロキョロ見回す







部屋は四角くて灰色の空間


だいたい普通の広さで、中もヒビと裂け目

ついでに汚れがあって牢獄っぽい


窓はないけどごく小さな空気穴は
あるから息はできる




「明かりは電球一つ、か」


「ススけちてっし神せまくて
やな感じぬトコだな」




あらかた室内を見終わったザクロが
おもむろにドアへ近づく




「ドアはここだけか…
ん?貼り紙あんぞ、何だこの字」


「こちらの世界の字だな」


「なんて書いぺあんだ?」


「面倒だ、自分で読め」


「いや俺読めねぇから!」




貼り紙にはこう書いた―




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